十柱の神様
この世界には神様がいる。
世界を創造した十柱の神様だ。
ゲームの設定によると、それは能力者だけが知ることができることらしい。
能力が覚醒すると同時に、まるで今まで知っていたことのように認識するらしい。
そもそも能力者は、神様の力を与えられた者たちの血を受け継ぎ、それに覚醒することで生まれる。
つまり、能力者は全員遠い遠いと~おい親戚になるということだ。
恋愛要素・RPG要素 すべてのシナリオを攻略すると解かる世界の秘密・神様の秘密がある。
世界は、異世界からやってきた十人の神様によって創られた。
神様たちの世界は滅び、たった十人だけが何もない真っ暗闇の力だけがある世界へと辿り着いて生き延びた。
神様たちは、世界にあった力を十人で分けて世界を創りだした。
まず、五人の神様が、大地を創り、水を創り、風を創り、炎を創り、植物を創り、世界を形づけた。
次に、二人の神様が、その世界の上に動物を生み出し、人間を生み出した。
最後に、三人の神様が、命が安らげるようにと、夜を創り、時を創り、死を創った。
世界が動き出すと、神様たちは人間に歴史を与えた。
神様たちの世界の歴史を。
人間は、それに沿うように進んでいった。
しばらくすると神様たちは人間から自分たちの事を忘れさせる。
自分たちも、新しく進む歴史に混ざりたくなったから。
でも、完全に忘れられるのは寂しいし、影響を与えにくくなる。
だから、一部の人間に自分たちの力の一部を与えた。それが能力者の始まり。
その血に自分たちのことを記憶させた。
すべての能力者が神様を忘れないように。
いざという時、神様の言うことを聞くように。
正直、壮大に設定を盛りすぎだよ。
薄い本で見かけたこの設定には、びっくりしたね本当。
流石、キャッチコピーが
『三日徹夜のスタッフが企画した、壮大なストーリー』
採用するなよ、そんな企画。
ゲームは、神様同士の戦いやら世界に干渉したい神様に操られた能力者との戦い、幻獣が実はある神様の手下だとかなんやらなんやらで進んでいった。
そこに、恋愛を絡めていくのだが、
もうお腹いっぱいですって。
そして、今神様は「~王」って名称で現代では能力者の偉い人って認識されている、一般的に。
ある王は転生を繰り返しながら、ある王は血の中に溶け込んで、ある王は相性のいい能力者を依代として、などなど今も生きている。
「妖精王」「天理王」「冥王」「火焔王」「慈水王」「空王」「地王」「樹王」「獣王」「夢王」
あまり、大きく干渉しないように生きているらしいが、その影響力は計り知れない。
だから、動かなくてはいけない時、彼らは使い魔を使う。
魂を自分と繋がせた能力者。
神様は、使い魔の感覚を自由に観ることができる。
そして、いざとなれば使い魔を通じて力を酷使できる。
ほぼ、使い魔に人権ってないよね。
迷惑な!!
ノートの二ページ目を書き、私は首を鳴らした。
これやると、首太くなるって本当かな?
ごき ごき
小気味いい音が鳴る。
初日からこんだけ肩こって、やっていけるのか私。
「あっ・・・・」
なんだか変な感じがする。
お腹のそこから、ぞわぞわ 何かが這い上がってくる感じ・・・
こんこん
がちゃっ
「失礼。おじゃまするよ。」
ドアが、鍵のかかっている部屋の扉が開けられ、
その不思議な感覚はゾワゾワっと膨れ上がった。
そこにいたのは、ニコニコと笑顔を浮かべた壮年の男。