差別なし
さて天界での神様業務もある程度理解した
早く神様にならねばならない
「ダイスケさん、試験はいつですか?明日ですか?明後日くらいでしょうか?」
ダイスケは真面目な顔になり
「来年だよー。一年に一回なんだよね〜、今回はモンゴルの神様見習いと日本の神様見習いユウジの、2人が受ける予定だね〜」
えっ?一年も先なのか?
きっと覚えることが沢山あるんだな
私は心の中で覚悟を決めた
どんなに難しいことでも覚えて
必ず合格してみせる
「私頑張ります、どんどんなんでも沢山教えてください!」
ダイスケはあぐらをかいたまま
ニコリと笑うと
「もう、あらかた教えてしまったよ〜、試験って言ってもマークシートだし、似た様な問題が引っ掛けで出るだけだからね〜、1番難しいのは面接じゃないかなぁ〜」
えっ?マークシート式なの?
しかも面接もとかもあるんだ?
「でもそんなに沢山教えてもらってないですよ?これで終わりなんて本当に試験大丈夫ですか?心配になります」
ダイスケは腕を上げ
親指を立ててグッドの形にして
「それだけユウジが優秀な証だよー。僕は細胞が宇宙の話しで2日は理解出来てなかったなぁ〜」
腕を下ろし遠い場所を見る感じで答える
ここで私の眠っていた
統合失調症の症状 幻聴が聞こえてくる
内容は私を罵る言葉や死にたいとの言葉などだ
耳を塞いでも聞こえてくる
統合失調症とは脳の病気である
脳内の伝達物質ドーパミンが
過剰に分泌されて受け取る側が
受け取れる容量を大きくオーバーして
幻覚や幻聴 妄想など様々な症状をおこす
とても厄介な病気である
完治はしないので寛解と言い
完治に違い状態へと持っていく
そのためにはきちんと薬を飲んだり
何か作業に没頭したりして
寛解状態を維持する必要がある
私はきちんと薬も飲んでいたし
スマホゲームに集中していたので
病気の片鱗は隠れていた
しかしダイスケの説明でほぼ半日経過するが
私は定時の薬を飲んでいない
「ダイスケさん、薬を飲まないといけない時間です。薬は何処で貰えるんですか?幻聴が聞こえてきました、こんな私が神様業務出来るんでしょうか?」
ダイスケはゆっくりと立ち上がり
「薬はこの先の薬剤部で貰えるよ〜、一緒に行こう。それと話したけど、神様も万能じゃないんだよね〜、末期癌の神様も居るらしいし足が人工関節の神様も居る、健常者や障がい者なんて神様には関係無い。人種差別も何も無い世界が天界なんだよね〜」
ダイスケはそう言うと奥へ振りかえり
ゆっくりと歩き始めた薬剤部に行くんだろう
私は少し感動している
統合失調症の生活保護なんて
社会のゴミみたいに言われ
生きてる価値さえ見出せなかった私が
今は神様見習いである
人生なにが起こるのかわからない
差別の無い天界は素晴らしい
おっとダイスケに置いて行かれてしまう
沢山居る神様を避けながら
小走りにダイスケの後を追う