表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

乙女ゲーム

乙女ゲームって何ですか?

作者: あやのん

婚約破棄の第三者の目線で書きました。五人目ですが、話しがズレました。

書き切れ無かった設定書きたくて、一人増やしました。

温かい目で読んで下さい。

 ミレーネ・ヘラルド子爵令嬢です。

学院では、残念君の妹で有名になりました。

私の兄、小さい頃から、変でした。

ですが、変な行動さえしなければ、優しい兄でした。

暑い日には水分補給と汗は、こまめにと声を掛け、

勉強で解らない所があれば、解るまで教えてくれました。

おやつも、沢山くれました。

とても優しい兄です。


剣や魔法の訓練を真面目に受け、それまでは何も無い、平和な日々でした。

ある日の事でした。

突然兄が、

「ステータス オープン!」と叫びました。

兄が、何を言ってるか解りませんでした。

「あれ?おかしいな?ステータス画面が現れないぞ?」

と更に解らない言葉を言ってました。

「言い方が、違うのかなぁ?」

と言いながら、私には聞いたことの無い言葉を次々と叫んでいました。

「ウィンドウ オープン!」

「ステータス ウィンドウ!」

「あれ? おかしいなぁ? 魔力が要るのか?」

「パッシブ系のはずなのに?」

「HP MP SPの確認したかったのに。」

「じゃあ次! 鑑定!」

「ダメかーっ 次! 検知!」

流石に、暑さでやられたのかも?と思い、両親の元に走り、慌てて説明しました。


兄が医者に連れて行かれ、私も心配で両親に無理を言って付いて行きました。

ですが話を聞くと、驚愕しました。


両親も医者も、知らない言葉を使った様で、数日間安静にと、精神を安定させるお薬を貰ったそうです。

何故か兄は納得せず、

「ステータスは、自分の能力を数字化させて、誰でも理解出来る様に、わかりやすくした半透明の画面の事だよ?」

と言ってますが…。

画面? 何処にありますか? 私には見えませんが?

兄には見えているんでしょうか?


先生が兄の目を見ながら、優しく聞いてしまいます。

「画面?私には見えないが、君には見えるのかな?」

私が聞きたかったのはそれです。先生!

幻覚をみているのではないのかと!

「今は、現れ無いけど、普通見えるはずなんだけどなぁ?」

見えるのが余り前の言い方に、

私の体は、震えが止まりませんでした。


あれから、ここ数日間は何事も無かったかの様な静けさでした。

ですが家の中では、『あの事に触れない様に!』と両親が、口止めしただけでした。

そして私は、また驚愕する羽目に合うのです。


兄の何気なく聞いてきた言葉でした。

「スキルの確認は?」

「レベルの概念はあるのかなぁ?」

「加護とか祝福とか、受けてるのかなぁ?」

兄の言葉を聞いた瞬間、両親の元に走りました。

「魔道具に触れると、ステータスが見えるのかなぁ?」

「ステータスさえ見えれば、スキルもレベルも確認出来るかも?」

「パッシブスキル どれだっけ?」

まだ、ブツブツ言ってますがそれ所では、なかったからです。


今度は、頭の病気を疑われました。

聞いた事の無い言葉の説明を求められ、

理論整然に説明する兄を見ながら、

「現実と空想の区別が、付かないのでは?」

と医者が、言ってました。

何故でしょう?

私の目から涙が止まりませんでした。


それから暫くの間、兄の奇行が無く、薬が効いたのでは無いかと診断が下されましたが、両親の目には、届かないだけでした。

家庭教師の授業中でした。

兄は、魔物の話しを聞きながら目が輝かせ、

「ギルドの冒険者たちが討伐するのか?」と

家庭教師に聞いていました。

ですがギルド?は 解りませんが、冒険者なら解ります。

未知の大陸に挑む人、または未登山の山に登る 小説に出て来る主人公(冒険者)の事です。

その話しを家庭教師から教えて貰い、目の輝きが消えて行きました。

更に、国の騎士によって、定期的に討伐団が派遣されているのを聞くと、見る見るうちに、元気が無くなりました。


その日の夕食の事です。兄が心配で、食事も疎かでした。

じーっと兄を見ていると、兄の肩辺りに黒い影が見えたのです!

これが兄に付いているからおかしくなったのでは?

と思い、私のありったけの思いを込めて言い放ちました。

「もう大丈夫ですから 兄から離れて下さい。」と


自分の部屋に戻り寝る準備をしながら、先程の黒い影がどうしても気になり、兄の部屋に向かいました。 

扉のノブに手をかけると、兄のブツブツ言う声が、聞こえました。

「異世界転生、転生者特典無しなのかなぁ?」

「もしあるなら邪眼?魔眼?が格好いいよなぁ。」

「魔眼とか無いかなぁ? 合ったら言えるのになぁ?」

扉で良く聞こえ無い為、何を言ってるか聞くために、そーっとドアを開け覗きました。

「眼が疼いてやがる! クソ!暴れるな!」

「そんなに、呪いたいのか?」

衝撃でした!

あの黒い影は、肩から兄の目の中に入ってしまってました。

「なんてね?」

兄が何か言ってますが、其れ処ではありません。

そーっと 扉を閉め、両親の元に向かいました。

そして黒い影と、先程の事を両親に話すと、

「呪いに間違い無い。」

「目の中に入り込む黒い影だが、教会に問い合わせて聞いてみる。」

「また何か言ってるのを聞いたら、教えて欲しい。」

私達三人は、硬く誓いました。

必ず兄を助けると!


兄を連れ教会に行きました。

私も付いて行きたかったのですが、両親に

「必ず元に戻すから 信じて待って居てくれ。」


三人が教会から戻り、両親から話しを聞きました。

両親が司祭様に

「呪いを解除して下さい。」

とお願いし、儀式をしながら呪文を唱え、無事解除したそうです。

兄の第一声が

「目が覚めた。」


そこからは、兄に変わった所は見られませんでした。

ですが、両親にリバーシとか言う遊具を作りたいと。

説明もしっかりしていました。

ですが、前の事もあり 妄想なのか呪いなのか判断が付かなかった様で、

「医者?教会?」など言い合っていましたが、

兄が突然「やっぱり辞めた」と言い部屋に帰って行きました。


それから兄は、ひたすら勉強してました。

学院の試験では、20番に入り、下位貴族で 

上位の成績をとるのは珍しい事だそうです。


私も2年遅れて入学しました。

兄は、とても有名でした。

「メルトスラッシュ!」と叫びながら剣振り回したり、

「精霊召喚 こい! イフリート!」と言い、炎の玉が空から自分に落ちて来たそうです。

魔法の授業中 では、 

「ブラックボックスか、アイテムボックス

そんな魔法ありません?」

まだまだあるそうです。離れて居た、たった二年で。

それからは、兄の目を見ることが癖になりました。

あの影が目の中にまた入っていないかと。


お茶会では友人達が、良く恋の話しをしてました。

兄の事は触れないでいてくれて、とても有り難かったです。が、私は其れ処では無かったので、

初恋すらまだだと言っていたのですが、

遂に誰か上げなければ為らない状況に為り、つい当たり障り無く、いずれ国に帰る 隣国の王子様を上げて この場を凌ぎました。

ですが、其れが仇となるのは卒業パーティーでの事でした。


その、卒業パーティーです。

友人達は、

「最後だから 少しでもそばに行こう?」

そう言いながら 腕を引かれ、ステルビオ・レイ・イプシロン殿下の近くに 連れて行かれたのです。

適当に言っただけなのに。


友人の一人が、殿下に

「ミレーネの学院の思い出に、ダンスに誘って頂けませんか?」

何ですって! 何言ってんのよ! あれは嘘なの!

と目で訴えますが、当の本人は、ニコニコしながら殿下に話します。

「もし、私の様な未熟者で宜しければ?ミレーネ嬢」

と手を差し伸べて来ました。

もう、どうもしようがありません。

戸惑いながら、差し伸べられた手に重ね、エスコートされたのです。歩き初めた瞬間に

ホール中央から声がしました。


「貴様とは、婚約を破棄する!」

ホール中央で、王子様と婚約者が対峙してます。

「はい! 乙女ゲーム 確定!」

思わず、殿下を見てしまいました。

癖で、目を覗き込みます。

殿下!まさか兄と同じですか?

聞いた事の無い言葉を言いましたね?

「どうやら 不測の事態が、起きて要るみたいです。」

ええ そうみたいですが、此方も不測の事態です。

「申し訳ありません。この場を離れます。

ダンスが出来ず、すみません。」

殿下が右手を胸に当て、右足を下げながら、上体を下げつつ、頭を垂れる。

そして颯爽と、侍従の元に移動をはじめてます。

殿下の背中を見つめながら、問い詰めたい気持ちで、一杯でした。


友人達が、

「エラン王子様 噂の通りになりましたね。 

このままだと派閥のバランスが崩れ、後継者問題が起きそうですわね? 周りが見えて無いのかしら?  恋愛に浮かれるアホ王子様」

ホール中央を見つめ、騒ぎます。

私は、ステルビオ王子を見つづけていました。

友人が、気を付かって話しかけて

「それにダンス 残念でしたね?」

「そうですわね。」

ダンス中なら、話しが聞けたのに! 曲が終わるまで逃げれないしね! ふふふふふっ

「そんなに見つめて。」

「本当に!踊りたかったわ!」

もう一度チャンスがあれば、逃がしません!

言葉の意味と、黒い影を確認するまでは!

友人に肩を叩かれ、指差す方に目を向けると、

「あそこで崩れ落ちたのは、お兄様ではなくて?」

何があったの? それに、レクストン姉弟。 

シェルビー様、何故そんな目で見てますの?

兄に何が? 

慌てて兄の元に近付きます。

「俺ターンが、遅かったのか? 王子も攻略対象なのか?」

また何か言ってます。


気が付いた時には、ステルビオ王子様と侯爵令嬢が、二人でホールを出て行った後でした。

兄の目とステルビオ王子のあの言葉!

絶対何かある!

乙女ゲーム!

兄は知っているのでしょうか? 

もし、知っているのでしたら、自ら王子様に近付くのではないかと!


「ステルビオ王子様が言ったんですの。

ねぇ お兄様。乙女ゲームって 知ってます?」

 


彼の妹で、転生者以外が書きたかったのです。彼の名前ですが、しっくり来ないので 誤魔化しました。すみません。 

従事から侍従に変更しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ