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光羽の魔導姫〜婚約破棄から始まる冒険と恋〜   作者: 夜宵


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第12章:光羽の魔導姫と永遠の誓い

辺境伯家・アシュフィールド邸。春の柔らかな陽光が館内に差し込み、庭の花々は穏やかに揺れていた。


一年間、互いに支え合い、信頼を深めてきたカイルとルミナ。今日は、ついに二人の婚礼の日である。


館内は祝福の飾りで彩られ、光の魔道具がフラワーシャワーのように舞い、特別な空気を演出していた。小さな光の粒が降り注ぐ中、ルミナは緊張と期待で胸を高鳴らせる。


「ルミナ、準備はいいか?」

カイルは微笑み、少し照れたように手を差し伸べる。


ルミナは小さく頷き、彼の手を取った。

「はい……一年間、あなたと一緒に歩いてきて、今日を迎えられること、本当に嬉しいです」



---


式場には両家の家族も集まっていた。

ベルフォート伯爵家からは、父・エドワード伯爵と兄・アレクシスが訪れている。


父は目に涙をため、静かにルミナの手を握る。

「……よくここまで、頑張ったな」

その声は震えていたが、言葉の一つひとつに深い愛情が込められている。


アレクシス兄も、冷静な顔で憎まれ口を叩きつつ、内心では祝福でいっぱいだった。

「カイル殿、うちの妹をよろしく頼む。変なことしたら、僕の魔道具ネタにするぞ」と冗談めかして笑う。

カイルは軽く笑い返し、手を強く握り返す。


アシュフィールド家の家族も温かく見守る。

バーナード辺境伯は少し眉を寄せつつも誇らしげに、マリアナ夫人は柔らかく微笑み、セドリック兄とエレーヌ夫人は手をつなぎながら微笑ましく二人を見守る。

ロイランは「カイルおじちゃん、ルミナお姉ちゃん、幸せにね!」と元気に声を上げ、会場に笑顔が広がった。



---


司祭が式を進める。

ルミナとカイルはお互いの手を取り、誓いの言葉を口にする。


ルミナの声はしっかりと、でも少し震えながら響く。

「カイル様、私の力を試し、私を支えてくれたあなたに、私はすべてを委ねます。喜びも悲しみも、挑戦も安らぎも——これからの人生を、あなたと共に歩むことを誓います」


続けてカイルが穏やかに応える。

「ルミナ、君が光羽の魔導姫として羽ばたく日々も、困難に立ち向かう日々も、僕はずっとそばにいる。君の笑顔も涙も、すべてを受け止め、守り抜くことを、ここに誓う」


言葉が空間に染み渡ると、カイルはルミナの唇にそっと自分の唇を重ねた。

最初は優しく触れるだけのキス。

ルミナが唇を返すと、カイルは少し力を込め、二人の呼吸が重なる。


その瞬間、光の魔道具が舞う。フラワーシャワーのように庭から光が降り注ぎ、二人を幻想的に包む。

周囲の拍手と笑顔があふれる中、二人だけの世界がそこにあった。


唇を離すと、ルミナは頬を赤く染め、微笑む。

「……カイル様、ずっと忘れません」

「俺もだ、ルミナ。君を、ずっと、守る」



---


式が終わり、二人は館内の広間に移動した。

壁には花や光の魔道具が彩られ、窓の外にはアシュフィールド領の森と夕暮れの景色が広がる。


ベルフォート家・アシュフィールド家の家族はもちろん、ギルドの仲間たちも数多く駆けつけていた。

ルミナが日頃共に戦い、研究や依頼を支えてきた冒険者たちだ。


「ルミナおめでとう!」と元気な声をあげる者、笑顔で乾杯を手にする者、さまざまな姿が賑やかに広がる。


ルミナは少し照れながらも、仲間たちと挨拶を交わす。

「お祝いに来てくれてありがとう、皆さん」

カイルもそっと手を握り、誇らしげに微笑む。


ベルフォート家は、魔力擾乱事件の顛末を経て、ルミナの成長と輝きを目の当たりにし、感慨深げだ。

父・エドワード伯爵は思わず涙ぐみ、静かにグラスを掲げた。

アレクシス兄も冗談混じりにカイルをからかいつつ、「妹をよろしくな」と真剣に告げる。

カイルは笑いながら頷き、ルミナをそっと抱き寄せる。


アシュフィールド家も祝福の眼差しで見守り、ロイランは無邪気に飛び跳ねて「おめでとう!」と叫ぶ。


ギルド仲間たちは冒険での思い出や、ルミナの魔道具の活躍談で盛り上がる。

「ルミナさん、あの魔力擾乱事件、まさかあなたが解決するなんて思わなかったよ!」

「お前の魔道具はやっぱりすごいな、カイルも守りきれないんじゃないかと思ったぜ」と、冗談混じりにからかう者もいる。


ルミナは笑顔で応え、改めてカイルの存在に感謝する。

「本当に皆さんに支えられて、今日が迎えられました」

カイルは頷き、彼女の肩に手を回して守るように立つ。


料理が運ばれ、乾杯の声があちこちで上がる。

光の魔道具が祝宴の天井から舞い降りる光の粒となり、会場全体を柔らかく照らす。


ルミナはカイルの腕に軽く触れ、胸の奥が温かくなるのを感じる。

「カイル様……一年間、いろんなことがあったけど、こうして皆に祝ってもらえて本当に幸せです」

カイルは頷き、彼女の頬に唇を寄せる。

「俺もだ、ルミナ。これからも、ずっと一緒だ」


会場には笑い声と歓声が溢れ、家族や仲間たちに囲まれた二人の姿は、光に包まれて輝いていた。

魔力擾乱事件の過去も、ギルドでの試練も、すべてが今日のこの瞬間をより輝かせる糧となった。


二人は互いの手を握り、胸いっぱいに祝福を感じながら、甘く温かい時間を過ごした。

光羽の魔導姫として、そしてカイルの最愛の妻として——ルミナの笑顔は、一年の努力と成長の証でもあった。

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