果てなき旅路
舞台を去らんとする背中に
人々は歌声を捧げる
一歩また一歩と遠ざかる姿に
熱い想いを刻む
まるでその別れを惜しむように
彼の歩んだ生涯を讃えるように
虚構の世界で生きることを
笑う者があろうとも
彼はその生涯をかけて
信じる姿を求め続けた
事実よりも価値のある
真実の物語を目指し
力の限り歩き続けた
それはひとつの生きざま
憂い顔の騎士が貫いた
眩く激しく優しい旅路のような
そして彼が去りゆこうとも
物語は紡がれ続ける
受け継がれる心と
消えることのない焔
また同じ道を行く
旅人たちと共に
先人の去った舞台で
また新たな幕が上がる
真実を求める者たちの
終わることなき冒険は続く
いつか自分もまた
ここから去るその日まで
遠き背を目指し
我が生涯を捧ぐ