やってみたいけど、やったら捕まるからできないこと。
私は自動車整備士という職業柄、常に手が汚れている。
常にというと、不潔なイメージを持たれるので弁解しておくが、手はちゃんと洗ってはいる。
でも取れないのよ、汚れが……!
特に汚れてしまった時は、数日間、指紋や爪の隙間が黒いままだし、手を洗った後でも、その手でティッシュをネジネジ弄ぶと、驚く程、黒い汚れが移るくらいだ。
軍手やメカニックグローブを付ければ良い、と思われるかもしれないが、話はそう単純ではない。
ゲーム的な例えをすると、私の器用さが10だとすると、手袋を嵌めることによって、器用さが7くらいに下がってしまうので、そういった細かさが求められる作業は素手でやるし、軍手や手袋がいくらあっても足りないような、汚れ作業も素手でやらざるを得ないのである。
例えばベアリンググリスを詰め替える時は、素手でやるのだが、勿論手はグリスでギトギトでネチョネチョである。
手の平を開け締めすると、実際にネチョネチョと音がするレベルだから、ある意味開き直れるというものだ。
そしてそんな時、ふと、あることをやってみたいと思う時がある。
それをやったら確実に犯罪行為なのでやらないが、そんな自分を顧みると、稀にある
『人を殺してみたかった』等の、やってみたかった系の事件の犯人は、
『やってはいけないこと』に対するストッパーが欠如した、恐ろしい人種なんだと思う。
我慢ができないのか、そもそもが、いけないことと思っていないのか分からないが、とにかく、それを実行に移してしまう感覚がヤバいことに変わりはない。
予防線を張っているみたいで、いやらしく聴こえるかもしれないが、私はなんとなく、ふと思うだけで、やりたくて堪らないわけではないし、勿論やらないので、ヤバい人だと思わないで欲しい(笑)
さて、引っ張ってしまったが私がやってみたいと思うことはこうだ。
ギトギトでネチョネチョの掌で、お洒落な服を着て、澄ました顔をして歩いている、性格の悪そうなセレブ美女にアイアンクローをかまして、
「よっしゃあ! 思い知ったかこのヤロー!!!!」
と、叫ぶことである!
ホントに下らないことだと、我ながら思いますが、皆さんも、やりたくてもできない下らないことの1つくらいありませんか?(笑)