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13.初めて

 赤羽先輩の言葉に私は困惑しながらも、断るわけにはいかないので、メニューを一通り見て食べたい物を決める。


「あの、ショートケーキが良いです」


「他は良いのか?」


「はい」


 私の返事を聞いて今度は赤羽先輩がメニューに目を通し、すぐに決めたのかささっと店員さんを呼んで注文を済ませる。


 赤羽先輩はどうやら、ブラックコーヒーとモンブランらしい。


 店員さんが離れてすぐ赤羽先輩はいつもの様にスマホを弄りだし、私は人生で初めてカフェに来たので興味本位でぐるっと店内を見渡す。


 クラシックで落ち着いた年季の入ったカフェ。なんか凄い隠れ家みたいで、どうしてこんなお店を赤羽先輩は知っているんだろうかと疑問に思っていると、おいと赤羽先輩に一言言われ慌てて視線を戻す。


「えっーと、どうかしましたか?」


「お前。名前なんて言うんだ?」


「えっ?」


 何か気に障ることをしただろうかと恐る恐る聞くと、全然想像していなかったら事を聞かれて、私は若干傷付く。


 でも、確かに下の名前は言った記憶がないので私は姿勢を正して今更ながらに自己紹介をする。


「私の名前は、石松麗羽(れいは)です」


「麗羽か」


「は、はいっ!」


「どうしたんだよ?」


「い、いえ、何でもないです」


 いきなり下の名前で呼ばれて思わず大きな声で返事をしてしまい、恥ずかしさで顔を赤くしながらも、首を横に振る。


 そんな私に少し怪訝な視線を送りつつも、赤羽先輩は何も言わずスマホに視線を戻す。


 それを見て私も肩の力を抜き、親以外の人に初めて下の名前を呼ばれたからだろうか、ドキドキしている自分を落ち着かそうと深呼吸をし、ケーキが来るまで待つ。


 やがて店員さんがケーキを運んで来てくれ、私は静かに手を合わせて食べ始める。


「美味しい……」


「なら良かった」


 小さく呟いた言葉に赤羽先輩は少しだけ安心したように口を開いて、ケーキに手を付け始めたので、私は返す言葉が分からずぎごちな作り笑いを少し浮かべて、食べ続ける。


 一口、二口、気が付けばもうお皿の上には最後にと取っておいた大きな苺一粒を残すのみで、家で食べるショートケーキの何倍も美味しかったからか、もうたったこれだけかとそう思いながら最後の一口を食べ切る。


 そして赤羽先輩が食べる姿を少し見て、


「出るか。ほら、行くぞ」


「はい」


 私達は立ち上がり会計を赤羽先輩が終わらしてくれてお店を出る。


「じゃーな」


「あっ、あの、今日はありがとうございました」


 いきなり別れの言葉を言われて焦りながらも感謝の言葉を返して頭を下げると、赤羽先輩はははっと笑い、柔らかい声で言われる。


「気にするな。また、当番の日な」


「はいっ!」


 赤羽先輩の声に私は大きな返事をして、家族以外の人とご飯を食べて、なんか今日は色々な経験をしたなと嬉しさと興奮に身を任せながら私も家に帰った。

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