B-T Beauty Baby Bluesky B4 2
こいつの巡幸なので邪聖少年ビューティーは当然メンバーに入る。それと約束した草臥れジト目ディアブロも確定。H々ハム原木ソテー氏の場合は本人から依頼があったのでそのついで。
俺も邪聖少年も、いまや事実上の皇都たる《初心者の街》から離れるので、旧王家としての権威があるクソガキ王子様ベイビーには街で留守をお願いしたかったのだが、
「朕も連れてって♡然もないと朕の部下達、地道な人気取りしてるから街でクーデターに繋がっちゃうぞ♡お留守のあいだに街乗っ取られちゃうね♡どうしゅるの僕ちゃん?どうしゅる♡どうしゅる♡…♡…ッ♡ッ♡」
と昨晩煽ってきたので同行させた。バブみとメスガキが一緒にきてとてもイライラした。憤怒尊だった。
クソガキママ王子の部下たちは置き去りにしたので、せいぜい誠実な国家運営を頑張って貰いたいものである。たまに映像でも送ってやろう。最近流行りのビデオレターというやつだな。イエーイ御家人観てるー?
今回のメンバーを職業で見ると君主系の《皇》と《新皇》。ソテー氏の複合職業《ヴォーグ》は《糸使い》兼《スーパーモデル》。クソガキママは《法王》と、全体が防御に寄ってる。
俺がアタッカーやるにしても《悪漢》は使える魔法がイマイチなのでパーティーの6人目には魔法職をいれたかったのだが、留守役を減らすわけにも行かないし、基本的にこの5人で動く予定だ。
現地採用しても善いし、なに、いざとなりゃ目からビーム出せるしなんとかなるだろ。口から墨も吐けるし。なんだったら全身から墨を噴霧して辺りを暗黒に出来るからな。魔王ごっこと称してよく図書室のちびどもに披露したもんだ。
…まさか本当に魔王になるとはなぁ。
「あまざけ~あまざけ~」
お、車内販売もあるのか。麦酒ないかな。
「いいえ、義兄教父様。ウチは甘酒しかおいてないよ!」
エリーゼ!?何故ここに!
「バイトです」
あ、そうなんだ。うちの古参メンバーでお前だけ試合中に見かけなかったし心配したんだぞ。ここで働いてたのか。
「いいえ、昨日は観客席で売り子してました。完売しました甘酒」
どんだけ甘酒売るんだよ。ちょうど良かった。魔法担当いないから、失われた古代文明の遺跡とか、封印されていた大怪獣とか現地で発見された時にパーティー参加してくれ。
「地方に夢持ちすぎです。あってせいぜい因習に因んだ見立て殺人くらいですよ」
「B兄ちゃんもエリーゼも……再起を図る商店街の人間ドラマだよ」
ああ、それはありそうだな!さすがは邪聖少年!冴え渡る知性。じゃあ俺たちは商店街を更地にしようとする悪の国家権力だな。全体の発展のためには少々の犠牲も仕方ないのだ…
「うふふ。これから向かうヒロシイザワは温泉が名物の落ち着いたところなのです。余興で事件おこさないでお願い……」
クソガキママの苦労が偲ばれるぜ。今晩は労ってやらないとな。




