転生の不手際
俺は22歳通称"ブサメンニート"
高卒でバイトもせず、実家で自堕落な暮らしをしている。客観的に見たら何もせずとも飯が出てくるような環境は魅力的なのだろう
けれどあだ名からわかるように俺はオブラートに包むことができないくらいの"ブサイク"だ
これが原因で高校では、いじめられ
授業などまともに受けれず昔からの夢だった大学に落ち今に至る。
この世では、ブスというのはあらゆる弊害になりゆる。
決して努力がみのらないと言いたいわけではないがブスというは第一印象で虐げられるため
その人柄をみてもらうというのが厳しいのだ。
現に俺はいじめという形でその影響を受けた。
先程も言ったようにブスはあらゆる弊害になりゆるそれは社会に出るとより顕著に現れる。
学校という小さな社会でさえ虐げられるのだから
それは当然のことにも思えるが…
まぁブス代表として話すのはここまでにしよう。
今宵、俺はこんな世界からいなくなる。
この国においてこのような自殺は多いほうだと俺は思う。
こんな不平等な世界とはお別れだ…
踏切の音がしつこいほど耳にこびりつく
お迎えがきたようだ。
あの眩いほどの光は俺にとって救いなのだろうか
そうであって欲しいと願うばかりだ。
直後
頭を割るほどのブレーキ音と共に俺の意識は途絶えた。
はずだった
……………お…………おき………
「起きてください!!」
ハッと目が覚める
「ここは?俺は死んだはずじゃ??」
「はぁ〜やっと起きた…ブサ太さん貴方が初めてですよこんな美人な女神に起こされて1日中起きない人なんて」
そんな女神?であろう人の言葉に耳を傾けながら
周りを見渡す
途方もないほど真っ白な空間とそれに見合わぬほどの絶世の美女そしてブサイクという
ものすごく奇妙な空間となっていた。
「お前はなんなんだ?俺は死んだはずじゃ」
「私は地球を管理する女神バーシュ
以後お見知りおきを…突然のことで戸惑っているようなので説明されていただきます」
彼女が言うことをまとめると
⚫︎俺はもう死んでいる
⚫︎俺の魂が輪廻に上手くはまらず天界へと迷いこんでしまった?らしい
⚫︎天界に来るまでに魂の情報が流失されてバックアップにより輪廻には戻せるが魂の叫びに慈悲を持った女神が俺にある相談をしようとしている
この3つの事を説明された。
「まぁ事情はわかりました、それで相談って言うのはなんなんですか?」
「このようなことは何度かあるんですけど魂が叫ぶというのはよっぽどで、地球への抵抗があるようだったので、魂を書き換え私が管轄する異世界への転送を勧めようかと思いまして」
異なる世界と聞くと中世的な文化と共に魔法、剣が発達しているような世界が思い浮かぶが……
「そんな世界もありますよ」
「えっ…心が読まれて」
「すいません、いつもの癖で…」
驚いたやはり神なんだな
まあそれはさておき
「じゃあその世界に行きたいです!」
「わかりました。では女神サービスしてあげます!なにか欲しいスキルとか適正とか」
「顔を…顔をよくして欲しいです!できればスタイルも!」
「あら..そんなのでいいんですか?」
「あ、あと記憶を残してもらうことはできますか?」
「う〜んまぁいいでしょう」
前世では経験できなかったこと全部やってやる!!
「では転送の儀に入ります。来世がよくなるように
魔法適正くらいはつけといてあげますから頑張ってくださいね!」
その言葉と共に死に際を思い出すほどの眩い光に包まれて視界が暗転した。
それが一瞬にも途方もないにも感じていた。
だが、その瞬間は突然訪れた。
1月の雪がしんしんと降り積もり肌寒い日々が続く中
「おぎゃあ、あぎゃあ」
うるさいほどに産声をあげる
「◾️◾️◾️◾️◾️◾️」
「◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️」
言語が違うようだ漫画のように補正がついていれば楽だったのに…けれど
俺の異世界デビュー初の親ガチャというのは最高したようだ。
明らかに広く高級そうな部屋に母親であろう美人な女性、そして使用人までいる、どこぞの貴族のようだ。
そんなことを思っているまにタオルであろう物に包まれ誕生を歓迎されるように母親からのキスを受けた。
俺の産声がやみしばらくたつと父親らしき人物と
抱き抱えられた4歳ほどであろう美女の片鱗が見え隠れしている少女がいた。
どうやら4人家族のようだ。
この調子だと俺が跡取りとして起用されることになりそうだな
人生ハッピーだ!
っと思っていた時期が俺にもありました。
俺こと
ペティリア・ホリリィア
には名前からしてわかると思うが男として大事な大事なブツが欠如していた…
それはまだいいのだ、だが安泰を目指す俺いや私にとって跡取りになれないというのは大きな問題である。しかもうちは子爵だ、この次女という立場は
政略結婚の可能性が非常に高い
体はまだしも心まで女にされるのはごめんだ!
そんなことを決意していたとき
私の部屋に母が入ってきた。その長く美しい銀髪に目を奪われながらも授乳をするために抱き抱えられる。
この家では乳母が使われるのは夜だけである。
「ペティちゃんの髪は私に似たのかな〜」
「あぅあら」
この世界の言語も1歳ともなると聞き取れるようにはなる。けれど読めるようになるのはまだまださきだ。
「ペティちゃんは剣と魔法どっちを学ぶのかしらね魔法だったら教えられるのに…」
そうなげく母親が去るのを見届けて自然と目が閉じた。
泣いては乳を飲み、糞尿を処理しを繰り返している日々にたまに隠れて可愛い客人が顔を出す。
そう、うちホリリィア子爵家の跡取りである。
私の姉ピクシス・ホリリィア
彼女はすっかり母親にの銀髪美少女へと変貌し4月で5歳となり
社交界への顔出しや次期領主としての教養や
基礎の学問などの教育に大忙しでこうやって隙間があれば私の顔をつつきにやってくる。
「ペティは魔法と剣どっちが好き?」
「あぃあ(魔法)」
「わかんないよ〜」
「私はお母様に魔法を教えてもらってるんだ
ほら」
空気中に水が発生し浮かんでいるまさに非現実的だ
この世界では魔力を動力に魔法を発動しているらしい、うちの家系は代々水魔法の使い手が排出されているらしい
「こら、ピクシス危ないでしょ」
「すいませんお母様」
「戻るわよ」
いつのまにか来ていたお母様に連れてかれてしまった…
残念なことにこの先3年ほど魔法教育は始まらないため魔法はお預けである。生殺しだ
それはそうと私は生まれて以来父親にあっていないのだ会いにも来ない
使用人たちが言うには王都の王直属近衛騎士たちの
指南役に任命され未だ帰れないらしい
ここから王都までどれくらいかわからないが帰れないほどだから相当遠いのだろう。
けれど会ってはいないが毎日文通がくるのだ。
母が授乳中に時間を作って読んでくれているのだが
早く会いたい、愛してるなど大分親バカっぷりが滲み出ている。
まぁこの手紙が毎日の唯一の楽しみになるほど
今は退屈だ。
漫画のように魔力増大などと夢見ることすらできない
ひたすら寝るだけだ
せめて自分の姿くらい鏡でみてみたいものだ
唯一わかる自分の姿は画家が描いたであろう生後2ヶ月ほどの自分が入っている家族の絵くらいだ。
体の成長は日々感じるが女神に頼んだ美しい顔というのをそろそろ拝みたい
そういえば気になったことがある。
今は出てきていないが性欲が出てきたときに
自分の身体に欲情するようなキモいやつにはならないだろうか母を見る限り男時代の俺なら確実に興奮しているだろう……考えないでおこう