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Melissa-condenser-dispenser-yessir!

(しもべ)たちは電気(最先端)全自動(ディスペンサー)薬師(ディスペンサー)で、軍人であります(イエスサー)

 昨日までダンジョン潜ってたんだが、ヤってたことといえば地下帝国の観光だったので元気一杯、新たな仲間、歯車生肉の性能を見るために訓練所にむかう。


 職業ごとに千差万別であるが《少年兵(ミートチョッパー)》の初期装備は特に変わっていて、銃剣付き突撃銃(火尖槍の一種)迷彩服(葉の意匠)、兜や手袋長靴も機能的だが変わったデザインで、無食子(ドングリ)たちの文明に近いものを感じた。

 厄介な中立属性の道士仙人連中のような、違う理屈で働いているみたいな違和感があるが、可愛いウチのこである。そのうち慣れるだろう。


 戦闘に機能を振ってあるがそれでも錬金術士系である為アイテムを自作出来るようで、機能を単純化させたゴーレムたちはコストも安く戦闘で頼もしく、1人で1国を相手出来そうなレベルである。確かにこれは挽き肉製造器(ミートチョッパー)だ。

 本人としては、戦闘にしか使えない錬金術は邪道であると嘆いているが、そもそもウチは悪属性だらけの邪悪パーティーなので大歓迎である。訓練所おねーさんとの模擬戦も戦術の幅が広がり戦績が格段に向上した。


 まあ、火尖槍モドキから放たれた金属の弾をその強靭な皮膚で弾き返していましたがね。防御無視(クリティカル)でも当てない限りダメージ入らないんじゃないだろうか。そもそも刃が皮膚に触れることも出来ないけども。


 リボルバー、歯車生肉の方でなく、貰った回転拳銃の方、の訓練もしてみた。狩猟用だとかでクリティカルが乗るらしいが、普通に当てても巻き藁をぶっ壊す破壊力があり、小さいながらも立派な得物だ。

 リボルバーのリボルバーもこうなんだろうな。全く楽しみだぜ。整備だとかが糞ほどめんどくさかったが、仕方ない。せいぜい、このリボルバーのことをリボルバーと、あるいはリボルバーのリボルバーだと思って丁寧に丁寧にお掃除してやるか。


 現状では威力が過剰だが携帯が楽で連続で一方的に射てるからいざというときの切り札になりそうだ。未知のことだらけだが今生の俺は過去1の高スペックなので管理も整備もすぐに覚えられた。

 ……製造も覚えさせられた。いや、自分では造らねえよ。他の錬金術士とか弟子とか増やして造らせようぜ。うちの宗派で配って戦争だな。無食子(ドングリ)の連中とかならもっとバカデカイ銃とやらも楽々持てるだろう。


「申し訳ありません(あなた)よ。(しもべ)が使う以外では、お渡ししたその回転拳銃しか許可されていないのです。それ以上は公正ではないと」


 神様か。ならば仕方ないな。これとお前がいるだけで十分過剰だしな。ウチのパーティーこんな殺傷力いる?戦争でもすんのかよ。


「あ、でも製造者を増やすのは可能です。(しもべ)がパーティーにかかりきりになるとラボの維持が出来なくなるし」


 使ってるゴーレムも消耗するだろうしな。錬金術士の敵は時間と金と倫理と理解の無いパーティーメンバーだからな。気持ちはわかるぞ。敵だらけというか世の中全部が敵じゃねえか錬金術士最悪だな。


「それで、その、新たな人類の始祖としては同族を殖やしていきたいのですが。その」


 お、何かね、何が欲しい。てかどうやって増えるんだお前。材料とかとってくれば良いのか?


「はい。あの、アプローチは違えど蜜蜂薄荷(ホムンクルス)は名前の通り人造人間(ホムンクルス)の一種ですので、直ぐにでも造れるだけの材料は揃えてるのですが只1つ、その」


 なるほど。これは学術的に大変興味深い。是非とも後学の為にラボで搾せ、作成の過程を見たいな。ささ、この材料の収集には協力が不可欠だ。ちゃんとお手伝いするんだぞ生肉。


「は、はい、頑張ります」


「ごめんねー。今晩は、こっちで陰陽の合一をしてほしいかなー」


 お、おねーさん!前回したじゃないかこってりじっくりあらゆる汁たらしまくりながら。


「んー、ぎりぎり実用に足らないし、あと、出来るなら触りだけでもキミのパーティーメンバー全員に覚えておいて貰いたくてさー」


 全員がびくりと体を震わせた。みんなあの惨状を知っているからな。唯一、癖歪み忍者だけが事情を勘違いしたままなので、期待にそわそわと落ち着かない感じである。地獄に突き落とされるがよい。


「特にー、リボルバーちゃんは魂を得たばかりだからー。ここで丹錬しておきたいなーって」


 うぐ、どうにもやんごとなき事情の様である。仕方ない、腹を括るか。


「じゃあさっそく、陰と陽をまじぇまじぇしちゃおうねー」


 セリフだけ聞いたら卑猥なんだ。と自分に言い聞かせ、おねーさんの中指が腹にめり込み丹田を突くのをただ見つめる。地獄の陰陽まじぇまじぇを堪能した。陰と陽、天と地、善と悪、癖歪みの性癖とか、様々なものがねじ曲がり、五感もバラバラにシャッフルされて、視界を嗅ぎ、音を味わい、鼻で見て、肌で聞いて、舌でインスピレーションが湧いた。ん?触感と何か別の感覚が入れ替わってないか?


 とにかくその後何時間も丹田突きまじぇまじぇされて悲惨な事になり、全員揃って受付おねーさん宅で1日世話して貰う事態になった。ありがとうオカン。母性愛から母を抜いて欲しい切実に。いつドレインさせてくれるんだお前は。


 後日、癖歪みだけ幾度も陰陽まじぇまじぇを俺に頼むようになったので、こいつの可能性というか、性質性癖というか、どこまで拡張されていくんだろうかと感心すること頻りである。腹パン神官かこいつかってくらい他の連中から飛び抜けているので、やっぱり貴族階級ってのは歪み易いのかもな。社会の闇をみたぜ。


 陰陽を合一しながら陰陽を合一するのが大好きな様子で、流石に諭した方が善いかとも考えたのだが、俺も人類がしちゃいけない顔をしながらまじぇまじぇされてる癖歪みが拝みたくて仕方ないので欲望に負けてこの過酷な修行の手助けをしている。すまんライ麦畑。弱い俺はお前が苦しむ姿を見ていることしか出来ない。


「見てないでぇっ、突け!ほらぁもっともっと突けぇっ!はひぃーはうぅぅ」


 わかった落ち着け突く突く!丹田をな!丹田とかな!くっ、なんて熱心なんだ!自身をここまで追い込むなんて!俺もだんだん追い込まれてきたぜ!ひゃひゃひゃ。

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