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9話~沐浴佳人とすけべな王子~

 メレス達の旅も六日目となり、残すところあと一日でソヴァージュへ到着となる、



 この日は比較的安定した道のりであった。何度か低級の魔物に襲われることはあったがこの前の悪魔のような強力な魔物が現れることはなかった。



 悪魔が襲ってきてからメレスの様子が少しおかしかった。何か考え事をしているのか、憂い気な表情でたまに溜息をこぼす。



 その表情も一枚の絵として完成されており、周りの騎士達の眼を奪い釘づけにする。本人は気づいていないがその何気ない仕草の一つ一つがこの女っ気のない任務で乾いていた騎士達の心を潤す結果となっていた。メイドのリタは下心で見ようものなら物凄い剣幕で睨んでくるため、騎士達の癒しはメレスのみだった。そのメレスも男だという事はもちろん騎士達は知らない。



 本日の進行も終わり、泉の近くで野宿することとなった。



 日も落ち外は夜の帳に包まれる。夕食も終え、一日の疲れを癒すため皆すぐに体を横にした。



 騎士達は外で枯れ木に火を焚き、何人が交代で不寝番をしていた。そこら中から騎士のいびきが聞こえてくる。いびき以外はとても静かな夜だった。もともとこのあたりはソヴァージュが近く頻繁に魔物の間引きがされているため、魔物の鳴き声も非常に少ない。たまに聞こえてくる魔物の声も、用意してあった魔よけの魔道具でこちらへ寄ってこず、すべて遠のいていった。弱い魔物ばかりだからだろう。もう今は魔物の鳴き声もウルフタイプの遠吠えがかなり聞こえてくる程度のものとなった。



 悪魔の一件で緊張が高まったカーティスはすぐに寝付く事が出来なかった。気分を変えるためカーティスは起き上がり、広い馬車から降りる。馬車の椅子は寝る事も考えたとても柔らかい素材でできていてとても気持ちが良かったが、今は外の空気を吸っていた方がカーティスは落ち着いた。カーティスは深く深呼吸をした。木々に覆われるここの空気はとても済んでいて、鬱屈と淀んでいた体の中の空気を入れ替えてくれるようなそんな気がした。



 もう少し心を落ち着かせたいカーティスはここからすぐ近くの泉へと足を向けた。背の高い草をかき分けて進む。するとすぐに泉が目に入る。月明かりに照らされたその泉の湖面はうっすらと蒼く輝いていた。それは綺麗な自然を好んで住みつく精霊の恩恵だろう。精霊のいる泉はその精霊の力で常に清潔に保たれている。煮沸などせずともなんら体には悪影響を及ぼさない程度には。



 カーティスは顔を洗おうと泉に近づこうとした。すると湖面に映し出された真ん丸な月が波打ちその形を僅かに崩す。不思議に思い湖面を揺らす波紋を目で追っていくとそこには裸の女がいた。


 正確には後ろ姿だけではあるが、濡れてなお艶ある長い黒髪に、水滴が月明かりを反射するたおやかな肌、そしてその健康的な印象を崩さない程度に線の細いボディライン。それを見て男と思う者はいない。一瞬この泉の精霊かと思ったが、よく見ればその姿がメレスだと気づく。



 カーティスはしばらく呆けその光景に釘づけになる。



「……ッ!」



はっと我を取り戻した時慌てて顔をそらして近くの気に身を隠す。



 いけないものを見てしまったと己を叱責する。女性の、それも恩人の沐浴を覗いてしまったのだからその罪悪感は大きい。聡明で心優しく第一王子よりも次期国王として周りに期待されているカーティスであってもまだ二十歳にも満たない若者だ。女性の裸はたとえ背中だけであっても刺激の強い光景だった。しかもそれが美女のものとあってはカーティスも普段のように余裕ぶってはいられない。メレスを知略であしらった時のカーティスはそこにはいなかった。



 カーティスは樹の裏で顔真赤にしてとっさに声が出かけた口を両手で覆って塞ぐ。カーティスの心臓がやや高鳴りしている。



 ばれないうちにここから立ち去ろうと来た道をゆっくりと戻ろうとした時。



 「おや、アルフォード帝国第二王子様はこんなところで覗きですかな?」



 いつの間にか背後からメレスのからかうような声が聞こえてきた。カーティスは体をビクリとさせて固まる。



 自身の背後からというのは正確には正しくなく、自分が隠れていた樹の裏側からというのが正確だった。



 「い、いや。私はただ顔を洗おうとしてきたら偶然貴方の沐浴姿を目撃してしまいましてっ。決して覗きというわけではっ!」



 慌てて弁明しる姿は普段の落ち着いた物腰とは正反対だった。そのセルフとともにカーティスは振りかえるとそこには樹からちょこんと顔を出すメレスの姿があった。



 「なっ!?」



 髪はまだ水がしたたっており、僅かに樹から覗く肩と隠れていない脚は泉から出たばかりでまだ衣服を身につけていない事を示唆している。隠れているのは胴体部分のみだ。カーティスが少し顔を横にずらして覗きこめば大事な部分が見えてしまうかもしれない。カーティスはまた顔を慌ててそらす。



 「どうして何も着ていないんですか!?」



 「そりゃ、まだ水浴びの途中だからな」



 メレスはさも当然のように答える。その口調は昼間の丁寧な口調とは違った。余裕の無いカーティスはそれに気づくことはない。



 「の、覗いてしまったのはすみませんでした。で、でも見えたのは背中だけですから!大事な所は見えてませんから!」



 カーティスは上ずった声でそう言った。



 「大事な所って?」



 「そ、それは…!」



 メレスの意地悪な質門にカーティスは口ごもる。



 「と、とにかく!私は何も見てませんから!すみませんでした!し、失礼します!」



「まぁ、待ちなって。少し話していかないか?」



 カーティスはこの場を立ち去ろうと脚を動かそうとするがメレスに止められる。



 「何をですか?」



 カーティスは困惑を隠しきれなかった。こんな状況で何を話すというのか。というより裸のままいるのか。こんな状況でしか話せない事なのだろうかと。



 「悪魔の件さ」



 カーティスの表情が一転する。そこに思春期の青年の表情はすでに無かった。カーティスは思った以上に真面目な話題に気を引き締める。そして口調が変わっているのも流石に気づいてはいるが、カーティスはメレスが普段から猫を被っているのには気づいていたし、そこに王族への敬意も薄い事にも気づいていた。カーティスにとって口調なんて今さらだった。



 「君は何か知っているんじゃないかと思ってね」



 メレスの言葉は確信的だった。何かを知っているかのようにも思えた。



 「どうしてですか?悪魔が二体同時に現れるなんて私も聞いた事はありませんよ」



 「悪魔が二体同時に現れるなんてそりゃ予想できなかったかもしれないけど、原因は知っているんじゃないか?事実あれ以来君の体から緊張が抜けないでいる。まるでソヴァージュに向かうのを恐れているかのようにだんだんとそれもつよくなっていく。どうして?」



 まるで筒抜けだった。必死に普段通りに振る舞ったつもりなのだが、メレスには通用しなかったようだ。



 「…ただこれからも襲われるんじゃないかと思ったら怖くなっただけですよ」



 カーティスは座り込んだまま目線を地面に落とす。



 「嘘だね」



 メレスは即座にカーティスの言葉を嘘だと切って捨てる。



 「お…私が付いているんだ。あの程度の悪魔は二体でも三体でも相手にならないくらいはあの時の戦闘でもう知っているだろう」



 事実悪魔との戦闘でメレスはその圧倒的な力を見せつけた。低級悪魔程度何体集まろうがメレスに掛かれば造作もないことは戦闘を本職とする騎士達だけでなく、カーティスの眼にもそれははっきりとわかった。それほどまでにあの場を圧倒していたのだメレスは。



 「……そう、ですね。これは貴方にも関係のある事だ。というより巻き込んでしまった私から説明しなければいけない事なのかも知れません」



 カーティスはメレスの言葉から少し考え込んだ後、覚悟を決めたようにそう言った。



 「メレスさんはアルフォードをどう思っていますか?」



 それはあの時と同じ質問だった。



 「今アルフォードは、いえこの大陸は大きな火種もなくとても平和です。戦争を知らない子供達も増えてきました。当然私も大きな戦争なんて大人達からの話でしか知りません。もう戦争は遠いものと私は思っていました」



 その言葉は過去形で、暗に今は違うと言っているのだろう。メレスは話を促すように黙っていた。



 「しかしここ最近、王は、私の父は何かに脅えるようになったのです。それはこの大陸にあるどの国とも違う存在。貴方が来たヴィーグリーズです。」



 メレスはそれを聞いても何も答えない。



 「ある日ヴィーグリーズは突然大きな船でこの大陸の各国にやってきました。私達はその光景に驚きました。大きな船を造ることは私たちにもできます。しかし、海の巨大な魔物から船を守って航海する術を私達は知らなかったんです。だから当時各国の首脳は度肝を抜かれたそうです。それも当たり前ですよね。自分達ができなかったことをさも当たり前のように成し遂げる技術力があっちにはあったんですから」



 小さいころから海の魔物は恐ろしいと、山のような体躯を持つものが航路を阻むとそう教えられてきた。岸から少し離れたところで漁に出る程度なら問題はあまりないが、それが離れた沖になると一変する。船の真下にいつの間にか船身の何倍、何十倍もの大きな影が現れたかと思うと山のような頭が海から顔を出し船を丸飲みしたり、その巨体に劣らない大きな渦を生み出す魔物が何体と現れ、見渡す限り一面巨大な渦が所狭しと視界を埋め尽くしたりと海の魔物は陸の魔物より規格外のものが多い。そんな魔境を超える手段は無い。それがこの大陸の各国の共通認識だった。



 しかしヴィーグリーズからの使者はそれを軽々と覆したのだ。当時カーティスはまだ子供だったがその時の光景は鮮烈に残っている。カーティスが夏の避暑地に兄弟と母とで護衛を連れてバカンスへと港近くの別荘に来ていた時だった。朝起きて霧に覆われた海を眺めていたら、霧の中に大きな影が浮かび上がってきたのだ。当時のカーティスはそれが聞かされた海の大きな魔物だと、この魔物がこの町を襲いに来たんだと恐怖に駆られた。



 実際は魔物ではなく大きな船だったのだが。



 「しかし父が恐れているのはそれが原因じゃない。その技術力よりもヴィーグリーズの誇る武力です」



 メレスはまぁそうだろうなと思う。しかしまだ何も言わない。ただあくまで聞きに徹する。



 「使者はいろいろなマジックアイテムを披露しました。そのどれもがこの大陸にはないものばかりでした。その中に映像を投射するマジックアイテムがありました。その投射された光景は戦争の場面でした。私達が知っている戦争とはまるでスケールが違った。剣が大地を割り、矢が山を穿ち、魔法が戦場を焼き尽くす。そのあまりの高次元な戦いはお伽話を映像で見せられているような気分でした。あの映像と同じような事をできる人間はこちらにもにもいます。しかし、あの戦いのように何十人もいるなんてことはありません。しかもあの戦いも前哨戦だと使者は言うんです。総力戦はこの世のものではないと。それを嘘だと断じる事はできませんでした。その使者もかなりの力を保有しておきながら、ただの使者なのですから。アルフォードならあれだけの戦力を使者として向かわせるような真似はできません。もしその者に何かあって多勢に無勢で殺されでもしたら大損失だからです。だからそれが簡単にできてしまうヴィーグリーズの戦力の層の厚さの証明だと思ったのです。」



 ヴィーグリーズの示した戦力はアルフォードや他の諸国を圧倒していた。そしてそれだけの力を見せつけておきながらこちらは友好を気づきたいとそう宣った(のたま)。あれだけ見せつけた後にそう言うと脅しにしか聞こえないが当時のその使者がどういうつもりで力を見せ、そう言ったのかは誰にも分からないが、現状何も事が起きていないため特に深い考えは無かったのかもしれない。不利な条約を結んでいるわけでもないためいよいよ脅しともとれるようなパフォーマンスの意味は分からない。



 「そしてその頃から父はヴィーグリーズに対して脅えるようになった。もしあの強大な力がこちらに向けられたら今のアルフォードではまず勝てないと」



 その声音は確かな父への同調と、しかしどこか反意が感じられる。そんな言葉だった。



 「そして父は力を追い求めた。力ある物を積極的に自軍に取り入れ、金属の採掘も昔より傾倒し、軍の力を高めていきました。そんな理由でアルフォードは他国より強い者が多いのですよ。まぁ多少の範囲ではありますが。それだけやっても武力の向上は周りより多少強い程度なんですよ。だから…」



 カーティスは一度そこで言葉を切り、言い淀むように溜めを作る。



 「父はさらなる力を求めて、禁忌に触れてしまったんです」



 「悪魔召喚か」



 「はい…そして契約です」



 悪魔契約。



 それは人間にとって最も触れてはいけない禁忌の一つ。悪魔はその者の魂を代償になんでも願いを叶える。アルフォード王が望むのは悪魔の力だろう。中でも上級に位置する悪魔の力は強大で、開闢者程にも及ぶ、最上級の悪魔ともなればその力は臨界者すら越え、人間が決して手の届かない存在となる。そんな悪魔の力を借りる事ができたなら、あるいはヴィーグリーズの国々に対抗できるかもしれない。しかし悪魔が願いを素直に聞き入れるなどありえない。魂を代償にしてなお、契約の裏をかいて契約者を陥れる。ヴィーグリーズの力を見せた後契約主を殺してアルフォードの国を滅ぼすなんて事も平気でやりかねない。



 「それを知ってしまった私は当然父に反対しました。馬鹿な真似はしないでくれと。しかし私の声は父には届きませんでした。周りの臣下、特に宰相が父をそそのかしていたんです。そして反対の姿勢を崩さない私を危険だと思ったのでしょう。臣下は、宰相は、…父は私を闇に葬ろうと考えている」



 その時のカーティスの表情は見なくてもメレスには分かった。



 「父は民から信頼の厚い私を邪魔だと考えているのでしょう。私が反旗を翻せば民は私に付くと恐れている。だから私を暗殺し、そして父に従順な兄を王に据え、傀儡にしようとも考えている」



 メレスはこの時、謁見のシーンを思い出していた。王の礼の言葉にはどこか険があるような気がしていたのだ。それがカーティスを助けるという王や宰相側の企みの邪魔になっていたというならそれにも納得だった。



 「すみません。長くなりましたが、ここからがメレスさんにも関係のある話なんです」



 「お…私が?」



 「はい。実はこの任務の護衛をメレスさんに頼みたいと願ったのは私からなんです」



 王が決めた事ではなく、助けられたカーティスが自ら取り立てたのだ。カーティスは申し訳なさそうに口にした。メレスにそれをとやかく言うつもりは無い。



 「メレスさんを見て貴方なら何とかしてくれるって思ったんです。完全に勘なんですが」



 しかしその勘も外れてはいなかった。森での戦闘の後を見たとき直感から確信へと変わったのだ。



 「それで、私を今回護衛にして何をしてほしんだ?」



 核心はそこだ。メレス程の力を借りなければならない理由。話の流れからするとそれは最悪の結果しか想像できなかった。それでも一応確かめるようにカーティスへ質問を投げかけた。



 「アルフォードの属国であるソヴァージュ王国は父にとって、実験場でしかありません」



 まるで穏やかな言葉ではなかった。



 「ソヴァージュでは悪魔の召喚が行われます。それも自国の民を犠牲と、私の命を代償に」



 メレスは息を飲んだ。まさかそこまであの王が狂っているとは思わなかった。民と自分の子供を犠牲にするなんて。



 「それだけの犠牲の元召喚される悪魔は恐らく非常に強力な存在です。もしかしたら最上級悪魔かも知れない。そんなものが召喚されればソヴァージュだけでなく、この周辺国、いや大陸全土が火の海に包まれるかもしれません。それを阻止するためにも、メレスさんには悪魔召喚の儀式を妨害してほしいんです」



 カーティスのそれは勝手な都合の押しつけだろう。メレスにはまるで関係のない話だとカーティスだって分かっている。しかしそれでもメレスの力が必要だった。



 「どうしてそこで馬鹿正直に全て答えちゃうかな。そんなこと言われたら普通危険な任務放りだしてヴィーグイーズに帰っちゃうだろうに」



 「ですよね…ただ騙すような結果になったら後悔するかなって思って。貴方に聞かれるまで黙ってた私が言うのもあれなんですが」



 メレスに怪しまれて問い詰められなければこのまま黙って何も知らないメレスを巻き込んでしまったかもしれない。そんなカーティスが今更綺麗事をいっても信用なんてできない話かもしれない。しかしカーティスの今の本当の事を話しておきたいという気持ちは本物だった。



 その事はカーティスの口調から何となくメレスは察する。もし悪魔の事実をカーティスが隔したままでいたら、若しくはメレスの同情を買って利用する心づもりなら、王族など関係なくメレスはカーティスをひっぱたいていたかもしれない。結果的には力を貸すしかないのだが。メレスは最後までカーティスに協力するつもりになった。もしこれが演技だとしたらこいつは本物の狸だ。



 「けど本当の事を言ったのには変わりない。それにお前なら結局明日あたり我慢できなくなって白状しただろうさ。そう自分を責めるな。お前のやってることは正しいよ。胸を張っていい。だから悪魔なんかに脅えるな。おに…お姉さんが力をかしてやるよ」



 そう言ったメレスは少し照れていた。最後のセリフでそんな照れた口調になっていた。樹の裏側にいるカーティスにもメレスが照れているのをその声音から感じ取っていた。事実メレスは自信をお兄さんと言おうとしたが、性別を隠している事を言いかけて気付いたため、引っ込みが付かず、仕方なく自分をお姉さんと呼んだがそれがメレスには恥ずかしかった。メレスからしたらお姉さんではなくオネェさんだ。そんなの絶対いやだとそんななりしている女男が思っていた。



 「はい…」



 しかしカーティスにとってその言葉は胸を打った。騙していた自分をこんな簡単に許して、その上励ましてくれるのだ。まるで本当のお姉さんのようでカーティスには心強かった。



 「それにしてもメレスさんそれが素なんですね」



 「あぁ、周りがうるさいからな。あくまで面倒事を避けるための処世術だ。それにお前もこれでいいっていってたろ?」



 「はい。二人の時はそれでお願いします」



 「あぁそうするよ。さて、話し込んで遅くなっちまったしもう戻るか。あの騎士達だってお前がいないって気づいたら大事だろう」



 「そうですね。そろそろ戻るとしましょう」



 樹から出てきたメレスはいつの間にかいつもの格好に戻っていた。衣服を着る衣擦れ音すら聞こえなかったがいつの間に着たのだろうとカーティスは首をかしげる。



 そんなことを考えながらも先を行くメレスに付いていく。



二人で戻ってきたところを偶然見かけた騎士が二人のあらぬ噂を流すがそれを二人が知る由はこの時なかった


気を付けろ!そいつは男だ!

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