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Teardrops Ire Covetousness Kindness TICK!5

 第8試合、嫉妬の魔王と教会おねーさんの勝負は、剣玉もといソードボール・オンラインの難しい技、世界一周(ザ・ワールド)を先に成功させたら勝ち、というルールで行われた。


 が、全然勝負がつかない。


「め、め、めにぃ、あっー!」


「もちゃ、もちゃ、もっ、あー」


 教会おねーさんはモタモタと覚束なく、

 嫉妬の魔王もモチモチと覚束なく、

 玉を剣で突くという意味深なフィニッシュどころか、途中のカップにも上手く乗らない。


 邪聖少年がずっと嫉妬の魔王を抱えて、頭頂部の匂いを嗅いでるなどしており、明らかに試合の邪魔なのだが、悪魔側が不利な分には全然問題ない。

 妨害が突っ込まれないうちに教会おねーさんに成功させて欲しいのだが、やればやるほど彼女の頭に血が昇るばかりである。


 なんか、観てて地味だ。これも全て不正(チート)を働いた教会おねが悪い。生臭坊主め。いや、とてもフローラルな匂いのおねーさんだがな!

 しかし、てっきり得意だから指定したのかと思ったが、まさかまさか、嫉妬の魔王もソードボール・オンライン下手とかなんなんだ。何の意図だ?いや、何の意図もないのか?たまたま興味あったからこれにしてみた、みたいな?あり得るな。悪魔だし。刹那生物め。


「…おい、まてよ」


 ぼんやり眺めているうちに、重要なことに気づいた。隣に座る草臥れ過去形から木の板を奪い取り視界の一部を塞ぐ。マルとかバツとか並ぶ長方形の板を縦にもった。


「おいおいおいおい、そういうことか!」


 木の板で教会おねーさんの剣玉を隠した。

 剣玉を動かす手がアレにしか見えない。最高だ!こりゃあ善いぞ!


「やるな、嫉妬の魔王。その才覚に嫉妬しちまうぜ」


「多分兄さんが考えてる様な事は考えてないよレビ様は」


 肉汁⭐ぷにぷにが未だ膝の上に乗っていたらそのまま大変なことになるところだったな。居ないとそれはそれで大変だが。サー・マモンあたりを呼び寄せるか。


「むっきー!もう怒っタ!スキル発動ダゼ⭐」


 レビ様が遂にぶちギレ、滅茶苦茶に振り回しだす。が、あれは、何かさっきまでより上手く行ってない?


「レビ様のスキルさ。《六割六分六厘サンブンノイチノジュンジョウナハンギャク》。運命を操作して、ギャンブルでもジャンケンでも約3分の2の確率で《成功》する。逆を言えば、どんな状況でも必ず3分の1失敗する可能性があるんだけど」


 繰り返しが許されるならどうあっても勝てるわけだ。

 ブンブン振り回してるだけなのに問題なく各カップに玉が乗り、そのまま剣に玉が刺さりフィニッシュを迎えた。


 地味な試合だった。しかし、嫉妬の魔王がモチモチして可愛いのでみんな拍手を送っている。教会おねーさんよりよっぽど少年少女を癒してるな。

 その教会おねーさんは未だ敗北に気付かず剣玉に熱中していた。受付おねが羽交い締めに取り押さえ、その姿が未だに頭頂の匂いを嗅いでる邪聖少年と対比の構図になっていて凄く嫌だった。何もかも狂っとる。


 あいつどこら辺が嫉妬を司っている魔王なんだよ。可愛すぎて嫉妬を買っちゃうってこと?そうかもしれんのが恐ろしいところだな。

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