Cat-Sit Rat-Fat Bat-shiT2
「おとろしい怪物に、生け贄を捧げ続けているんです」
俺だけに言葉が通じる這鼠刺、《伊達鼠のミッキーマーティン》という通り名らしいそいつに案内され、夢幻と謳われた街、ネズミー浄土へ向かうことになった。他の連中にはミッ、マーティンの言葉は通じないので邪聖少年などは終始羨ましそうにしていた。その他の連中はコイツついにイくとこまでイッたな。という目をしていたのでその腐った目を清めるべく、眼球を嘗め回してやったぜ。案の定、勿の論、癖歪み忍者だけ後日こっそりもう一度とおねだりしてきたので着実に癖歪んできている。
道中、ちゅうちゅう仲間鼠に訳を話し、その度に仲間鼠たちがだいたい俺の膝小僧辺りをひしっと抱き締めてから何処かへ消えていき、その度に邪聖少年が聞いたことないような黄色い悲鳴を上げていて大変に煩かった。今度あの悲鳴俺もあげさせたい。
「このダンジョンじゃあおれたちは死んでも復活するんですが、死ぬと街にもどっちまう。街に戻りたてでポケッとしてるところを怪物に食い殺されるんです。そしたらもう生き返れないので、どうか仲間の命はご勘弁くだせえ」
うん。もう這鼠刺食えないね。
「いえ、逆に考えるんですおかあさ教父さま。彼らの街に潜む怪物とやらを退治すれば、安心してダンジョンで彼らを食べられますよ!死なないんだから」
「へい、そりゃあもう。おれたち皆救世主さまに帰依して生け贄をたくさん捧げます」
やってること怪物とかわんねぇなぁオイ!
くそう。各モンスターに生まれ故郷があんのかなこれ!?初心者のダンジョンならば皆復活すんのかね!?だったら罪悪感が最小限だから助かるんだが!?知らなければ楽々殺せたのに!神よ!あなたは信仰を試すのがお好きのようだ!みさらせ我が信心を!!
「無食子どもはまだ会話通じないから殺せる!今のうちに殺っとけ!どうせこいつらにも生活する街や国があるぞ絶対!今だけだっ!殺せ殺せ~!」
「御前、言ってること最悪すぎるワン!」
五月蝿い!急に喋り出すかもしらん!早く殺せ!
棍棒の振り回しを潜り抜け鎚矛で膝小僧を砕く。邪聖少年と違って汚い悲鳴を上げた。片手を骨製の錐、レディスケルトンに持ち替えて股間を抉る。余りオトコノコとしてはヤりたくないのだが、長さが足りないので他の急所には届かないから仕方ないのだ。ハッハー!踊れ踊れィ。
「プギィィィ、コレハコレデェェェェ」
「うぉらっしゃあ!黙れィ」
「…貴殿、今しゃべ」
唇を塞いだ。たっぷり1分ほど絡めてから離す。
「いや、だって拙者にすら聞こえたでゴザル」
まだ話すんかい!
それはそれとして多分辛抱たまらなかったのか、癖歪み忍者の方からせがんできて、それがまた実にいじましくもいじらしく、此方の心をくすぐるおねだりが日に日に上達していって感慨深い。堪らず別の手段で口封じした。終始、邪聖少年がマーティンの目を塞いでいたが、多分そいつ俺たちより年齢上だぞ。這鼠刺の寿命換算かもしれんが。
「構わぬよ。拙者、貴殿のゴミ箱でゴザルからな」
さんざ使った後にこのセリフである。そりゃあもうパンパンよ。
「無食子の肉でハンバーグでも作ってるんですかい?」
目隠しされたままの無垢なマーティンが、音だけで類推して話し掛けてきたので、まあ、似たようなもんだと答えておいた。マーティンの言葉に癖歪みが確実に癖歪みしてたのが此方にも伝わってきて、感慨深いひとときだったぜ。
浄土かは知らんがここが涅槃なんだろうな。プルプッシュ。アップサイドインサイド。ううむ。感慨深い。




