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序章~プロローグ~

初投稿です。

試しに投稿したので最悪消すかもしれませんし。

細かい設定やプロットを練ったら続くかも。


 オーバーテクノロジーとまで呼ばれたVRMMORPGが存在した。

VRシステムが完成したばかりの頃、VRシステムはまだ小さく簡素な空間を作りあげるしかできなかった。その小さな空間に稚拙で出来の悪い自身を模った分身を作り出し、同じ様な者が集まりコミュニケーションを図る場。謂わばSNSや掲示板のようなものでしかなかった。そこに集まる者は皆口ぐちにVRシステムの未来について熱く語り合っていた。



 旅行ができるようになる、おいしいものが簡単に食べられるようになると期待を込められた会話。中には下世話な願望を抱える者も多くいた。しかしそのどれもが研究初期段階でありすぐには叶えられるものではなかった。この飛び交った願望を全て叶えるまでの技術の発展にはどれだけの時間が掛かるのか、システムの利用者も開発者もわからなかった。VRシステムが十全に活かされるまでの技術の発展にはまだ何年もの時間をようすると皆が考える中、それは誕生した。



――VRMMORPG『ワールド・トレース・オンライン』



 それは将来を夢見た利用者達を驚愕させ、奮闘していた技術者達を仰天させた。

 いまだに風景や人物を綺麗に作り出すことができない段階である、生まれたばかりの赤子とも表現できるVRシステムが成人した大人へと一気に成長したようなものだった。あらゆる段階を飛び越えてそれは発表されたのだ。驚くのはそればかりではない。その完成度にもあった。目を凝らしてようやくそれがホログラムだとわかる精密で綺麗なグラフィック。現実の物理現象を忠実に一寸の狂いもなく再現した物理エンジン。そのどれもが研究者たちの現在の常識の埒外にあった。

 オーバーテクノロジーを成功させたのはとある新興企業だった。当然その技術は完全に秘匿されブラックボックスと化した。このニュースは連日マスメディアに取り扱われ大きな話題となった。その熱が冷めるのにはかなりの時間が要した。

 そして世界初となるVRMMORPG『ワールド・トレース・オンライン』は近年稀に見る大成功を収めた。




 世を席巻してはや10年が経った。

 いまだにこのゲームのブームは終わりが見えず、最近ようやく他社からもVRMMOのサービスが開始されるも、グラフィックもその他の完成度も『完成された世界』といわれるようになったこのゲームと比べるとどうしても見劣ってしまう。仕方のないことだろう。それはこの広場の風景だけでも証明されてしまう。現実の人間と見まごうばかりの質感に、自然の息吹すら感じとれてしまいそうな木々。広場の全てが現実味を帯びているものばかり。よく目を凝らしてようやくそれがポリゴンでできたデータなのだと気づくことができる。だからなのか、この空間はいくらリアリティ溢れるものだといってもどこか違和感を感じるものだった。



 人でごった返す広場にはあらゆる声が飛び交っている。賑やかそのものだ。そして華があった。この空間の人間はみな比較的整った容姿のものが多い。キャラクタークリエイトの際に皆必死になったのがうかがえる。このゲームは自身の元の容姿を基準としてキャラクタークリエイトを行うため、好きなように顔を変えることができないようになっている。顔も体も元の自分から大きく変えることができない。しかし顔や体のパーツはその部位ごとを少しずつなら変える事ができるため、ある程度まで整えるは可能だ。だからこの空間にはブサイクな人間は少ない。ほとんどが平均か平均以上だ。中には驚くほど容姿の優れたものまでいる。ブサイクな人間はほとんどがロールプレイか容姿を気にしないで変えなかった者のごく一部のみだ。プレイヤー達は現実の世界ではありえない、甲冑や鎧、刀や剣を身に纏っている。



 現実離れしたファンタジーであるこのゲームの世界で、一際目を引く集団がいた。その集団は一目で高ランクだとわかる豪奢な装備で身を包んでおり、その実力をうかがい知ることができた。容姿が優れているものも多い。その中でも一人、飛びぬけて美しいものがいた。さらりとした上質な絹のような黒の長髪に眼を奪われ、意志の籠った切れ長の瞳に心を奪われたものが何人もいた。そしてその身に携える刀もその者の美しさをより際立たせていた。

このパーティーは有名なのだろう。そこら中からパーティーメンバーそれぞれの名を呼ぶ声が聞こえる。中には様を付けて呼ぶ者までいた。




 突然だった。




 周りがそのパーティーに眼を奪われ、一瞬喧騒が鎮まった時だった。


 世界が大きな光に包まれた。


 誰もが目を開ける事が出来ず、とっさに腕で顔を覆う。

時間にして僅か数秒の出来事だった。顔を覆っていた者たちが恐る恐る目を開くと広場を犇めいていた人の数が減っていた。数にして十分の一以下だろうか。豪華や上品といったコントラストの割合がかなり増えた印象だった。広場のプレイヤー達には困惑が広がった。周りの仲間が光のあと突然いなくなっているのだからそれも当然といえる。それだけではない。自分たちがうまく感じ取れない何かが、決定的に変わっているからこその困惑だった。その違和感を探そうと困惑からプレイヤー達が動きはじめようとした時突然―――悲鳴が上がった。



 皆が悲鳴の出所へと顔を向けた。



 そこには先ほど皆の視線を釘付けにした麗人が蹲って震えていたのだ。


 そして誰かが言った。

―――――あぁ、そうか。ここは現実なんだ。


色々説明不足感

まぁ序章だしおいおいね

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