表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪の華《ブラックギャングスター》  作者: 感 嘆詩
非難轟々!?B(ad)-T(rip) TRAIN~夢幻列車へ
90/117

hot spring  winter spot summer of fall 4

 難敵ばかりだった。


 見た目こそ悪いがお酒に善く合う大蒜の燻製だとか、空飛ぶ蕎麦切りモンスターとその教徒たちだとかを二重の意味で物理的に平らげこの《温泉湧く湧くランド》の最下層、俗にボス部屋へと着いた。


「むー!むー!」


 ムム!未亡人らしき野老(ノーム)美女が拘束されている。その横には、斧を持った巨大な、あれは牛額(ミノタウロス)か。なんて如何わしい組み合わせなんだ!


「初手から全力だ」


「ピギィ。猫道(キャットウォーク)


 ソテー氏のスキルによって舞台(現実)に存在しない通路を通り皆でボスの背後へ回る。


 牛額(ミノタウロス)を糸で縛り、邪聖少年が剣で足首を、牝柿母(メスガキママ)♂は錫杖で膝裏、草臥れジト目は薪雑棒で足の小指を叩く。いや、足ばっかり!


「こんな木の棒でダメージ与えられるとこなんてここしかないんだもん!」


(わたし)、宗教上の理由で女の子に暴力はちょっと」


「B兄ちゃん、この子、優しい目をしている」


 各々ろくでもない理由で手加減したらしい。全く最高のメンバーだせ。てかメスなのかこのモンスター。未亡人拐ったのに?テンションが上がるな。


 確かに牛額(ミノタウロス)を見ると、長い睫に濡れたような優しい黒目のウシさんだ。白と黒の斑模様もなんか可愛らしい。


「んー!んー!」


 未亡人が必死に何か叫んでる。サル轡を外さなければいけないが凄く外したくないな。しばらく眺めてたいぜ無意味にいや有意義に。


 ガキン。と背中から音が聞こえてきた。


「へえ、神様、面白いものを飼っていたんですね。イヌか、嫌いなんだよね」


「ワタシの鼻は誤魔化せんぞ。一見、未亡人っぽくかつ純潔っぽい匂いで隠れているガウ、モンスターだなお前」


 ヘソ周りの召喚契約紋が輝く。


 俺と契約し、互いに不可分となった狗尾草(コボルト)の女傑スーサイド。召喚の度に契約時の姿に再構成される為に、全盛期の強力な姿の彼女が俺の背中からニョッキリ生えてきた。


「神様、改めて自己紹介を。《温泉湧く湧くランド》ダンジョンボス。《悪役(ヒール)》系派生職《詐欺師(トリックスター)》系《征服者(コンキスタドール)》コン」


 美しい白い肌はそのままに、


 房の付いたウシの尾だったものは根本から解けていき、筆先の様なフサフサふっくらしたキツネの尾に。


 霊峰のような白い角はとんがり具合はそのままに、幻術が解けて銀色の三角耳に。


「名前はありません。ダンジョン産のモンスターにそんなものあるわけないじゃない?コーンコンコン♡」


「むー!むー!」


 捕まってる未亡人が叫ぶ。わかる。わかるぜ。これを伝えたかったのか。


「B兄ちゃん!囲まれた!」


 ダンジョンの壁に化けていた雑魚モンスターたちが、変身を解いて集まってくる。宿でも従業員に化けていたし、雑魚もボスの特性を色濃く受け継いでいるようだな。


 装備制限付きのダンジョン。たしかに直接の戦闘力は低いんだろうが、こういう属性持ちとは厄介だな。


 未亡人風純潔少年が、未亡人風冷血少年キツネ風モンスター下衆裏切り仕立てになってしまうとは!戦闘力は低くても破壊力は抜群だ!厄介だ属性てんこ盛りぜ全く!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ