冒険者ギルドで依頼を受ける
「「ごちそうさまでした」」
街に行った翌日。今はお昼ご飯を食べ終わったところだ。
ミルクから食器を受け取って洗い物をしていると、
「ちょっとお昼寝してきますね⋯⋯」
と言って部屋に消えていった。
今日はお日さまの光が暖かく、ご飯後という事もあり眠くなったんだろう。
洗い物を終えて、少し暇になった。
特にやる事もないし、ちょうどミルクも寝てていないから、今後の事を整理しよう。
これからやるべき事は、ミルクの借金を返済して、ミルクの母親を取り戻す事だ。
借金を返済するためには、冒険者ギルドの依頼を受け、お金を稼ぐ必要がある。
確か、冒険者ギルドは他の国にもあるはずだから、クライムやイスカから離れた国に行ってみよう。
そうと決まれば早速行動だと、マップを出し国を探してみる。
すると、今俺たちがいる森からクライムと逆に進んだ方向、スイクという国があった。
街の規模の大きさからして、冒険者ギルドもありそうだ。
自動運転の目的地をそこに設定して、最高速度で出発した。
約一時間後、スイクに到着した。
まだミルクは寝ているため、複製を出して降りていく。
一応ローブを被って街に入る。
マップを拡大して冒険者ギルドを探すと、意外と近くに冒険者ギルドはあった。
マップを見ながらギルドまで歩いていく。
数分後、マップ上で冒険者ギルドの表記が俺の目の前になったところで顔を上げる。
そこには、クライムと同程度の規模の建物があった。
まだ慣れない圧を感じつつも中に入ると、やはりクライムの方と似ている構造だった。
依頼が貼ってある掲示板の前に行き、どんなものがあるか見てみる。
薬草の回収に、荷物の配達⋯⋯商人の護衛なんてものもあるな。
たくさん貼ってある紙の中から、俺はとある依頼を探す。
数分後、俺はギルドのカウンターの前に立って依頼の紙を渡していた。
「この依頼でいいんですね?」
「はい――――」
受け付けの人の質問に答える。
「モンスターの討伐で!」
俺が家に戻ると、ミルクは既に起きてきていた。
「おかえりなさい、リツさん。どこに行ってたんですか?」
「ただいま、ミルク。ちょっと冒険者ギルドにな」
次の瞬間、ミルクが不安そうな表情をしたので、慌ててつけ足す。
「あ、もちろんクライムとかイスカとは離れた国だからな?」
ミルクが安心した表情をするのを見て、俺もホッとする。
「でも、何で冒険者ギルドに?」
「お金を稼ぐために依頼を受けてきたんだ」
「なるほど!お金稼ぐって言ってましたもんね」
合点がいったというようにミルクが手をぽんっと打つ。
「ちなみに、何の依頼を受けたんですか?」
「モンスター討伐だ!」
「え?」
「え?なんか変?」
「リツさん、モンスター倒せるんですか?」
「まぁ⋯⋯多分?」
「それホントに大丈夫なんですか!?私モンスター倒せませんよ!?」
「まぁまぁ少し待ってくれ。流石に俺も無策でこの依頼を受けたわけじゃない」
「じゃあ、どうするんですか?」
首をかしげるミルクに、ウィンドウを表示させ、いくつかポチポチしてから向ける。
「魔力砲撃?」
ウィンドウに表示された機能を見たミルクは、その機能の名を口にする。
「そう、魔法砲撃」
「これはどんな機能なんですか?」
「文字通り、魔力を弾にして砲撃する能力だよこれなら、家から出ずに安全に戦えるだろ?」
「確かに、これなら戦えない私達でもモンスターを倒せますね!」
「ということでモンスターのいる森に向かっていきましょう」
「はい!」
マップを開き、モンスターが出没するという森に向かって自動運転を開始する。
いつもならここでウィンドウを閉じるのだが、今日は違う。
集中するため、ミルクに声をかけてから部屋に入る。
ウィンドウを見つめ、設定を開始した。
同刻、律達が狙うモンスターの巣。
このモンスターは、蜂のように個体ごとの役割をもち、他の動物を捕らえ、モンスター同士で分け合う。
動物を捕らえる役の個体が、今日も動物を捕まえに行こうと外に出た時、"それ"は唐突に現れた。
抗う間もなく、吠えるひまさえなく、8匹のうち5匹が殺された。
「ガルルルルルルル⋯⋯!」
残った3匹が"それ"に威嚇する。
その声で他の個体も気付き、"それ"が気付いたときには、既にモンスターの群れに包囲されていた。
はたから見れば、"それ"が圧倒的に不利な状況。そのはずだった。
モンスターの一匹が反応する。
次の瞬間には、モンスターの群れは、一匹を残し、全滅していた。
このモンスターの名前は、パートナーライオン。
仲間が一匹殺される毎に、その憎悪でステータスが2倍になる。
2倍の2倍は4倍。つまり、2匹殺されると4匹分の強さ。
2倍の2倍の2倍は8倍。つまり、3匹殺されると、8倍の強さを手にする。
残りは一匹になったが、さっきよりも戦況は有利になっている。
それを理解しているパートナーライオンは、その増幅されたステータスをもって、"それ"を殺すべく、襲いかかる。
鮮血が飛び散った。
そこにあるのは―――――――――パートナーライオンの死体。
パートナーライオンの増幅されたステータスをもってしても、"それ"にはみじんもかなわなかったのだ。
「グオオオオオオォォォォォオオオオオオ!!!!!!」
辺りには、パートナーライオンの血が飛び散り、"それ"の咆哮が響き渡っていた。




