B-T Beauty Baby Bluesky B4 3
「うーん。たまになら善いんですけど毎回は嫌です」
エリーゼにパーティー参加を嫌がられた。何故。
「甘酒を国中に広める義務があるんです」
ねぇよそんなの。職業が《甘酒屋さん》とかだったら神から授かった天命だから納得するけどお前《死神》じゃん。せめて命の売り買いしろよ。
「ふふふ、義兄教父様ならそう言うと思ってました。しかし、《死神》には《腐敗》というカテゴリーの魔法があるのですよ!つまり、発酵系食品に対して天与の才を持っている!それが《死神》!!」
エリーゼが押してる台車の引戸を開く。《初心者の街》の屋台で、安全性のわからんものを善く売っていた暴食の魔王、マッドアルケミストグルメが隠れていた。
「やっぱりてめぇか!!ウチの妹誑かしやがって!!」
「いやぁ!何でバレたんですかぁ!」
「義兄教父様やめて!師匠に乱暴しないで!」
「お前まで腐り豆教徒に!改宗しなさい!あれは人の食べ物じゃない!」
「まあ、それは私も思ってます」
「エリちゃんまでぇぇぇぇ!?」
ドタバタやってたら目的地に着いた。
早いな列車。歩いたら5日かかる様な距離を1日経たずに、しかも部屋で寛いでたら到着するんだからこれは楽チンだわ。
駅を降りて直ぐの麓の街は要塞化されていた。
特に街門周辺は分厚い鉄板で補強したようだが魔法、場所によっては矢や投げ槍で空けられたとおぼしき痕がついてる。投げ槍て。
そのレベルの猛者がまだ王家軍には大勢いるみたいだ。レベルドレインしてコレクションに咥えたいのだが、全部の戦場に首突っ込むわけには行かないからな。別の首を突っ込むのに忙しいしよ。
えっほえっほと王室御用達の山宿まで向かうも、凶状持ち入浴禁止と看板があって、あれ、牝柿母♂無理じゃね?と焦る。
家族風呂なら大丈夫だと言われたので利用することに。そういうのもあるのか。広々とはしてないが我ら4兄弟で入る分にはちょうど良い広さだった。
「B君兄様、絶対共同風呂の方には行かないで下さいね。大変なことになります」
チッ。釘を刺された。こいつの権威によって善い宿泊まれたし配慮してやる必要がある。面白くないぜ。湯の効能でトゥルットゥルになった白いケツに刺青足してやろうかな?正の字をいくつか。
各種族の重罪人を表す刺青をほぼ全て掘った牝柿母♂であるが、咎人の入れ墨というのは、一目でそれと判る位置につけられるものなので、各種族網羅したと言ってもだいたい上半身に集中している。下半身の方が大分罪深い癖に、清廉潔白ですみたいな白とピンクの色合いでムカつくぜ。
「新しい王様って体毛全てピンクなんですね」
「もう、ディアブロくん。その呼び方はやめなさい。僕も君のお兄ちゃんなんだぞ」
「あ、はい。うーん、じゃあビュー兄?」
「ひゃわー可愛いぃぃぃ」
「むぎゅうー。変なスイッチ押しちゃった」
ムムム。兄弟イチャイチャ尊い。確かに家族風呂でよかったな。ムムムしちゃったぜ。
俺も牝柿母♂とイチャイチャしよ。
かつて下水道で捕らえた時に下腹に付けたB-Tの焼き印をなぞる。
今の王家自体、元々が傍流で血が薄い。その更に庶子である牝柿母♂は体毛が完全にプラチナになってしまっている。
この千年王国の民の血を色濃く残す邪聖少年に王権を奪われたことは必然だったのだろうな。
下腹を撫でる手の甲にビンビンぶつけて挑発してくるので乗ってやった。こんなのが王様だったら大変なことになっていたぜ。俺が成敗して正解だったな。
しかし、さすがは王族御用達の御宿。至れり尽くせりだ。旧王家の王子様を手元に囲っておいて良かったぜ。こういう長い伝統からくる財産をじゃんじゃん皇家に引き継いでいきたいね。
「B君兄様、油性ペン、用意してあります。善かったら♡」
ついつい正の字を書きすぎたことは言うまでもない。4つは書いた。それから先は覚えていない。




