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悪の華《ブラックギャングスター》  作者: 感 嘆詩
非難轟々!?B(ad)-T(rip) TRAIN~夢幻列車へ
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hot spring  winter spot summer of fall 5

 こちらの攻撃は全て、手に持った浴衣にいなされ弾かれる。


 ならばと雑魚を狙っても手品のように瞬間移動してまた弾かれる。《トリックスター》系職業の厄介なところだ。


 こちらへの反撃に植物を鞭や杖に変え牽制に利用しつつ、各種魔術を放つ。


 その放つ魔術は威力こそ弱いが範囲や効果が面倒なものばかりだ。


 この《征服者(コンキスタドール)》のコンちゃんは、ひたすら雑魚敵のサポートをして冒険者を倒すタイプのボスらしい。


 全く。いやらしいのはその目元と胸元の黒子だけにしてほしいぜ。


御前(オマエ)どうする?剣じゃかなワンぞ」


 狗尾草(コボルト)の上位種将軍狗尾草(コボルトジェネラル)にして職業《大将軍》であるスーちゃんが耳打ちしてきた。濡れた鼻が耳に当たって不快である。


 スーちゃんは過去生でも何度と無く敵として立ちはだかり、その度に煮え湯を飲まされてきためちゃくちゃに強いやつなのだ。強いのだが、


 文武両道で個人戦闘に特化しがちな侍系職業としては異端、《大将軍》は大軍を率いるときに力を発揮するらしい。


 使える魔法やスキルは、味方の能力が上がったり消費する魔力が減ったり、お腹がすかなくなったり高揚して殺生に頓着しなくなったりだとかの、冒険にも役に立つけどもっとヤバい役立て方あるよね?って感じのものばかりだ。


 能力も知恵(INT)加護(LUK)が高く、戦術より戦略、剣よりもペンを持つタイプの職業である。


 何が言いたいかと言うと、スーちゃんの強さって種族特性的なスキル魔法以外だとスーちゃんが頑張って身につけたもので、職業の補正ほとんど無いのだ。冒険者適性、大分低い。


 敵の時はあんなに手強かったのに、味方になるとあんまり役に立たないタイプの仲間だ。


御前(オマエ)、使えねぇコイツ、みたいな顔してない!?」


 気のせいだよ。


 コイツ護衛として置いとくより戦争に参加させとけば善かったな。おのれ、ライ麦畑がいればあんな敵瞬殺なのに。


 まあ、いい。居ないもん嘆いても仕方ない。


「しゃあねえ。俺がぶちかますしかないか!」


 護謨玉埃黴(ゴムスライム)製の一本鞭をテキトーにブン回して牽制する。


 キツネにタヌキ、ネコ、カメレオンタコ型のモンスターたちが後ろに避ける。無理をしない。安全第一の善い職場だな《温泉湧く湧くランド》。


「ハハハハハハ!でも冒険者相手にするにはちょっと守りに入りすぎじゃねぇの!?」


 距離が空いたその短い隙に、魔力を変換して体中から墨を噴出する。部屋中を濃霧のように覆い隠した。


「ッ!?神様、霧に変身出来るというのか!?まさか(バンパイヤ)!!」


 え、いや、墨なんだけどな。お前のとこにもタコいるだろうに。ま、いいや。何か動揺してるし攻め立てよ。

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