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第13話 保留



 そこまで語ったグレンは、話しを止める。


「そういった神話が存在している。だから人の魂が、スライムに宿っても不思議ではない」

「それじゃあ私は、その神話と同じように人になれるのか ?」


 わずかな期待しか込める事のできないライムの問いかけに、グレンは難しい顔で頭を振った。


「わからん、何せこれはすべて神話の話し。しかもいま語ったのは、異端の神話として伝えられたものだ」

「異端ですか?」


 落胆とも納得ともつかない感情のままライムは相槌を打つ。


「ああ、神殿はこの神話を認めて居ない。だがな、神殿が伝えている神話に比べると事実と符合する点がいくつかある。

 だから真実の一端を語っているのではないかと言われている」


「符合する点とはどのような事なんですか?」

「良い質問だ」


 グレンは満足気に頷き続ける。


「そもそも神殿が認めている神話によると、人は神の子が地上に降り立ったのが始まりとされている。

 まあ、人の成り立ちはいいんだが。問題は動物と魔物に関してだ。


 人を除く全ての生き物は一柱の神によって作られたという。

 これは動物も魔物を同様だ。


 だがな、そうだとすると妙なことになるのだ。


 動物は死した際、死体を残す。血肉や骨を生きていた頃と同じ形で残す。違うのは生きているか否かだ。


 しかし魔物は違う。魔物は死した際にその体のほとんどを魔力として霧散させてしまう。残すのは魔石と魔力の宿った体の一部のみだ」


 その説明に、ライムは大虫を仕留めた時の事を思い出す。死体が消えてしまい、小石だけを残した大虫は、動物ではなく魔物であったのかと気がついた。

 だとすると、あの時食べた小石は魔石と呼ばれるものだったのか。


 ライムの新たな発見をよそに、グレンは説明を続ける。


「一柱の神が作ったにしては、動物と魔物はあまりにも性質が異なる。別々の神がそれぞれを作ったという方が納得のいく話しだ。


 それにスライムという生き物の性質も関係がある。

 ライムはスライムという生き物の構造を知っているかね?」


 奇妙な質問だと思う。スライムと名乗った相手に対し、その生き物の構造を知っているかとたずねるとは。しかし人が人の構造を知っているかと尋ねられたと考えれば、それほど奇妙ではないと思いなおす。


「構造? 中心にある核とそれ以外?」


 ライムにとって透明である自分の体を見たまましかでしか答えようがない。

 が、それで良かったらしい。


「その通り。そして、スライムとは核が破壊されれば死亡する」


 知っているかね? というような視線にライムは頷く。


「だがな、ここで学者たちは頭を抱える事になる事実が判明する。

 スライムという生き物が動物なのか、魔物なのかわからなかったからだ」


 どういうことなのかわからず。ライムは首をかしげた。

 動物と魔物の判別方法は、『動物は死体を残し、魔物は死体を魔力として霧散させる』ではなかったのかと。


「核を破壊し、スライムを殺害した際、その体は残った」

「なら動物じゃないですか?」

「しかしだ、核の部分は魔力として霧散ししてしまった」

「なら魔物になるんじゃないですか?」


「昔は体の一部が魔力として霧散したため、スライムは魔物であるとされた。大部分の残った体は、魔物が体の一部を残すことがあるため、特別に体を多く残すだけの魔物だと思われた。

 

 しかし、長年の研究の結果、魔物にはある特徴が必ずあると判明した。それは『魔物は死亡した際、必ず魔石を残す』ということだ。

 

 だが、スライムは魔石を残さない。


 スライムは唯一、魔石を残さない魔物として例外的に魔物に分類されていたが、それはさすがにおかしいのではないかと、学者たちは頭を抱えてわけだ。


 今では、スライムは動物でも魔物ではない存在とされている。


 それにスライムには動物にも魔物にもない性質が存在している。

 その性質のせいで、スライムが生き物なのかと疑問に思う者もいる」


 今の自分は生き物かどうかすら疑われる存在なのかと、ライムは妙な落ち着かない気分になった。


「どんな性質ですか?」

「スライムは死亡すると核は消失し、粘体状の体だけが残る。その残った体だがな、放置しておくと、体の中に新たな核が出現するのだ」


「……それは核が隠れていただけじゃないんですか?」


「核が通り抜ける事のできないように裏ごし器を通したものでも核が出現したのだ。核が隠れていたということはなかろう」


「それじゃあ、スライムは死なないって事ですか?」


 核を破壊されたとしても、粘体状の体が残っていれば復活できるという事ならば、スライムは非常に生き残りやすい生き物ということになる。

 が、ライムの期待に反して、グレンは否定する。


「いや、死なないというわけでもないらしい。

 核を破壊されればスライムは死ぬ。それは確実だ。

 なぜなら出現する新たな核は、破壊された核とは全くの別モノだからだ。


 核の見た目はもちろん、核が破壊される前と後では行動様式が全く異なる事が多いらしい。

 それらの観測結果から、全くの別個体であると結論づけられた」


 不死性を持っては居ない事に少し残念に思う。

 自分の体を一番初めに見た時に感じた、核が破壊されれば自分は死に至る、という確信は正しかったのだ。



「まあ、少し話がズレたが。

 スライムの体が残されている時に、新たな核が出現する。しかし、その核がなぜ出現するかは分かってはない。


 幾つか仮説はあるが、どれも実証されてはいない。

 しかし、その仮説の一つにこういうものがある。


 『死亡した他の生物の魂がスライムの体に潜り込み、スライムの核になる』


 という仮説がな」


「な……!」


 ライムは驚愕する。その仮説が正しいとするならば。


「わしが、おぬしが元人間だという事にあまり驚かなかったのはその仮説が念頭にあったからだ。


 しかし、仮説は仮説にすぎん。

 今まで人の魂を持ったスライムなど話に聞いたことも無かった。


 けれど、わしはおぬしが人の魂を持っていると言う事を、お主に会う前から知っておった」


「え?」


 どういうことだと、ライムは戸惑うが、グレンはその疑問を気にすること無く続ける。


「故にわしは、お主の事を『スライムに人の魂が入った存在』ではなく、『人の魂がスライムの肉体をもった存在』と考えた。

 スライムの体を主体におくか、人の魂を主体におくかで、考えは変わる。


 わしは魂の方を主体に考えた。

 

 己の魂を一時的に別の生き物に乗り移らせ、その生き物の目と耳を借りるという使い魔の魔法が存在する。それとに似た存在かと思いもした。


 しかし、スライムの体を使い魔にできたという話は聞いたことがない。


 ワシの知る限り、人の魂がスライムの体を纏う事など不可能だ。

 だから今話した神話はいくつかの事実に符号する点はあるが、神がスライムの肉体を利用して人や魔族の祖となったというくだりも創作だと思っていた。


 だが、お主の存在でその神話は限りなく事実ではないかと、今は思い始めている」


「なんで、そう思うんですか?」


「なぜなら、スライムに己の魂の欠片を宿した一柱目の神も三柱目の神も、そしておぬしにもある条件が共通しているからだ。


 そして他の人間の魂がスライムの肉体を纏う事ができないのは、その条件を満たしていないからだとすれば、ある程度の筋はとおる」

「条件ですか?」


「そう、その条件と『異世界からやって来た者』だ」

「え? でも、私はともかく、神の方はこの世界の神なんじゃ?」

「いや、違う。

 神々の喧嘩の末にこの世界が作られた。神々はこの世界が生まれる前から存在していたのだ。

 つまり、神々の出身地はその世界とは違う世界だということになる。


 それに彼らは一度この世界から去っている。スライムの体に魂を入れたのはこの世界に帰ってきた後の話だ。


 言い換えれば、異世界からやって来た者がスライムに魂を入れることができる、のでないかと思う」


「そうなんですか?」

「推測じゃよ。それも神話に対して推測に推測を重ねた、砂上の楼閣よりも不確かなものに過ぎない。


 けれど、おぬしが人になりたいと願うのならば、その砂上の楼閣にすがるしか無いと、ワシは思うがな。


 どうするかの?」

 

「他に私が人になる方法はあるのですか?」

「さて、わしには思いつかないな」

「なら、私としてはその砂上の楼閣に頼るしかありません。

 けど、その神話が本当のことだとしても、具体的な方法があるんですか?」


「具体的な方法か……。

 神は己の力で、人になったという。

 

 となると、神の力に頼るしか無い」


「……この世界に神さまは実際にいるんですか?」

「ワシは姿をみたことは無いが居る、とされているな。神の力だけならば、頻繁に見ることができる。神聖魔法という形で人が神の力を使っているからな。


 だが、その神の力がどのような効果をもたらすかは、それぞれの神の権能による。

 神聖魔法はそれぞれの神の権能を、人の手によって引き起こすものにすぎないのだ。

 だから、おぬしの望みに叶う権能を持った神を探すか、それとも神の降臨を起こして、奇跡を願うしか無いかもしれん。


 神の降臨と奇跡の顕現は、十数年に一度はどこぞの街で起きたとか、うわさになるくらいだ。スライムの肉体の持ったおぬしなら、時間的には狙えるかもしれぬ」


「十数年? そんな長い時間に一度の機会しか無いなら、人になる前に死んじゃいますよ」

「おぬしは知らないのか。スライムの寿命は現在確認されておらんぞ?」

「え?」

「スライムの飼育記録があるが、少なくとも800年は生き続けていると記録にあるし、老衰のような現象も確認されてはいない。それに病というものも無いらしい。

 外傷以外でのスライムの死は今まで確認されてはいない。


 それほどの長さがあるなら、機会を得る事もできるかもしれんな」


 グレンはそう言うが、ライムとしてはそこまで長い期間を、人になるというお望みを持ち続けられるのかと不安に思う。

 いや、いま気にするべきは寿命の長さだ。寿命を確認されていないならば、寿命自体が存在していない可能性すらある。


 スライムとして生きて、何も得られないまま、それほどの長さを無為に生きるかもしれない。ライムは薄ら寒い恐怖を感じた。


「時間が掛かり過ぎです。他に方法は無いんですか?」


「で、あるならば……。

 神の奇跡に匹敵するほどの魔法の技量を手に入れるしか無いかもしれん」

「魔法を?」


 ライムが知っている魔法は物理魔法だ。物を凍らせるだけの『氷結』と効果がよくわからない『振動』だ。そんなものが、スライムから人になるという奇跡の御業にどうつながるというのだろうか?


 グレンは重々しく頷く。


「魔法とは、人が神の御業を模倣したのが始まりだ。現に今、信仰されている神の中には、魔法を極め神の位階に辿り着いた元人間の神もいる」


 神と人間の境界が曖昧な世界だということに驚愕を覚える。


「神がスライムの体を介して人間になり、人間が魔法を介して神となる……。

 どちらも二柱目の神の御業とも言えるかもしれんな」


 グレンはつぶやき、その後、己の言った言葉を否定するように頭を振る。


「まあ、どちらにせよ困難な道であることには違いない。」

「私が魔法を覚えること以外は無理なのですか? 他の人に私が人になるような魔法を使ってもらうとかは……」

「それは無理な話だ」


 グレンは即座に否定した。


「魔法というものは、他者の体に干渉する事はとても高度な技術なのだ。

 自分の体に魔法で干渉するのは初級者でも可能な事だ。しかし、同じ効果の魔法を他者に干渉させようとした瞬間、その魔法の難易度は数倍に跳ね上がる」


「けど、グレンさんはアリティアの怪我を魔法を使って治療してましたよね?」


 ライムの疑問にグレンは苦笑する。


「あれは簡単な魔法だからな。回復魔法が苦手なワシでも出来る程度に難しさは収まる。


 だがな、難易度の高い魔法を他者に掛けようとするならば、難しさは数倍程度では済まない。数十倍、あるいは数百倍は難しくなる。


 己の魂を保全したまま、肉体をスライムから人間のそれへと変化させる。

 などという高難易度の魔法を、自分では無く他者に掛けようするならば、それこそ神様ぐらいにしか行使はできないだろう」


「そう。ですか……」


「だが逆を言えば、自分自身に掛ける魔法であれば、神にまでならずとも、行使できる難易度に収める事ができかもしれん」


「そう……そうですか」


 ライムは考えこむ。


 スライムは長い寿命を持ち、その終わりがあるとは限らないという。とてもとても長い時間を、人ではない存在として生きるということだ。

 外傷によって死ぬこともできるようだが、核を失っても、残った粘体の身体から新たに生まれる核が自分自身ではないと断言はできない。

 それに死に対する恐怖がある今、それを試す気にはなれない。

 

 死ぬことはとても恐ろしい。けれど同時に永遠を生きる事もとても恐ろしい。

 少なくとも今のライムには永遠を生きる覚悟は無い。


 ゆえに現状のスライムのままで生きる事を受け入れるというのは、選択肢には無い。


 ならば、神の奇跡が起こる機会を待つか? それも難しいだろう。いつ何処で神の顕現が起こるかはわらないし、自分に対して、その神が奇跡を起こしてくれるかという問題がある。

 それに自分が神の存在に疑いを持っているという事もある。ライムは地球の日本で生きた人間だ。神は実在しないものである。という考えが意識の根底にある。


 それに、本当に神がいるなら、なぜ自分をこのようなスライムにしたのかと恨み事を言いたい気分も持ち合わせている。そのせいで神を頼るという事に抵抗があった。


 それにその機会まで無為に過ごすというもの耐えられそうにない。

 ならば、選択肢は一つだけだろう。


 己で魔法を学び、己の力で人になる。


 スライムとして生きるという諦めの選択や、神の奇跡にすがるという待ちの選択よりも、己の力で何とかしようという選択のほうが好みだ。


 それに、神だのみも、諦めも、自分の力でどうしようもなかった後の選択にするべきだ。


「うん、そうだよね」


 一つ頷き、ライムは顔を上げ、グレンを見据えた。


「なら、私に魔法を教えてくれませんか ?」

「ん? わしがか?!」


 グレンは目を丸くして驚愕する。何かおかしな事を言っただろうかとライムは戸惑いながらも続ける。


「アリティアが言っていました。

 グレンさんはこの村での一人きりの魔法使いだと。私にはあなた以外の魔法使いの存在を知りません。

 それにあなたは私の現状を知っています。だから、私にはあなたに頼るしかすべがありません。


 お願いします。私に魔法を教えて下さい」


 ライムはテーブルに両手をついて、頭を下げる。


「うーむ……」


 しかしグレンはうなる。

 彼からすれば、目の前に現れた不思議な存在についての考察を続けていただけだったのだ。


 新たな知見を得られる事に、喜びとともに思いつくままに語る。

 そこにライムの将来の事に関しての考えは無かった。当然、ライムの将来と自分の将来が交わる事なども考えてもいなかった。


 だからこそグレンは悩む。頼られるのはうれしいが、自分がライムに魔法を教えるという事はつまり、ライムを自分の弟子にするということだ。


 問題ではないだろうか。


 そうグレンは思う。

 確かに、ライムは人の魂を持っている。しかしその体はスライム、つまりモンスターだ。

 そして魔法というのは『力』そのものだ。


 つまりはモンスターに力を与えて良いのかという問題だ。

 

 しかし、ライムに希望となる話しを聞かせてしまったのは自分である。


 はじめから希望など無いとして弟子入りを断るならば、多少の罪悪感を覚えるだろうが、それだけで済む。

 しかし、希望を見せた上でその道を断つのは良心が苛まれる。


 此処で断るのならば、ライムは希望を持ちながらも、その希望へと歩む事ができなくなる。

 もしもライムが人ならば、自分が弟子入りさせずとも別の魔法使いに弟子入りする事もあるだろう。

 しかし、人ではないライムには、弟子入りの前に自らの存在自体を認められるという困難なハードルが存在している。


 自分ならそのすでにそのハードルは超えている。アリティアの救助とその後の短い時間だが会話を行ったことで、ライムの大体の性格は理解できた。


 基本的に善良な存在だ。命の危険がある子供の救助を行い、水汲みの手伝いも素直に聞き入れた。臆病に見える部分もあるが、ライムの状況からすれば仕方のない行動だろう。


 自分の存在を覚えていないようだが、地球という別の世界の知識も多く持っているし、それらの知識から、自分のいる場所が地球ではないと結論づけた知性がある。

 その知性は特別に輝かしいものではないだろうが、一般以上のものはあるだろう。


 こちらの世界の流儀を知らず、所々変だと思う箇所もあるが礼儀もわきまえている。少なくとも学院に来たばかりのバカ貴族のボンボンよりはよほど礼儀正しい。


 会話の相手としても話やすい相手だ。こちらの考察を興味深く聞いてくれる者などこの村にはほとんど居ない。


 そう考えると、断る理由など無いように思える。


 いや、しかしそれでも問題だろう。彼女はとても善良な存在だろう。それがわかったとしても、スライムであるという一番大きな問題が解決するわけではない。

 だからこそグレンは悩んだ。


 頭を下げるライムを見やり、口を開く。


「ライムよ。とりあえず頭をあげてくれないか」

「私を弟子に。してくれますか?」


 頭を上げたライムの質問に苦い表情を更にしかめる。


「しばらく、考えさせてくれんか ?」


 そう答えを保留することしかできない。

 ライムの希望を絶たれたような表情に心が痛む。それでもライムはうなずいた。


「わかりました」


 それからは言葉もなく、ライムはカップを傾ける事だけしかできなかった。


 その茶を飲み干すとライムは辞去を告げる。


「お茶、美味しかったです。それじゃあ、また来ます。

 その時は魔法のことを教えて下さい」


 決意を込めた言葉と共に一礼をする。


 家を出て行くライムにグレンは唸った。

 弟子にして魔法を教えるとは言ってはいないのだが。と。


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