1.自分からあの人へ届けたい気持ち
(架空都市の物語です。)
坂岡波高校に今年から通い始めた男子生徒の霧波 蒼は学校に行くことがいつもとは違ってめんどくさそうに考えていた。
「今日も学校か...」
彼は、落ち込んでいた。高校に最近入学してから急に行きたくないという落ち込みではなかった。
なぜ彼が学校に行くことに落ち込んでいるのか。それは、彼を狙っている二人の女子がいるからだ。
1人目は、彼と同じ中学の星空 愛理さん。彼女は、中学1年の時は彼に対しては好意を持たなかったのだが、中学2年の夏頃に彼女はうっかり河川敷に落ちそうになった時に彼に助けてもらって、その日に彼に対して好意を抱くようになり、いつも学校に来たら、
「蒼くん、昨日渡した手紙見てくれた?」
から始まってまた新たなラブレターをもらっていた。そして、彼に新たなラブレターを渡したら、
「蒼くん、絶対にその手紙見てね」
と言ってきて彼はいつも頭を抱えている。
そしてもう一人は、彼と初めて高校で出会った川南 千里さんだった。彼は、高校の入学式が終わってから一番最初に声をかけられた女子生徒だった。
彼女は、普通にやばいことをはじめに言った
「私の彼氏になってください」
彼は、一瞬思考が止まって回り始めた時に今の状況がどうなっているのか理解することができなくなった。
そして、次の日いつものように星空さんからラブレターをもらってると川南さんに見られてしまって
彼女の様子が変わってしまった。
「蒼くん、その女子と付き合ってるの?」
彼は、首を横に振って
「いやっ、中学の時からの友だから...」
と答えたら川南さんは安心したように
「良かった」
と小声で言って次の日から星空さんと同じような行動を取り始めてしまった。
しかし、彼は二人のことを好きになろうと考えてなかった。
なぜなら、彼にはとある人がいたからだ。その子は、彼と小学4年まで同じで親の転勤で遠くの学校へ転校してしまった女子生徒の齋西天音さんだった。
実は、彼は彼女のことが転校する前からずっと好きだった。それも、彼は彼女が転校する前に告白したこともあり
「僕と付き合ってください」
と彼が放ったのだが、齋西さんは
「その言葉だけ、受け取っておくね」
と返事を返した。彼は、その時の記憶が鮮明に残っていて彼にとっては黒歴史の一つになっている。
その彼女が、高校は同じになったことに嬉しかった。だが、彼はあの時とは違うと感じることがあった。彼が見ていたあの時の齋西さんは、ショートヘアが似合っている女子生徒だった。だが、高校の入学式の時に見た彼女は、ショートヘアではなく膝まで届くぐらいのスーパーロングヘアになっていた。
彼は入学式の時に彼女を見た時の様子はこんな感じだった。
「久しぶりに天音さんを見るかも...今の様子はどんな...あれ?彼女ってあんなに髪長かったっけ?僕が見てたあの時は、ショートヘアが似合っている女子だったのに」
なぜか、彼は齋西さんの髪が長くなってしまうことに嫌気をさしていた。
なぜなら、実は彼は今の齋西さんのようにかなり髪の長い女子より川南さんのような腰に届くぐらいの髪や星空さんのような肩に届くぐらいの髪の女子がタイプだったのだ。
彼はいつも齋西さんを見てこう思っていた。
「いつか、あの時見ていたショートヘアの似合う天音さんを見たいな」
ちょうどそう考えてた時とあることが思い浮かんだ。
「彼女の髪を切ればいいのでは...」
だが、何か嫌な予感も感じた
「もし、僕が天音さんの髪を切っちゃったら彼女はたぶん悲しむだろうし、二度と僕と話をしてくれなくなるかも」
そう感じた彼は、彼女の今の姿を受け入れるかどうするか迷っていた。
そして、数時間経った。放課後になっていた。
彼は、隣のクラスで幼馴染の赤町成都さんに話をしようと考えて、一度廊下に出るようとするとちょうどその時に齋西さんが目の前を歩いていた。彼は、一瞬恥ずかしくなった。
そして、彼は彼女がいなくなったことを確認して隣の教室にいる赤町くんを呼んだ。
「赤町!」
彼が赤町くんに言うと赤町くんは気づいたようでこっちに近づいてきた。
「どうしたの?蒼」
赤町くんが尋ねてきた。彼は、今の状況を言った。
「あの、小学4年に同じクラスだった齋西天音さんって覚えてる?あのショートヘアの似合う子。俺、あの子が忘れたれなくていつかまた告白しようと思ってるんだけど今は、星空さんや川南さんの俺に対する好きという大きな圧があってできそうにないんだ。どうしたらいいかな?」
そしたら、赤町くんはちょっと嫌そうな顔をした
「高校でもそのアピールしてるの?」
赤町くんが嫌がってるのは星空さんや川南さんが彼に渡してるラブレターのことだということを彼は知っていた。だが、赤町くんは真剣そうな顔になった。
「蒼。今、天音さんに告白するのはやめておいたほうがいいよ。思ってみ、俺等彼女とは約5年くらい会ってなかったんだよ。中学も違う学校に行ってたらしいし、もしかしたらこの高校に来たのも本当は別の意味があるかもしれない。」
彼は、いきなり真剣になった赤町くんがちょっと怖く感じた。だが、彼は逆らうことにした。
「じゃあ、もし僕のことだけでも覚えてたらどうする?」
赤町くんはその回答に「いやぁ」と不安げそうに最初は答えたが後でこのように答えた。
「忘れてなかったらの話なら、良かったね。って思うかもしれないけど、今、天音さんは約5年間も俺等は会ってないんだ。忘れてたら、『えっと...』で話が止まるかもしれないぞ。」
しかし、彼は反論した。
「いやっ、絶対に僕のことだけ覚えてるから」
そしたら、赤町くんはこう言った
「それなら、証明して見せてよ」
彼はそれに乗った。
「絶対に証明してやるよ」
そして、彼は齋西さんを探した。そして、図書室前で彼女を見つけた。彼女は長い髪を後ろに結いて長いポニーテールにしてた。彼は、急にドキドキなった。そして彼は彼女に言った
「ねっ、僕のこと覚えてる?小学4年の時に同じだった...」
だが彼女の返した言葉は彼の思っていなかったのとだった。
「同じ小学校?中学校の記憶なら、あるのに小学校の記憶がないの、蒼くんごめんね」
彼はショックを受けた。だが、彼はその事を気にしないように考えて告白をしてみようと考えた。
「ねっ、天音さん。僕と付き合ってくれませんか?」
そしたら、彼女は
「んんっ、まだかな」
彼はまたショックを受けた。そして彼は赤町くんのいる教室へ走っていった。彼の目には涙があった。
そして彼は、赤町くんのところへ戻ると赤町くんは分かっていたのか笑っていた。
「忘れていたでしょ?」
赤町くんの言ってくる言葉に反論しようと考えたが反論することができなくなった。彼は、赤町くんに負けた。だが、彼の心の中にはとある目標を考えていた。
「絶対に天音さんを彼女にしてみせる」
久しぶりに再開した 齋西天音さんに告白したのだが小学4年の時と同じように振られてしまった。彼は、いつになったら齋西天音さんを彼女にすることができるのか。
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2025年12月6日
去年まで書いていた小説をちょっと変えています。登場人物を特に変えています。
もしかしたら、文章を変える可能性もあります。
この小説の存在を一回忘れてました。
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1話に登場した人物
・霧波 蒼
・星空 愛理
・川南 千里
・赤町 成都




