okie-dokie-valkyrie-ladies5
辛うじて水仙の花束を思い出し、ドタバタで尻たぶに潰されてたそれを渡してミッションクリアである。死者への冒涜な気がする。逆だ、逆に考えよう。尻押し花は死を笑い飛ばして遠ざけるおまじないなんだ。今日からこのおまじないを流行らせよう。…だめだ余計冒涜してる。
墓場のおねーさんからお返しとして紙が渡された。
「附子嫌悪主義者リスト?大丈夫ですよ。俺なら全部返り討ちだ」
「言葉を言い換えようか。ドレインしても良いリスト。だよそれは」
おお!専守防衛、カウンターアタックしか許されないと思っていたら!おねーさん積極的ぃ!
「附子をモンスター認定する土地が増えてきている。この街でも排除の動きがある。無垢な少年少女がだよ?」
大人が絡んでる。それが迷信誤解なら赦すが、悪意をもって動くなら神意もそれなりの対応をする、と。畏れ多いことだ。思わず跪く。
気さくな方々ばかりだから向こうが喜んでくれるよう、普段は甘えたりもするが、端々から溢れる神性には体が勝手に反応してしまうな。相手側はよくこの国で悪意をもって動けるな。いや、善意で動いているのか?良かれと思って附子を除いているのか。ふむ。悪属性なのかもしれない。
嫌悪主義者はあくまでも附子を認めない宗派、であるらしい。神様はリストは渡すし黙認もするが、そこから勧めも止めもしない。たた、国民同士が宗旨替えしたり説得したりは問題ないので、ドレイン派とかそんな名称で派閥立ち上げてはどうか。と言われた。経験値を俺にお布施する宗派か。全員兄弟姉妹になってしまうな。人類皆兄弟だからな。
「しかしよ女神官さま。他の貰い物は俺個人のみに関わることだったけど、これは他人にも影響与えてしまうし、なんか貰いすぎじゃないですかね?」
「急にしおらしいな」
一応敬虔な教徒なんだぜ。
「これもハンディキャップを埋める補填さ。附子全体のね」
ああ!同じ境遇の兄弟姉妹の面倒も見てくれよってことか。それなら別だ。神から授けられた恵みじゃなく、大いなる試練、神様に捧げる信仰の現れであるなら俄然ファイトが湧いてくるぜ。とんがり尻尾もビンビンだ!
「神を神とも思わない子だと思っていたんだけどね」
「後光が差してきましたね。このまま召し上げられたら僕とても困るのですが。B兄さん。せめて成人するまで待っていただけますか」
ふむ。宗派の名前は追々決めるとして、とりあえず尻たぶで花を押し潰すおまじないを合法にしておこう。これで冒涜じゃない。俺が教義だ。