okie-dokie-valkyrie-dress4
出来上がるまでが待ち遠しく、冒険どころではなかったので数日をおねーさん達のお手伝いして過ごした。
朝は乳搾り、昼は子守り、日暮れ前に訓練して、夜には花を供える。そんな穏やかな毎日だった。
まあ、飽き性なのでマンネリ防止のために癖歪み忍者で代替する日もあったが。余計な購入品が増えて困ったがな。よだれ掛けとか。
しかしながら、困ったことにおねーさん的にも予想以上に長引いたらしく、2週間、焦れに焦れ、腹いせに癖歪みを焦らして辛抱させ、それによってまた新たな癖が開眼し、それが欄熟し、大いに貴腐してさあ、醸造のために搾っちゃおうといった具合で水蜜桃のような、1種の芸術品のようなデザートワイン忍者が誕生した。飲み干すのが一瞬だったのが非常に残念だった。また造って今度は熟成させてからあじわってみたいぜ。
「次ヤったら真剣コロスからなてめぇ全部!全部搾り取ってコロス!ゴザザザザ!」
ふむ。正気に戻ったと思ったら凄い壊れかたをしたな。これはこれで趣深い。むむむむむむ!
「ひゃあ!また!?無敵かオドレコラ!」
この女顔で荒っぽい口調。しばらくこれでお願いいたします。
そんなこんなで出来上り報告が来たけどこちらの都合で1日浪費してその翌日、いよいよくノ一装備とご対面である。
間接部等を固めて行動を阻害してしまわないように伸縮性の高い、鼻から足の爪先までの全身を包む薄手のスーツというかタイツ。そしてその上から急所を護る水着型の厚手のスーツをつける。手足にも、殆ど肩や太ももまで覆うような手袋と長靴を身につけ、機動力と防御力と両立、さらに魅力を並立した素晴らしい装備となった。
これを基本装備とし、今後はこの上から装甲を要所要所に着け最適解を探る研究と調整を繰り返す予定らしい。
「何故に今着たばかりなのに脱がそうとするでゴザルか!?」
「いや、脱がしたいわけじゃないんだ。ただちょっと、ちょっとズレてくれれば良いだけなんだ。」
「良くない!」
「もちろんお客さんの要望は最大限応えてるゼ。最新の機構として鋸状の歯を噛み合わせて閉める特殊な、名付けるならばスライド式ファスナーと呼べるものを着けている。これにより着脱が容易で戦闘にも、そして少年が欲した日常での性能にも十分マンゾクできる仕上がりになった」
「女神官どの!教えないでそれは!」
おお!稲妻のように、あるいは流星のように脱がせられる!!これは便利だ。全員これにしてくれよ戦闘中も安心だ!
「戦闘中に不安でゴザルわ!」
「最新機構と言えバ、これはゴムっていうよりは高分子の、おっと、…ごゆっくり」
「ちょっと!あなたの工房でゴザル!行かないで!最近ずっとだからもう限界な!……はうぅー。また…もうっ。…もうっ」
ふと、現在の信徒の数を聞きたいという話はどうしたのです?と、善良な神職だった過去生の俺が囁いてきたが、そしてその後すぐに、悪辣で善良な商人だった過去生の俺が、癖歪み忍者をとことん服従させて国盗りの足掛かりにしようぜと嘯いてきたが、今生の俺は目の前のつやつやもちもちのことしか考えられないのでこれらは全無視で、この悪実ウサちゃんとの餅つき大会をおっぱじめた。
ぺったんぺったんぺったんぺったん。ぺったんぺったんぺったんぺったんぺったんぺったんぺったんぺったん。




