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11.変化

 連絡先を交換し終え、私は涙を拭く。


 こんな風になるなんて全く想像してなくて、今更ながらに複雑だけどそれでも他人から友達に近付けたのが嬉しくて、私は心の中ではしゃぐ。


 それから、私はスマホで文字を打ち込み赤羽先輩に初めてメッセージを送る。


『よろしくお願いします』


『ああ』


 赤羽先輩らしい返事にスマホを仕舞い、今度は少しだけ会話を。


「そのっ、それでテストはどうでしたか?」


「数学は、まあいつもより出来たな」


「そうですか……良かったです」


 どこかまだ気まずくってぎこちない会話だけど話してくれるだけでも嬉しくて、私は心が軽くなり満足しながら本に視線を戻す。


 それから時間はあっという間に流れて放課後が終わり、赤羽先輩に言われる。


「ほら、出ろ。じゃーな」


「は、はい!先輩、また!」


 図書室で過ごした最初の時間と比べて、驚く程に仲良くなり私は笑って手を振る。


 そして、浮かれながら家へと帰った。


 ◆


 赤羽先輩と連絡先を交換してから、ほんの少しずつメッセージで会話をするようになり、図書室で仕事をしている時も、少しだけど会話が生まれるように。


「なんで、桜井先生にちゃん付けで呼ばれてるんですか?」


「さぁ、なんでだろうな。気が付いたら勝手にあいつがそう呼んでたんだよ」


 私の相手をしている時、赤羽先輩は少し笑うようになって私はなんだか今までで一番楽しくて嬉しくて、夢みたいな時間が流れていき、気が付けば五月の終わり。


 今日も図書室に入って本を手に取りカウンターに座ると、赤羽先輩ではなく桜井先生が入って来て、ニコッと微笑みを浮かべられる。


「最近、赤羽ちゃんと仲が良いみたいで良かったわ。石松さん、一体どんな魔法を使ったの?」


 テストが終わって色々と桜井先生は忙しかったのかたまにしか図書室に来ず、私達が仲良くなっていると気が付いたのも最近らしい。


 私は少し言葉を考えたあと泣き落としですというのはどこか恥ずかしくて、ちょっと照れながら言葉を返す。


「先輩にお願いしたんです。仲良くしようって」


「そう。一番勇気がいるけど手っ取り早い方法ね。ふふっ、安心したわ。ずっと仲良くね」


「はい!」


 嬉しそうな先生に私も笑って頷くと丁度図書室の扉が開き、赤羽先輩が入ってくる。


 私を見た後、先生を見てちょっと嫌そうな顔をしながらも席に付き、赤羽先輩に先生は言う。


「石松さんをいじめちゃ駄目よ?赤羽ちゃん」


「いじめたりしねーよ」


「穏やかになったわね」


 先生の嬉しそうな一言に赤羽先輩は視線を逸してスマホを見始め、


「せっかくなんだし、お話しましょうよ」


 三人での会話が始まった。

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