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固有スキルが⋯⋯レベルアップした?

 【飛行】を手に入れてから、しばらく経った。

 ここ最近は、朝ごはんを食べた後や、夜寝る前に【飛行】を使って遊ぶのが日課となっている。

 今は、朝ごはんを食べ終わって【飛行】で遊ぶ時間となった。


「今日も、やる?」


「はい!」


 もう具体的に言わなくても伝わるようになってきたな……。

 俺は、頭の中で【飛行】と唱え、家が動くイメージを浮かべる。

 数秒後、家が動き、宙に浮かんだ。もう何回もやっているので、ここまではスムーズに出来るようになっている。

 もう10回近くやっているのに、まだ目を輝かせて窓に身を乗り出すミルクに笑って、少しづつスピードを上げていった。



 小一時間程【飛行】での遊びを楽しんでいると、急にピコン、という音が鳴った。


「なんだ今の音?」


「え?何か鳴りました?」


 ミルクには聞こえていない?って事は⋯⋯

 俺はウィンドウを開いてみる。

 すると、案の定右上に通知マークがあった。

 NEW!という表記があるのでタップしてみると、こんな画面が表示された。


――――――――――――――――――――――――――――――


スキル 家召喚(マイハウス)が進化しました!

進化内容の詳細

現在所有中の機能のランクアップ

建築材料の増加

耐久性の向上

etsetora(エトセトラ)⋯⋯


――――――――――――――――――――――――――――――


 俺がその通知を喜んで見ていると、不思議そうにこちらを伺っているミルクの姿が目に入った。


「一緒に見てみる?」


「はい。何が書いてあるんですか?」


 そう言いながら覗き込んできたミルクに見えやすいように画面を調整してから、一緒に見始める。

 すると、ウィンドウを見ていたミルクが、画面の一部を指さして、わくわくといった雰囲気で聞いてきた。


「これって、【飛行】のランクもアップするんですか?」


 ミルクが指さしたのは、現在所有中の機能のランクアップ、という項目だ。


「どうだろう?試してみる?」


「はい!」


 そう言って早速窓際に移動し始めたミルクをちらりと見てから、ウィンドウで細かい説明を見てみる。

 見てみると、ふと気付いた事があった。

 さっきウィンドウに表示されていた内容からして、レベルが1段階アップするのかと思ったが、レベルに変化はない。

 その代わりに、ランクというものが追加されている。

 今は、ランクが【(ブロンス)】となっている。なんかゲームみたいだな。

 ランクの表記だけでは詳しい変化内容が分からないので、気を取り直して詳しい説明を見てみる。


――――――――――――――――――――――――――――――


【飛行】の変化内容

速度上限が時速120キロまで上昇

揺れの無効化

高度限界の無効化

高度を上げたことによる家の中への影響を無効化(酸素濃度など)

マップの実装

自動運転


――――――――――――――――――――――――――――――


 これは⋯⋯ヤバいっすね。

 揺れの無効化も結構いいけど、マップの実装&自動運転って。

 車かよ!

 俺は試しにマップを開いて見ようとしたが⋯⋯ミルクがうずうず、といった表情でこちらを見ているので、さっさと頭の中にイメージを思い浮かべる。

 高度限界が無効化されたから、今までよりも綺麗な景色が見れるかも知れない。

 窓を見て調整しながら、少しづつ高度を上げていく。

 やがて、俺達は今までよりも遥かに高い位置からの森を見下ろしていた。


「うわぁ、高いですね!」


「ああ。これまでよりずっとな」


 にしても、この森は相当広いようだな。

 ここまで来ても、まだ全体を見渡せない。

 そんな感じで、いつもより何倍も高い位置からの景色を楽しんでいると、ぽつぽつ、と雨が降ってきた。

 急いで窓を閉めた頃には、にわか雨はどしゃ降りに変わっていた。


「雨が降ってきちゃいましたね⋯⋯」


 しょんぼりと言って椅子に座ったミルクに、俺は何かないかと頭をひねる。

 そうだ。

 俺は窓の外を見ながら、家を上昇させて行く。

 やがて、家は雲を越えて、辺り一面に雲が広がり、太陽の光が照らす上空にいた。

 まだ気付かずに椅子に座っているミルクに声をかける。


「ミルク、ちょっと外見てみて」


「どうしたんですか?」


「いいからいいから」


 ミルクは首をかしげながら窓の外を覗く。

 ミルクが目を見開く。


「なんですか⋯⋯これ⋯⋯」


「雨雲の上。上空⋯⋯5000メートルくらいかな?」


「凄く、綺麗です⋯⋯」


 ミルクは窓の外の景色に圧倒され、絶句しながら、景色を楽しんでいた。

 俺もミルクの隣に立って雲の上の景色を眺める。

 召喚される前、現代の世界だったら、こんな景色一生見ることはなかっただろう。

 そして、勇者として扱われずに、国から追い出されなかったらこんなに充実した生活を送ることもなかっただろう。

 それを考えれば、召喚されて、国を追い出される、というのも、あんまり悪くなかったのかもしれない。

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