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Melissa-condenser-dispenser-yessir!3

 屋台を巡って腹を満たしたあと、2人に連れられ墓地に向かった。墓地のおねーさんは薬草園を管理している。その園のお手伝いの見返りにスペースを借りて毒草を育てているらしい。

 流石、魔女の子、魔女っ子なだけあるぜ。

 毒草畑というか、ひとりでに歩く根菜だったり、ヒトの頭くらいある蜜蜂と殺しあいしてる食虫植物だったりがひしめく魔境と化しているが、魔女なんてこんなもんだろう。

 ……育ててないな。勝手に進化してってるだけだろこれは。

 蜜蜂までデカイのは何なんだ。墓地おねーさんがデカイからその影響か?墓所の秘密を暴きたいぜ全くよ。


「キミのとこは直接的な攻撃力の高いパーティーだからね。搦め手を増やして隙間を埋めたいんだそうだよ?」


 農作業用にゴム長靴とニッカポッカ、上は補正付きのタンクトップを前面に突きだしあずき色のジャージを羽織っている。墓地おねーさんの新コスチュームである。

 全身を、ついこの間繋がった無食子(ドングリ)たちの奉納した技術でコーディネートしており、流行り物にビンカンなモダン少年少女たちが羨ましがること間違いなしだ。

 だが、何だか俺にはこう、最先端のファッションリーダーとしてではなく、どこか保護欲というか、可愛らしさというか、を感じる。

 何と表現すればよいのか、……決して野暮だとか垢抜けないだとか、そんなことはあり得ないんだが。だってどれも未知の技術によって機能性と未来性が強調されているんだから。

 ゴムを表面に塗るのではなく強化したゴムで成型した靴だとか画期的じゃないか。染色技術も進んでいて黄色いラインが入ってるのも可愛らしいし。そういや、何でくノ一スーツだけあんなに加工技術進んでたんだ?忍者の秘伝なのか?


「やれることをコツコツとこなす、健気な子だね。うちに欲しいよ」


 そう言うとおねーさんは、これまた新技術のタオル生地の襟巻きに、這鼠刺(ラットマン)の編み込んだ麦わら帽子を被って、すっかり活動的で電氣(最先端)なおねーさんの出来上がりだ。

 なぜなんだ。なんだろうこの愛しさは。今までに無い感情だ。


「困りました。義母教父様、ここは私以外で維持できなくなりました。毒耐性のある人を雇わないと」


 長くダンジョン潜ってる間は管理出来ないからな。いや管理いるかこれ?水すら勝手に汲んできそうだがそこの根菜とか。てかおかあさんのニュアンス今おかしくなかったか?


「そうか、この子たちを育てて自身に管理させれば。ご教授ありがとうございます。リボルバーさんにも相談して品種改良してみます。流石は義妹教父様」


 お役に立てて何よりだよその根菜が新しい人類になりそうで戦々恐々だよてかどういう感情で俺を呼んでるんだよお前は。


「それはもう」


「……」


「………」


「いや、それはもうの続きは何だよ!そこ感極まって言葉詰まるところか!?」


「それはもう、神様仏様ご家族様のようにお慕い申しておりますよ。義兄教父様(おにいちゃん、)


 ……ふむ。その呼び方はナイスだ。ナイスショットだ。今度からそう呼ぶように。


「わかりました。お義姉ちゃん」


 言ったそばから!あと、僅かにあった敬意が呼び方のニュアンスから失われているんだが?別に良いけどよ!?


「うふふ。ツッコミに回るなんてなんだか珍しいですね」


 お前相手にはそりゃそうだろうよ。


「ああ、突っ込む所しかないですもんね」


 そうだな!色んな意味でな!


「兄妹仲良いのは微笑ましいけど良いのかいB-Tくん。キミの召喚獣(ペット)食われてるけど、強化素材か何かなの?」


「スーちゃぁぁぁん!」


 頭から空穂状の食虫植物にすっぽりハマっとるがな!

 おねーさんがたは非常にシステマチックな存在だと思い知らされるぜ!ちょっとはスーちゃんのことも人類扱いして!

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