体験
神様になるためには
試験に合格することも必要だが
心構えも大切なことだと学んだ私は
ダイスケから一つでも多く学べるように決意する
「じゃあダイスケさん、もっとじゃんじゃん教えてください、心構えとか昔の神様のやった事とか、知ってる事なんでも」
髪もサッパリしたダイスケはにこやかに答える
「前にも言ったけど試験に出る様なことは、もう教えてしまったんだよね〜、心構えとか言われても僕が色々話しても感じ取るのは人それぞれだしね〜、それに僕も歴史に詳しくはなくてね〜、歴史を学びたいならば神正会の天部図書部に行けばいいしね〜、後は神様業務体験くらいかなぁ〜」
神様業務体験?あるじゃないか!
「ダイスケさん、神様業務体験お願いします」
ダイスケは苦い顔をするそうしてこう話し始めた
「神様業務体験はそう簡単には出来ないんだよね〜、まず天部の神様業務体験受け付けに届け出て、次に神様業務認可委員会に受理されて、次に神正会から許可を得て、初めて体験出来るんだよね〜、許可が下りるまで1カ月半はかかる手続きかなぁ〜」
ダイスケはちょっと面倒臭い顔をしている
下界も天界も役所の手続きは
面倒臭くて時間がかかるのは同じだった
「やはり天界でも手続きとかは面倒ですか?是非お願いしたいです」
私は恐る恐る聞いてみた
ダイスケはまた笑顔に戻り
「大丈夫だよー、手続きは済ませておくからユウジは何も心配いらないからね〜、じゃあ手続きしてくるからね〜、ここで待ってて」
きっと面倒臭い手続きをしてくれるんだろうな
私はそう考えていたが体験とはどこまでなのか
興味が勝ってしまった
なんだか申し訳ない気持ちにおそわれる
「ダイスケさんすみません、きっと色々な用紙に記入して許可をもらうんですよね?」
ダイスケは笑顔で答えてくれる
「ははは〜、ユウジは古いなぁ〜、今は天部でも神正会でも全部タブレット端末だよー」
「えっ?そうなんですか?下界の役所よりも進んでませんか?」
私は驚きを隠せないタブレット端末?
天界の方が一歩進んでいた
ダイスケは左手を上げてじゃあとすると
早々に階段を降りて行った