朝ごはんと遊び
「うーん⋯⋯」
起きた。おはようございます今日もいい天気ですね。
今何時だ⋯⋯?
壁に付いている時計を見る。
ちなみに時計は壁に直接針と数字が付いているタイプのちょっとおしゃれなやつだ。普通に時計を付けるより材料が浮くし、おしゃれだからやってみた。
現在時刻は⋯⋯
「はぁ!?13時!?」
なぜにこんな時刻になっている?
いつもは遅くまで寝てる俺をミルクが起こしてくれるはずなんだが⋯⋯。
俺はミルクを見る。
「くぅ⋯⋯くぅ⋯⋯」
寝てる。まぁ当たり前っちゃ当たり前かも知れない。
異世界だと特にやる事もないから俺は早く寝る。ミルクも俺につられて早く寝る形になる。
俺は召喚前によく夜更かししてたから早く起きれたけど(13時)、ミルクはあまり夜更かししないから起きれなかったんだろう。
とりあえず起こしとくか?いやでもこんな安らかに寝てるし寝かしといた方がいいか?うーん。
まぁいつも早起きしてるだろうし、ご飯を作って疲れも溜まってそうだから、寝かしとくか。
俺はちょっとだけ乱れていたミルクの布団を直してから、部屋をあとにした。
さて、起きてきたはいいけど、何しようかな。
そこで、俺のお腹がぐぅぅーっと鳴る。
「ご飯、作るか」
いつもミルクに料理を任せているが、一応料理が出来ないわけではない。
とはいえそこまで料理の腕があるわけでもないため、料理が上手くなくても出来るおにぎりを作ろうと思う。
ただ、中に入れる具がない。どうしたものか⋯⋯。
俺はいつも母親が作ってくれたおにぎりを思い出してみる。
しゃけに、たらこに、おかか。後は⋯⋯焼きおにぎり!これなら具がなくても作れそうだ!
俺は早速おにぎり作りに取り掛かる。
まずは米からおにぎりを握って、出来たら表面に醤油を塗る。これをいくつか作って、後は焼くだけ!
上手く焼けるかな⋯⋯。
俺はフライパンに油(ミルクが持っていたやつ)をしき、熱してからおにぎりを入れていく。
たまに焦げていないか確認しながら、ちょうどいいタイミングでひっくり返す。
裏面が焼けるまで待ったら⋯⋯出来上がり!
他にも、醤油の代わりに味噌を塗った味噌おにぎりも作ってみた。
俺は出来上がった焼きおにぎりを皿の上に置いてテーブルまで運ぶ。
と、そこでガチャっと扉が開く音。
音のした方を見てみると、ミルクが眠そうに目を擦りながら部屋から出てきていた。
「おはようございます⋯⋯」
「おはよう。ミルクも食べる?」
俺は一緒に焼いておいたミルクの分の焼きおにぎりを追加で皿に盛り付け、テーブルに置く。
すると、ミルクは目を輝かせる。
「美味しそうです!」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。さ、冷めないうちに食べちゃおう」
「はい!」
俺達は同時に手を合わせる。
「「いただきます」」
俺は皿から焼きおにぎりを一つ取って口に運ぶ。
口に入れた瞬間に醤油の香ばしい香りがして、いかにも焼きたてというのを感じさせる。
表面はパリッと、中の米はふっくらとしていてとても美味しく仕上がったと思う。
「どう?口に合うといいんだけど⋯⋯」
「とっても美味しいですよ!」
「良かった」
ミルクからも好評のようだ。
俺は、味噌おにぎりの方にも手をのばす。
ちょっと味が濃い気もするが、ちゃんと全体的に味噌の味が行き渡っていて、こっちも我ながらよく出来たと思う。
「こっちはちょっと味が違いますね⋯⋯。でもこっちも美味しいです!」
「ありがとう」
俺達はその後、二人で他愛ない話をしながら、焼きおにぎりを食べていった。
「「ごちそうさまでした」」
俺は手を合わせて言って、食器を台所に持っていく。
「洗い物は私がやりますよ?」
「いや、洗い物皿だけだし、俺がやっちゃうよ」
「じゃあ、お言葉に甘えておきます」
そう言ってミルクはリビングへと戻った。
洗い物を終えてリビングへ戻ると、ミルクがうずうずといった様子でこっちを見ていた。
「あー。早速【飛行】、やる?」
「はい!」
俺は昨日、ミルクと約束していた【飛行】での遊びについて言ったが、どうやら正解だったようだ。
「しっかり捕まっててね?【飛行】!」
俺がそう唱えると、昨日と同じように家がグラグラと揺れ始める。
揺れが来る事を予測してあらかじめ警告していたため、今度はミルクが倒れる事はない。
もちろん俺も倒れたりはしない。
少し待って揺れが収まった後、俺は頭の中で家が動くイメージを浮かべる。
イメージを浮かべて少しすると、家がイメージ通り動き始める。
昨日と同じでゆっくりめにイメージしているので、動きはそこまで早くない。
だが、ずっとそれでは面白くない。
俺は、窓を見て目を輝かせているミルクに問いかける。
「スピード上げてみる?」
「はい!」
俺は頭の中で少しずつスピードを上げていく。
頭の中のスピードを上げる度に、少し遅れて家の動くスピードも上がっていく。
やがて、スピードは最高速度の時速80キロまで到達した。
「すっごく早いですよー!」
いつの間にかミルクは窓の外に身を乗り出して風を感じていた。
「危ないからあんまり身を乗り出さないでね?」
「はい!」
そういいつつもあまり姿勢が変わらないミルクに苦笑し、俺は少しだけスピードを下げた。




