勇気 凛々 beauty 藍鸞 nothing 2
茶に自分の乳搾って足してズビズビしばいてからいろんな意味で重い腰を上げて外出する。あ、半裸だった。
クッソ寒いから鳥肌からブツブツと羽毛を生やし外気を遮断する。
「これは神様、ご機嫌麗しく?」
雌柿王子様ベイビーのとこの元パーティーメンバー、臣下兼許嫁の聖騎ガール、セクシーパラダイスが新築っぽい建物に荷物を運んでいた。
立ち振舞いが爽やかで、うちのズタ袋少女エリーゼをレディレディと持て囃す様など見るに、雌柿王子様よりよっぽどコイツの方が王子様してる。
何してんだコイツ。いや、雌柿王子様の家臣連中、冬蕗たちの土地シュバルツバイス辺りからしれっと集まってたけどよ。初心者の街の留守番頼んどいたのに何でこっち来たんだよ。
「たまげたんだぜ俺たちも?皇様が別の便で付いてくるようご指示なされてよ。内々だからって直接でだぜ?おとろしいことだよ全くよ」
フリフリのエプロンを着けた野伏、雌柿母♂ベイビーのとこの元パーティーメンバー、臣下兼許嫁その2、ステーキソースが会話に加わってきた。
こいつもセクシーパラダイス同様、顔は整っている。比較的、ベイビー関連の奴らの中では普通の感性の持ち主で無食子たちの発行してるファッション雑誌など愛読してる、中身は今時の若者なやつである。
「おっと、蒸し器かけなきゃいけねぇんだった。あばよカミサマ」
そのくせ口調が荒くいつも無表情なのでやっぱり変なやつである。
「ソー、神様にフランク過ぎますよ。畏れ多い。申し訳ありません神様」
ステーキソースと入れ替わりにやってきたのは神娘ガール、お気に雌母♂ベイビーの元メン、家臣兼許嫁その3、ビーストアイズ。
「お怒りでしょうか。何卒ご容赦を。靴をお舐めしましょうか?」
「いや、怒ってない!怒ってないから!舐めようとすな!腕力つよいっ!!」
神娘だけあって信仰心が強い、というかオレへの恐怖心が強い。怯えが過ぎて逆に攻撃になってないか?オレへの。
戦闘では聖騎が主盾役、野伏が主矛役を務め、この神娘ビーストアイズがそれぞれの凖主役として臨機応変に立ち回るのが彼らの基本形らしい。今の状況もこの前衛3名に足を止められた形になる。
「つまり後ろかぁ!」
ベイビーの元メンハーレムの残り2名、魔剣と戦巫、後衛というには前のめり過ぎる職業の2人が始末役として背後に回り、いよいよ下剋上する気だ!
「もっちゃもっちゃ。どうしたの?神様」
戦巫ディープハードが何かの生肉と脂肪食ってた。
いや、何でもないよ無邪気娘。魔剣たるスティレットヒールは何処にいんの?
「ベイビーくんと一緒に皇様の漁に参加してるよ」
ブレねぇなあいつ。
「あ、戻ってくるまで足止めしてて、って言われたんだった。そりゃああい!」
「待て待て待てぇぇぇい!」
気を抜いた瞬間に!いや、絶対勘違いしてるこいつ!神にみられてはならない、みたいな土着信仰とかのやんごとない理由で漁の様子見せられないとかそういう意味で引き留めててくれって頼んだんじゃないか?
「わかんない。わかんないからとりあえず僕撲るね!」
そう言うと戦巫ガールは食べていた肉と脂にスキルを乗せて顔に塗りたくる!やべえ!あれは!
「《神憑き》」
スキルを宣言して発動した戦巫ガール。肉体がミチミチと音を立てて変質していく。戦巫のスキルは這鼠刺のまねっこどうぶつに近い。毛皮や牙、血などを触媒にしてその生物の力を借りるため、呼吸を真似るだけで力を得る這鼠刺よりは制限が多いが、それはどっちがより厄介か、という話でしかなく、戦巫のスキルは十分に脅威である。
まあ、殺しあいが始まる訳じゃない。戦巫ガールの目的は事が終わるまでの足止め、つまり動けないようにボコボコにするだけのつもりなのだろうが、勿論ごめん被るのでオレも戦闘態勢だ。
「《魔獣覚醒:人狼変生》」
デッドコピー版のそれを発動して対峙する。戦巫ガールの変身も同時に終わった!
「くぅーごぁ!くぅー!」
お腹でボインボインと移動してこちらを猛撃しようとする戦巫ガール。手足がヒレ状になってしまってるのでぺちぺち殴られてもあんまり痛くない。
「うーん、何だろ元の動物。アザラシかぁ?」
かわいいので背中を撫でてやる。皮下脂肪厚ぅ
「2人とも、風邪引きますよ。中へどうぞ」
聖騎ガールに窘められた。ふむ、どちらにしろ邪聖少年んとこは出禁みたいだし、せっかくだからお邪魔しますかね。




