ブッダとイエス
飛行機は普通に飛び立ち普通に着陸した
到着したのは羽田空港国内便扱いだった
言われても分からないくらい普通だ
私の他にも数人の天使が乗っていた
東京の観光ツアー客だろうか?
私はバスに乗り電車を乗り継ぎ
ブッダとイエスの元へ向かう
資金はたっぷりあるみたいだ滞在費用として
謎のカードを渡された白いカードだ
電車の時もSuicaみたいにかざすだけでよかったし
バスも同じくコンビニでもタクシーでも
ホテル等でも見せるだけやかざすだけで
使えるとの説明を受けている
服装は下界用だと言うグレーの背広姿だ
電車の後はタクシーだ
本当に大丈夫なのか気になったが
支払いは見せるだけだった
住所は分かっているのですぐ着いた
ボロい二階建てのアパートだ
二階の奥の部屋本当にここが
ブッダとイエスの下界での活動拠点なのか?
見習いの私でも無限に使えるカードを
渡されているのに何故こんなボロいアパートで
大神が過ごしているのだろうか?
駅からも離れているしとても不便だ
そんなことはまぁいい
とりあえず2人に会わないといけない
この部屋に今居るのだろうか?
私はドキドキしながらチャイムを押す
ピンポーン「はーい」男性の声だ
部屋にいるみたいだ少し安心するが
大神に会うのは初めてだ手に汗をかく
「どちら様?」
ドア越しに聞かれるので
「天界から来ました」
そう答えるとドアが開く
見た目からしてブッダそのものだ
「早く中入って!」
慌てた様子でブッダが中へ入れと手招きする
「失礼します!」
私は部屋の中に通される
六畳一間の狭い部屋だ入ってすぐキッチンがある
中にはいかにもイエスそのものな男性が
のんびりお茶を飲んでいた
「えっ?天界からの使者?何かあったの?まだ有給は残っているはずだよね?」
イエスがちょっと驚いた感じでそう話す
私は玄関に立った状態で
「話せば長くなるんですけど、私は神様の見習いです。今日はお2人から許可をもらいに来ました」
そう話すとブッダが
「立ち話もなんだから、入って座りなよ。あ!お茶飲む?」
なんだか想像するよりもフレンドリーな感じだ
「お邪魔します。お茶いただきます」
そう答えるとブッダは笑顔で
「じゃあそこ座って待ってて」
イエスの隣を指さす
私は言われた場所に正座する
「足くずして良いよー、そんなに畏まらないで、のんびり話し聞くからね〜」
イエスがそう話すので私はゆっくりと
あぐらをかく本当にいいのか?
「はい、お茶」
ブッダがお茶を入れて渡してくれた
「ありがとうございます、光栄です」
まだ私は緊張している
イエスが「ごめんね〜、お茶菓子無いんだよね〜」
「いえ、とんでもない。バチが当たります」
そう答えると2人は笑って
「バチは当てないよー。それで?なんの許可?神様見習いが来たのは、初めてだよー」
イエスが笑いながら話す
「僕らに出来ることなら、手伝うよ」
ブッダも笑いながらそう言う
「実は訳あって、神正会の役員になりたいので、お2人の許可をもらいに来ました」
そう答えると2人はキョトンとしている
「神正会の役員になるのに、僕らの許可が必要なの?その前にまだ見習いだよね?なれるの?」
ブッダは本人も詳しくは知らないみたいだ
「はい!4大神の許可が必要なんですゼウスとアラーはまだですが、まずお2人から許可をもらおうと思い来ました。まだ見習いですが定義として天界にいる者、とあるので私も見習いながら天界にいますのでなれると思います」
2人は ほー と感心をすると少し真面目な顔になり
「なりたい動機は?」
真面目な顔のブッダが聞いてくる威圧感がある
「今年日本からエインヘリャルが出たんですが、その時のエインヘリャルは虐待されている女の子で、その事を通達してくれなかった神正会に不信感を抱き、助けたかったのに助けてあげられなかった悔しさから、神正会を変えてやる気持ちになりました」
全て正直に答えた
ブッダとイエスは真面目な顔のままだ
もしかして駄目なのか?そう考えていたら
「不純な動機ではないみたいだねー、良いんじゃない?」
イエスは笑顔になり軽いノリでそう話すが
ブッダは少し違っている
「動機は理解できたでもね、君が神正会に入って果たして変えるだけの力があるの?」
「なければその力をつける覚悟です」
私も真面目な顔で答えるとブッダは笑顔になり
「良い覚悟だね、君ならば変えられると信じよう、私は許可しようイエスは?」
「私も許可するよ」
よし!2人から許可を得たぞ後はメタトロンだ
「ありがとうございます」
お礼を言い頭を下げる
「ところで4大神の許可だけで、神正会の役員になれるの?」
イエスが聞いてきた
「それが、大天使メタトロンの許可も必要なんですが、堕天してしまったらしくて所在不明なんです」
私は困った感じで話してみたらブッダが
「あぁ!神の書記長だったメタトロンね、近くの響公園でホームレスしてるよ」
えっ?ホームレス?私は
「ホームレスですか?何故公園生活なんてしてるんですか?」
今度はイエスが笑いながら
「ホームレス生活が楽しいみたいだねー、ちょっと変わったところあるヤツだから、、、」
とても有力な情報を掴めたぞ
「情報ありがとうございます、早速その公園に行ってみます。でもメタトロンってどんな顔ですか?」
ブッダがお茶を飲みながら
「見たらすぐ分かるよ」
なるほど大天使ってくらいだから
見たら分かるくらいオーラがあるのか
私は立ち上がろうとするとブッダが
「まだ良いじゃない。最近の天界事情教えてよ」
イエスも期待の眼差しでこちらを見ている
「変わった事は無いので、私の話しでよければ」
ブッダもイエスもウンウンと頷く
私は天界に来た事 神様業務体験の事
エインヘリャルの時思った事
全てを話した 2人は楽しそうに聞いてくれる
「なるほどね〜、そんなことがあったんだ〜」
イエスがぬるくなったお茶を飲みながら答えた
ブッダも「そんなことあったんだ。でも日本からエインヘリャルがでるなんて凄い事だよね、でも神正会の伝達不備も理解出来る」
外は暗くなり始めている
早くメタトロンのところへと行きたいが
ブッダが「今日はもう遅いし泊まっていけば?」
いやメタトロンのところに行きたいが
ブッダの誘いを断るわけにもいかない
「はい、泊めさせてもらいます」
恐れ多くてとてもじゃないが断れない
「よかった、今夜はおからコンニャクのハンバーグなんだ。一緒に食べよう」
ブッダはそう言うとキッチンへと向かう
イエスはうんざりした感じで
「ブッダは肉は食べられないから、おからコンニャクには助けられているよ〜」
「おからコンニャクですか?私始めて食べます」
そう答えるとブッダが嬉しそうに
「本当に?びっくりするよ。本物のお肉みたいだからね」
手際よく料理を始めている
料理はブッダの担当みたいだ