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夢の生活

現在朝の4時

プレゼントを無事に渡し安心してしばらくは出来ないであろう家族団欒の夕食を終わらせ

ピクシスと共にお風呂に入り、ピクシスの癒しエキスをたんまりと吸い上げ眠りについて早々に

起こされたと思うと

ピクシスがもう出発すると伝えられ、今にいたる。


急いで服を着させられたかと思えば

なにか下で話しているようだ。

「ピクシス、流石に早すぎるんじゃない

せめて朝飯だけでも…」

「あなた、そう引き止めては、ピクシスの新たな

門出が台無しになってしまいますよ!」

「そうは言ってもだなぁ…こんな可愛い娘が6歳で

巣立っていくなんて…世のお父さんは耐えれても

僕は耐えれないよ…」

そう言って涙ぐむ父をピクシスが慰めるといった

異様な光景が広がっている。

「(いや、普通逆だろ)」

そんな現場に抱き抱えられて私が入ってくる。

「ほらペティ、お姉ちゃんにお別れの言葉

伝えてあげて…」

そう言ってピクシスの前に押し出される。

「お姉様はもういっちゃうの?」

「うん、もうしばらくは会えなくなっちゃうね…

だけど長期休みには帰ってくるから!」

6歳という早すぎる別れに向き合い

尚且つ笑って覚悟を決めている子供とは思えない

ような彼女に言う言葉など1つしかない

「いってらっしゃい!」

「えぇペティも元気でね」

「プレゼント大事にするから!」

最後にそう小声で呟き微笑む彼女は心なしか寂しそうに見えた。

「ピクシス様、準備が整いました。」

「では、参りましょう

お父様、お母様行って参ります!」

「マリア、僕は立派な娘を持ったようだ」

「えぇ」

扉が音を立てて開かれる。

彼女の門出は晴天の元、次期領主としての素質を

見せつけるような完璧な立ち振る舞いの元

スタートを切った。

だが私は、見ていた馬車に乗る直前風になびかれ

たその拍子に大粒の涙がポロポロと宙を舞う様を。

「どうか女神様、彼女に最大限の祝福を」

バタンっと扉が閉まり屋敷には彼女がいなくなった

ことを知らしめるかのような一時の静寂が起こっていた。

「よし、ペティ、貴方はもう1眠りしていなさい

早すぎる起床は体に酷よ」

そう言って連れられていく私の背の後ろでまた

いつもの騒がしい日常が再開された。


そんな門出から2年がたった。

彼女がいなくなっても私の生活に

ほぼ変わりはない。

しいて言うならば、たまの楽しみだった、彼女とのお喋りがなくなって更に暇になったということ

くらいだ。

冷たいって思うか?だけど人間なんてそんなもんだ。

そんなことより

あのプレゼントの効果かはわからんが彼女から

時折り私宛に手紙が届く、なんでも友達ができたやら実習で活躍したなど様々だ。

学園で楽しくやっているようだ。だが学園に行ってからというものの長期休みが2回もあったというのに、他の領地へ視察へ行き経営を学ぶと手紙を送ってきただけで帰ってこない…勉強熱心なのは素晴らしいが少しは妹の気持ちも察してほしい…

父も二度も帰ってこないと知った時は3日部屋から

出てこなかった。まぁなんでも痺れを切らしたお母さんが1発シバいてカツを入れたらしいが…

まぁそんなこんなで私

ペティリア・ホリリィアは4歳となった。

かつての姉ほど忙しくはならないが私にもついに家庭教師が着くらしい。

名はアシュリー・バーンデット

バーンデット男爵家の3女だ。

彼女は貴族の間では、有名でどんなヘタレでも

1流の貴族に昇華させるベテラン教育者と名高い人らしい

なんでも彼女の指導を受けた貴族たちは口をそろえて「二度とごめんだ」と震え上がるらしい。

正直怖い

ほんとにだ

ほんとに…

だが両親も別に意地悪したいわけではないのだ。

なんでも彼女は剣術の指導も

一流であるとの話だ。

両親は私に魔法がなかったとしても

生きられるようにというありがたい配慮をしてくれているだけなのだ。

家系的に本来は魔法が使えるのは確実だとして代々この家で雇う家庭教師は教養と勉学だけ教えられる者でよく魔法は歴代のホリリィア家の者が教えていた。実際お姉様がそのよき例だ。

だが私はホリリィア子爵家の歴代の子供達の中では

基礎魔力量が少々劣っており、成長しても魔法は

使えても歴代の家系と比べてしまうとどうしても…

ということらしい

まぁ別に魔法教育をされないわけではない

私はただ日常的に使える魔法が使えればそれでいいのだ。

そんなことを考えていたって結局はなるようになるのだ明日の顔合わせに向けて今日は早めに眠ることにしよう。



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