父との再会
冬の厳しい寒さが終わり春を感じる今日この頃
私は2歳になった。
それに伴い体も変化しついに歩行を身につけた。
けれどなかなか部屋から出してもらうことは厳しくちょくちょく抜け出して探検した。
まずはじめにこの部屋が2階にあることを知った。
現段階では監視の目があり階段での1階への移動は厳しそうだから
2階を主に調べている、まぁ調べていると言っても
わかったのはこの家の居住区が2階にあること。と
部屋の配置くらいだ。
ちなみに2階の構造は1直線になっておりその中央に階段その左側には姉の部屋と母と父の部屋そして突き当たりに客間。右側には私の部屋、第2ホール、第2キッチン、図書室そして突き当たりに風呂へ繋がる扉
こんな感じだ。
1階は監視の目と言うのもあるがなんせ連れてってもらう機会が少ない、使用人の居住区や第一キッチン、第一ホール、第1トイレ.第2トイレと使用人メインの空間だ。テリトリーがしっかりしているから少ないのだ。しかも私はまだオムツ離れができていないのだトイレに行くことすらもないとなれば本当に機会が少ないのだ。
まぁそれはさておき
私の姉である、ピクシス・ホリリィアが今月で6歳となった。
そのため王立貴族学院へ赴くことはなった。
王立貴族学院とは、次期領主候補が通うことを義務付けられた制度に基づいて王都に建設された学校だ。
最低でも7年間は寮生活で初等科、中等科卒業までは在学しなければならない、まぁ7年をすぎても高等科に進学することもできるのだが
そういうことで齢2歳にして早くも姉離れということだ。あの幼なげな美しさも長期休みで帰ってくるたびに大人になって行くと思うと思うものがある。
最近はあの部屋で二人で話すことも多かった分寂しさが残る。
まぁあちらが新しい魔法が使えたとか背が伸びたとか服を買ったなど聞かされるのに相槌をうってるだけだけど
あぁそういえば父が帰ってくるらしい。
なんでも突き詰めれば20年は生きれるほど稼いだらしい。
まぁなんでもお土産に10年分は使ったらしいが
話を戻そうピクシスがこの家を出て行くのは
3週間後
それまでに私ができることは…ない
まずまず2歳児に何かを求めることがおかしいことなのだ…
だけど私はピクシスに感謝を形で示してから送り出したいそれはこの世界でできた家族として
の関係を結びつきを強くしたいという私の気持ちだ。
だけどさっき言った通り2歳児にできることなどないに等しい
けれど1つだけある思いを形として残す方法がある。
まぁそれは置いといて明日は父が帰って来る日だ
彼にとって2年ぶりの娘たちだ。
嬉しい言葉の一言でもかけてやろうか。
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次の日
意外と早くくると思って19時には寝たのだが全然来ないな…
そういえば
もう乳は卒業したよ、だからたまに第2ホールでの
3人での食事が増えた。
昨日も食事をしたが
「おねえさまが行っちゃうのはさびしいなぁ」
とボソっと呟いたら2人とも泣きそうになっていたな
その後の「わたしもペティちゃんと離れるのさびしい」の返しには彼女のお姉ちゃんとしての成長を感じた。
話を戻すが
風呂中使用人に
「おとぉしゃんいつかえってくるかなぁ」と聞いてみたらメロメロで
「「昼までには」と伝言が」と返ってきた
やはり美形というのは素晴らしい武器になるな!
だが昼とはお昼寝どきに被らせてくるとは……
数時間後
そろそろ来る頃だろう皆で昼ご飯を早めに
済ませ今は各自迎えのおめかし中だ。
といっても皆、化粧などはしない
私らは子供だしお母さんは父がロリコンに見えるほどだ。服と髪を整えた2人を見るのは社交界への
顔合わせのとき以来だがより輝いているに違いはないだろう。
ついに時はきた。
扉の前には私たちと使用人が迎える体制をとっているピクシスはもう居ても立っても居られないような感じだ。我が父ながらに羨ましいと思う。
数台の馬車の音が家の前で止まり
複数名の気配が扉の前へと歩みより
扉が空いた。
「ただいま」
「「おかえりなさいませ」」
使用人の声が揃う
「お父様おかえりなさい」
真っ先にピクシスが足元へ駆け寄る
「おぉピクシスか成長したな」
そう言いながらピクシスを難なく持ち上げる
「クラウス少し老けた?」
「そういうマリアはまた幼くなったか?」
そんな夫婦ならではの冗談をかわしながら
ピクシスをおろし
ついには私に声をかけにきた
「ただいまベティリア久しぶりだな」
「おとうしゃま?」
「あぁそうだよ」
「おかあしゃんとお似合いだね」
そんな一言にお母さんは顔を赤らめ急かすように
上へと誘導する。
私は父に抱かれて上へ戻る
「土産を客間に」
その一言で後ろの人々や使用人が一斉に動き出す。
彼が領主だと知らしめされた気がした。