なろうでインセンティブは難しいのでは疑惑の話。
この前ですね、なろうは読者を優遇しすぎとのエッセイがあったじゃないですか。で、なろうが今後さらなる発展を遂げていくためには作者に金銭的なメリットが生まれる必要があると。なるほどそれはそうかもしれませんね。ただそのやり方が動画広告やら全面会員制にすることっていうのはちょっと無茶が過ぎるのではと思うんですよね。
突然ですが小説家になろうを運営するヒナプロジェクトとアルファポリスを運営しているアルファポリス、どっちの方が会社としての売り上げは大きいと思いますか?
もちろん正解はアルファポリスですね。2019年のデータですがアルファポリスが年間売り上げ49億、純利8億円に対してヒナプロジェクトは推定売上8億円、利益1.5億円と規模感がかなり違います。なんならエブリスタよりも売り上げが少ないのがヒナプロジェクトだったりすらします。カドカワとは比べるだけ無駄でしょう。この理由としてはそれはもう単純で他社は自社で出版をしているから。つまり作者にインセンティブをあげても他に回収できる事業があったりするんですよね。
さて、なろうの売り上げはこの程度だということが判明したところで仮にカクヨム並みの1pvにつき0.07円を払うことにしたと仮定しましょう。(実際には引き出すにはある程度のpvが要求されるらしいのですがそのラインなどは無視します。カクヨム以上にって主張も感想返しで見たので)
2019年の月間総PVは20億程度と公表されていますので年間240億PV。なろうはサイトの特性上小説ページを開いている回数の方がトップページやランキングを開いている回数の方が多いそうですが、無茶苦茶低く見積もって年120億回小説ページが開かれたとしましょう、最低PV数無視してるのとのつり合いもかねて。
そうすると120億×0.07=8.4億となるわけですが、これって年間売り上げと同じです。利益に至ってはこの1/6しかないのにどうやってこの金額を払えばいいんだって話になります。収益の増加は至上命題となります。アクセス増えるとサーバー維持費も増すんであれですが、経費全く変わらないと仮定してすら大体倍の売り上げが最低限必要となります。
件の作者様は動画広告でもってこの状況を打破できると考えていらっしゃるようなんですが、動画広告ってそこまで儲かるんですかね?いかんせんこの部分の知識があんまり無いので有識者の方がいらっしゃる場合はご教示願います。間違いなくユーザー数は減少するでしょうがまぁこれはその分払う金額も減るから実は関係ないのかも?本末転倒感もありますが。
収益を増やす手段は他にもあります。アルファポリスやカクヨムが出版でもって稼いでいるのならばヒナプロも同じことをすればいいのではということを思いませんか?
しかしながら運営はそれは考えていないそうです。理由の一つにはノウハウがない事。ノウハウなしでやるとロクなことにならない可能性があるってのはフェザー文庫とかいう大黒歴史のせいでこれは説得力が出ますね。今の人知らなさそうだけど。とはいえ今のなろうならバックアップする会社も多数現れそうですが、これが実は良くなかったりします。
もう一つの理由としましては運営は各出版社に対して中立であるべきと考えていることにあるっぽいです。なろうが出版を始めれば提携した出版社か自社以外との出版は規約等で制限されることが予測されます。つまり作者側の選択肢を減らしてしまうことになるんですよね。これを運営は嫌がっているみたいです。確かに多種多様な出版社から刊行されてるのがなろうの特徴でもありますからね。
個人的には可能性があるとすれば投げ銭導入してマージン貰ってその分を広く還元するしかないんじゃないのって思います。心理的ハードル高いですがユーザー数も無茶苦茶多いなろうなら案外結構な金額集まるのではと思っていたり。なんかインタビューだと法的なハードルとか言ってたりもするんで実現性があるかは微妙なんですけど。
というかほかの手段が思いつかない。名案ありますか?
……まぁ最もなろう運営自体は原点の個人サイト時代の雰囲気を残したいと思ってるっぽいので衰退するならそれはそれでくらいに思ってる節すらありそうなので机上の空論に終わりそうですが…。
なんなら有料会員とかしてないだけでも偉くない?って思ったり。