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ウルクアレク  作者: かえる
【 Wolfalex― IV】……あれやこれやで王都オークションとかのパートです。
130/147

(129 β ――集え、七つのヒロイン。そして、ハーレム合体!)

ありがとうございます。

こちらは129話までを踏襲した、おまけ要素な「129β話」です。



「あれ? 私なんで、時計塔広場にいるんだっけな?」


 明るい陽射しのなか、エリがぽつんと広場に立つ。

 ただし、当人はどうしてここにいるのか、思い出せない様子であった。


――そこへ。


「エリのお姉ちゃん、やっほー」


「あ、ココアちゃん」


 ふと後ろから、手を振り現れた幼女ココア。

 エリはその可愛さにほっこりする。


――そこへ。


「あら、エリさん、ご機嫌麗しゅう」


「へ? ラティさん!? どうして、ここに!?」


 驚くエリに、黒き魔法士の少女ラティスがにこやかに微笑む。


――と、そこへ。


「人間の女。全然人間のアレク来ない。どうしてだ?」


「あ、ガザニアさん」


 いつからいたのか。

 竜娘ガザニアが尻尾をふりふり、退屈そうな顔である。


「ごめんなさい。たぶん、もう少しで……って、あっ、そういえば、私ってここでアレクを待ってたんだ……け?」


「にゃあ。なら、アレクの旦那じゃにゃい、ニャーはお呼びじゃない子にゃーねー」


「うわ、知らない人が来た!?」


 エリの横から、ひょいと現れた活発そうな少女。

 帽子を被る少女は、竜娘とはまた違う細く白いそれをふりふり。


「お、お名前を聞いても?」


「ニャーのとこの家訓にゃと、名前を尋ねるなら、まずは己の名をにゃ乗れ! って教えにゃ」


「す、すみません。初めまして、私はエリです」


「ニャーはニャーにゃ」


「ココアもにゃーにゃ」


 幼女が両手をグーにして、楽しそうにじゃれた。


――と、そこに、である。


 いつの間に紛れ込んだのかわからないままに、白い人影が増えていた。


「ちなみに、ウチはハタチ以上ミソジ未満のお姉さんで、よろしく~」


 巫女なお姉さんが、そう自己紹介する。


「ま、また知らない人だ……」


 とくに人見知りなエリでもないが、どことなく居心地の悪さを感じる。

 そんな気持ちで、辺りを見回すと、そこに安心できる顔を発見した。


「わ、ヨーコさん!」


 エリの声に、とことこ落ち着いた様子で歩み寄った、ぱんだ亭店主ヨーコ。


「なんだかねえ……」


「どうかしましたか」


「いやさね。ここに集まる()達を見渡してたら、アタイが、みずみずしい果物の中に混ざる、じなびれた野菜みたいに思えてきたさね……」


「それなら、人族と魔族のハーフなニャ―は、果菜(クダサイ)にゃーねー」


「よくわかりませんが、ニャーさんナイスフォローです!」


 ヨーコの嘆きに沈黙するしかなかったエリには、話の流れも変わる嬉しいニャーの介入だった。


――と、乙女達がきゃいきゃいしている最中に、奴が出現する!!


「集まったようだな、俺の下僕係どもよっ」


 時計塔の上部から、アレクがでで~ん。

 とりゃ~と飛び降りてくる。


「よし。では、番号を言えっ」


「え、え? 番号?」


 戸惑うエリをよそに、アレクの指示に元気いっぱい幼女が反応する。


「はーい。ココア1号なのだー」


(わたくし)は、お兄様の2号でも構いませんことよ」


 黒き少女が2号を申し出た。


「なら、ガザニア、3号か?」


「にゃあ、そこは”ぶいすり~”って言わにゃいとダメにゃーねー」


「それ、なんだ?」


「だぶるたいふーん、にゃ。あと、ニャーは4号にゃ」


 人間っぽい娘組の番号が決まる。


「ウチは5号で~」


「アタイは、6号さね」


 ハタチ以上組の番号が決まる。

 そうして、1号から6号までの乙女がエリに注目するのだった。


「じゃ、じゃあ、私は……7号で、よろしくお願いします」


「よし、では、下僕係ども俺と合体だ!!」


「はい? アレクと合体!? え、え、どういうこと??」


 混乱するエリをよそに、他の乙女達が『おおー!!』と掛け声を上げていた。

 さすれば、である。


――ぴか、ぴか、びかあああちゅううッッ!


 辺り一面が眩いばかりの光で覆われた。

 そして。

 ずどどど~ん。


『だあはははっ。機動鋼鉄巨大戦士、アレクダム見参!!』


 アレクの装いをした巨大な鋼鉄の物体。

 それが、プジョーニの街を見下ろすようにしてそびえ立つ。


『ぎゃあああ、何これ!? 私、私がアレクで大きくなってるううう』


『アタイもそう人生を語れるほど長く生きちゃいないけど、生きてりゃいろいろあるもんさね』


『立ちあがれ~、立ち上あれ~、立ち上がれ~、アレクダム~♪』


『巫女なおねいにゃん。アレクダムはもう立ち上がっているにゃーねー』


『ココア、び~む見たいー、び~むっ』


『ああ、こうしてお兄様と一緒になれる日がくるなんて、ラティは、ラティは……』


『アレクダム、尻尾ない。動きにくくないのか?』


 尻尾がない乙女も混ざる機動鋼鉄巨大戦士。

 その影響があったのか。


『う、動いた!?』


 そうエリが感じてすぐ、アレクダムが転倒した。

 人類にはまだ早すぎた一歩だったようだ。

 そして。


『きゃあああ、プジョーニの街がああああ』


――まさか、暴走!?


 などなくとも、街の半分を破壊する衝撃を起こしたそれだった――――。


――――。


――。


「はっ」


 がばっと、ベッドのエリが上体を起こす。

 隣では、すぴーすぴーとココアが寝息を立てる。


「全然思い出せないけど……すんごい怖い夢を見たような気がする……」


 そうつぶやいてすぐ、エリが大きなアクビをひとつ。

 むにゃむにゃと口を動かしながら、またベッドに潜り込んだ。

 つかの間、寝息を立てだしたエリは、再び眠りにつく。

 このしばらく後の忍び寄る影を知らずに。

 それが、永遠の眠りとなるかも知らずに――――。



ありがとうございました。

今回のお話は、とあるご作品に感化され、カエルも「7人の美少女とハーレム合体してえ!」から書いた勝手に捧げるお話となっています。(`・ω・´)ゞ

楽しんでいただけましたら、幸いです。

また、

なんか感じるものがあるッッ! という読者様がいらしゃいましたら、

その素敵な直感で『スライム・ハーレム』のネット検索をおすすめ!


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