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B-T-Beauty-Brother-Boozing!4

 あいつ出てくるだろうか。と期待しながら探索していたがそうそう一個人に会えるわけ無いよな。


 基本的にダンジョンは縦に進んで行かないと強い敵に出会えないので、あの格のやつが居たのがおかしかったんだ。新人の引率でもしてたんだろうか。


 モンスターを狩る狗尾草(コボルト)に奇襲を掛けて仕留めていく。対策されたら厄介なので、なるべく正体がバレないようサクサクザクザクやっていく。



 快進撃を続けすぎて厄介な場所まで来てしまった。天井はほとんど失われ、青空が網目状に覗いている。ほとんど狗尾草(コボルト)の支配圏だ。


「これは、砦でゴザルか?」


 癖歪み忍者、基本マジメなんだが、良く変な方向に突っ走る。ゴザル口調のくノ一はそこそこ好きな部類なのでまあ、いいか、とスルーしている。くノ一じゃあないが、似たようなもんだ。問題ない。


 情動にまかせついつい到達してしまったのはコボルトの前線基地。人類がそれ以上侵入して来ない用に建てられた巨大な関所のようなものだ。宿舎も運動場もある。彼らにとって、こここそが修練所(ノビシャド)と呼ぶべき場所なのかもしれない。

 迷い帰れなくなって困る少年少女がお互いに多いのでやむを得ず作ったという云われがある。両方の大人たちからは託児所(ナーサリー)と呼ばれていたな。狗尾草(コボルト)と人類とは、割りと良好な関係を築いているのだ。ダンジョンでは殺し合うが。


 ふむ。せっかくだし、城攻めするか。成功したら多分めちゃくちゃ怒って、報復にしばらく産道(カナル)にコボルトが溢れるが。狗尾草(コボルト)は尚武の気風が強いので、むしろ敵ながら天晴れと誉め称えてくれるかもしれん。


 何人か詰めてるであろう、(レベル)の違う大人達が厄介だな。見取り図は《測量士》だった頃の心のノートに詳細に描かれている。これを現実の紙に記して三人で計画を練った。






 バタバタと倒れていく狗尾草(コボルト)の夜番たち。遅効性の毒が効いているようだ。

 経験不足で隠密行動にまだ不安が残る癖歪み忍者だが、拙者、拙者がやりたい、拙者拙者、とすごいアッピールしてきたので逆に留守番させ、日中に俺が1人潜入して各所に毒を仕込んでいった。何しろ授乳も飛行も自由自在の体なので、当然体液を毒に変えることも可能なのである。邪聖少年が発案するまで気付かなかったけども。めちゃくちゃ便利な体だよな。ドレインが捗るぞ。

 瓶の水を飲んだもの、樽の酒を飲んだもの、皆一様にあれ、今日は何だか美味しく感じるワン、とか言いながら睡魔に襲われていった。後は無効化した奴が潜んでいないか探しだすだけだ。

 あいつ、刀剣使いの格上狗尾草(コボルト)が居ないかと期待したが、そんな素敵イベントが起こることもなく、砦を制圧した。


「凶悪な能力でゴザルな。敵が同じことをしないとも限らん。拙者も忍者の端くれ。《毒耐性》を付けるべきか」


 端くれというか、大名なので忍者率いる立場なのだが。

 むんむん悩んでいたので狗尾草(コボルト)の伝統工芸品っぽいコップにじょぼじょぼと毒体液を排泄してやった。


「弱くしといたから、飲んでみ」


「いや貴殿(との)、それは絵面が」


「うっひょー!いただきまーす」


 嫌がらせで癖歪み忍者に飲ませようとしたら邪聖少年が横から掻っ浚っていった。ごくごくと良い飲みっぷりである。こいつの方がよっぽど癖歪んでんな。お兄ちゃん教育を誤ったかもしれん。むしろ成功したとも言える。


「ち、違うよ?毒殺を警戒する立場だから。弱毒で低リスクに耐性付けられるし、そしたら色々安全性増すから。だからだよ?」


 珍しくしどろもどろに言い訳を重ねる邪聖少年を怪しく思いつつ、しかしそれはそれとして癖歪み忍者にも飲ませた。飲みやすい様にレモネード味にしたらだいぶお気に召してくれたのでこちらも気分が良い。


貴殿(との)、サイテーでゴザル」


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