流星 -消える色-
飛び降りた僕は自分の死体を探した。
うまくぐしゃぐしゃに潰れたそれは重く。鮮やかな色彩と香りを僕にプレゼントしてくれた。
もうひとつ、もうひとり。
下から上へ、右から左へ僕が落ちていく。
小さなフラッシュバックと共に潰れていく薄ピンク色の果肉が、僕をまた1秒ずつ連れ去っていく。
抉れた指を少し舐めて、紅を愉しむと、視界は白く変わった。
もう見えない?
何も色も空も。
上向きに地面を眺めながら落ちて、ただの藍を目に映した。
ここはただの監獄。そう思うでしょう?
きっとまた別のなにか。
流されてしまう夜空ような、広く深い。
次は星に。
ただ、堕ちる。
Twitter:@dakusanno