いきたいな。
「お前はいいなぁ。」
そんな事を口に出して、それを見つめる。クーラーをつけていないと、身体中から汗が吹き出し、身体に不快感を与える。
それは、目の前にある。俺にはかまってくれない。常に、何かやり残したことはないかと思い、身体を動かし確認したいが、胸の奥の何かが、それを妨げる。
ずっと、小さいときからそれに畏怖の念を抱いていたが、今ではそれに、憧れのような感情を抱いてしまっている。
窓から、雨が駐輪場の屋根に当たる音が聞こえる。それに生るのは、簡単な事だった。たくさんそれに生る機会はあった。だけど、後のことが怖くて生れなかった。
「今日はひとまず出発しよう。」
誰かがそういった。腹が鳴る。痛みを感じてトイレへ行こうとするが、すぐに止む。大きくため息をついて気を紛らす。
「まだしたくない。」 「何で?」
「知らない。」