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監禁

「……ぐずっ」

「よしよし」

 ベッドで横になっているお姉ちゃんの頭を撫でる。

 脱がされない様に抵抗していたお姉ちゃんだったが、途中で無理なのだと分かってくれた様で、抵抗するのをやめてくれた。その代りに泣き始めてしまったけど。

「愛理ー、帰ったわよー!」

 お姉ちゃんを慰めていると、お母さんが帰って来た。

「はーい!」

 時計を見ると六時近かった。もうこんな時間なのか。

 うちは共働きでお父さんは会社に、お母さんはパートに出ている。昼間は誰も居ないことが多いのだ。

「すいまっぅんっ、んんー!!」

 突然、お姉ちゃんは大声をあげて叫ぼうとした。

 私はとっさにお姉ちゃんの口をふさぎ、声を小さくする。

 最初の言葉を発せられてしまったが、聞こえなかったと願いたい。

「おねえちゃん? 今、叫ぼうとしたよね? どうしてそういうことするの?」

「んーんん、んー!」

 あっ、口を押さえてたら話せないよね。

「もう叫ばない?」

「んん!」

 お姉ちゃんは素早く頷く。

 目が潤んでる気がする。苦しいのかな? でも、お姉ちゃんが叫ぼうとしたからいけないんだよ。

「絶対だからね」

 私はそう言いお姉ちゃんの口から手を離した。

「ぷはぁー」

 お姉ちゃんは新鮮な空気を吸い込んでいた。

「で、どうして叫ぼうと――」

「たしゅんん――――!!」

 私が話している途中でまた叫ぼうとする。

 今回はお姉ちゃんを見ていたので、即、口を手で押さえた。

「……お姉ちゃんにこんなことしたくなかったんだけどな。次叫んだらどうなると思う? お姉ちゃんだろうと私怒るよ。分かった?」

 お姉ちゃんはさっきと同様にこくこく、と首を縦に振る。

 ここまで言えばお姉ちゃんも分かってくれたでしょう。

 お姉ちゃんから手を離し勉強机の引き出しを漁る。

「……あった!」

 私は引き出しから粘着テープを持ってきて、口を覆えるくらいの長さで切る。

「わ、私が悪かったわ。だからそれはやめて……お願い……」

 お姉ちゃんは私が何をしようとしているか分かったのだろう。やめてと懇願してくる。

「お姉ちゃんはさっき叫ばないって言って頷いたのにまた叫ぼうとしたよね?」

「そ、それは……」

「だからお姉ちゃんのお願いは聞きません。ごめんね」

 私は、粘着テープをお姉ちゃんの口に近づける。

「そんな、いやっ、ん、んんんっ!」

 顔を動かして抵抗してきたが、お姉ちゃんの口に上手く粘着テープを張ることが出来た。

「これでよしっ」

 溜まっている涙を拭ってあげてから、私はお姉ちゃんに寄り添って一緒にベッドに横になる。



「ご飯出来たわよー」

 至福の時間がお母さんの声で終わる。

 時計の針は七時半を示している。

「お姉ちゃん、ご飯食べてくるからおとなしくしててね。後でご飯もってきてあげるから」

 お姉ちゃんは目をつぶっていた。寝てるのかな? まぁ大丈夫でしょう。

 私は布団をお姉ちゃんに掛けてあげ、リビングへと向かった。


「お父さん、今日遅くなるって」

「そうなんだ」

 ご飯を食べながらお母さんと家族のコミュニケーションを取る。

 叫び声の事は聞かれなかった。聞こえていなかった様だ。良かった。

 お母さんは、仕事で嫌な事があったなどと話をしてくる。私は相槌を打ちながらご飯を食べていた。

 最後にお母さんは、「夏休みに入ったんだから部屋の掃除もしなさいよ」と言ってきた。

 部屋の掃除は昨日したよ、と私は返す。お姉ちゃんが来ているのだもの、事前に部屋は綺麗にしておかなければね。


 ご飯が終わり、お風呂に入る。

 体を清潔にしてお姉ちゃんと一緒に寝るんだ……うふふふ。

 昔からの妄想が現実に。なんて嬉しいことだろう。



 歯磨きなどをして、寝る準備万端で部屋に戻る。

 私がお風呂から上がった後にお母さんがお風呂に入っていた。その時、お母さんに夜食欲しいと言い、了承を得て炊飯器のご飯を少し頂いておにぎりを二つ作る。

 お姉ちゃんのご飯だ。飲み物もお茶を入れたコップにストローを差して寝ていても飲めるようにして、お姉ちゃんが待つ自分の部屋へと戻った。

「お姉ちゃーん、ご飯持って来たよ」

 ベッドの上でお姉ちゃんは、私が部屋から出て行ったときと同じ格好で寝ていた。

 脱走しようとは考えないでくれたみたいだ。

「おねーちゃん?」

 無表情で私を見つめてくる。どうしたのだろう?

 このベッドはヘッドボードの所に物が置けるようになっている。

 私はそこにお茶とおにぎりを置いてから、お姉ちゃんを跨いで壁に寄りかかり座る。

 そして、お姉ちゃんの頭を両手で上げて私の膝に置く。腕の間の紐は緩めにしてあるから頭を少し上げるくらいはできるのだ。

 口についている粘着テープをゆっくり剥がす。

「はい、私が握ったんだ。食べて」

 お姉ちゃんの口元におにぎりを持っていく。

 しかし、お姉ちゃんは顔を逸らしておにぎりを食べようとしない。

「せっかく握ったのに要らないの?」

「…………」

 反応がない。一人にしてしまったから怒ってしまったのだろうか。

「分かった、食べてくれないなら口移しで食べさせちゃうからね」

 私はおにぎりをかじろうとした。

「待って!」

「うん?」

 おにぎりに口をつけたところでお姉ちゃんが喋った。

「た、食べるわ」

 食べてくれるのは嬉しいけど、ちょっと残念な気もする。口移ししたかったなぁ……。

「うん! はい」

 気を取り直して、お姉ちゃんの口元におにぎりを持っていく。

 今度はしっかり食べてくれた。

「もぐもぐ……食べにくいわ」

「贅沢言わないで。お姉ちゃんが勝手に動こうとしなければ、こんな拘束しなかったんだから」

「……そう」

「そうだよ。はい、あ~ん」

「あん、もぐもぐ」

 人目が無いからだろうか、入学したての頃にやった食べさせ合いっこより恥ずかしくない。お姉ちゃんを膝枕して、ご飯を食べさせてあげる……至極の幸せだ。

「喉乾いたら言ってね」

「乾いたわ」

 早速返答が。

「はい、飲み物は気をつけて飲んでね」

 口にストローを入れてあげる。

 お茶がお姉ちゃんの口へ流れていくのがストロー越しに見える。

「スーっ、ごくっ、ごほっごほっ!?」

「だ、大丈夫!?」

 どうやら咽てしまった様だ。

「だから気を付けてって言ったのに。ティッシュ、ティッシュ」

 枕元にあるティッシュでお姉ちゃんの口周りを拭く。

 こうしてお姉ちゃんの晩ご飯は進んで行く。


「……ご馳走様」

「ふふ、お粗末様でした」

 お姉ちゃんはおにぎり二個お完食してくれた。

「量は丁度良かった?」

「…………」

 食べ終わるとお姉ちゃんの反応が無くなってしまった。肯定と取って良いのかな。

「よし、じゃあ寝よう! お皿置いてくるね」

「……ちょっと待って。……私、お風呂入りたい……歯も磨きたいし……」

 遠慮しているのか小さめの声でお姉ちゃんは私に言う。

「あっ、そうか。そうだよね」

 生活を部屋から出ないでするのには色々と工夫が必要なんだね。

「待ってて! 何とかするから」

 お皿とコップを持ち、私は一階に降りて行く。


「あ、お父さんお帰り」

 階段を降りた所でお父さんと遭遇。

 今帰って来たみたいで、まだスーツ姿のままだ。

「おう、ただいま」

 一言だけ交わし、私はリビングへと行く。

 お皿とコップを流しに置き、お父さんの食事の準備をしていたお母さんに洗っといてとお願いする。

「はいはい」

「あと、新しい歯ブラシってあったっけ? そろそろ替えたいなぁと思うんだけど」

「洗面台の下の引き出しにあったと思うわ」

「分かった。ありがと」

 私は言われた通りの場所を探しに洗面所に向かった。

「おう? どうした愛理」

 洗面所のドアを開けたら、上半身裸で下半身トランクス姿のお風呂に入ろうとしていたお父さんとまた遭遇。

 ……タイミング悪いなぁ。

「あー……歯を磨こうと思ったんだけど後でいいや。お風呂出たら呼んで」

 私はもう磨き終わっているが、嘘をついてこの場を誤魔化す。

「別に使っても良いぞ? 俺は気にせん」

「私が気にするの!」

 洗面所のドアを閉める。

「……愛理もお年頃になったのか。先月までは俺が居ても普通に洗面所使ってたのに」

 ドアの向こうからそんな声が聞こえた。

 私もお姉ちゃんが居なければ気にしなかったけど、ここでお湯に濡らしたタオルや歯ブラシ、洗面器を借りていったら変に思われてしまうでしょ。

 お父さんがお風呂から出てくれないと洗面器は使えないので、一旦自室に戻ることにした。


「戻ったよー」

 部屋に入りお姉ちゃんの様子を見る。

 仰向けからうつ伏せになっていたが、それしか変わったことはない様だ。

 あっ、口に粘着テープつけるの忘れてた。

「あれ? お姉ちゃんどうして息が上がってるの?」

 小さくだがお姉ちゃんの呼吸の音が聞こえる。しかも口から。

「へっぇ! な、何でもないわよ!」

「……怪しいなぁ」

 お姉ちゃん知恵働くし。

「な、何にもしてないから本当よ! ただ同じ姿勢が疲れたから変えただけ。それで息が上がっちゃって、あははは」

「本当?」

「うん。本当本当」

「……そこまで言うなら信じるね」

「ありがとう、愛理」

「えっ、褒められることじゃないよ。えへへ」

 理由もなく褒められても純粋に嬉しい。それをお姉ちゃんに言ってしまったらお姉ちゃんが調子づいちゃうかもしれないよね。ここは厳しめに。

「そ、そう。さっきは口にテープつけ忘れちゃったけど、これから私が部屋に居ないときはつけますからね」

 駄目だ。顔がにやけている気がする。

 私は両手で両頬を上にあげる感じでにやけ顔を悟られない様にする。

「で、でも今回は叫ばなかったでしょ? だからもうテープは要らないと思うのよ」

「ダーメ。お姉ちゃんを甘やかしているとその内立場逆転しそうだからね」

 お姉ちゃんラブの私が、お姉ちゃんに何回も褒められたり、甘い言葉を聞かされたとしよう。私はお姉ちゃんの言葉を実行してここから出してしまいそうな気がする。それは駄目。せっかく一緒に居れるんだからこの時間を大切にしたい。

 そう考えると粘着テープは良い案だった。さすが私。

「そうだ! お姉ちゃん写真撮ろ」

「い、嫌よそんなの! 撮るならせめて手錠を外して!」

「だから嫌だってばー。勝手に撮っちゃうからいいもん」

 お姉ちゃんの横に行き、ポケットに入れていた自分のスマホをカメラモードにして斜め上にあげる。

 スマホはインカメラにしてある。画質は落ちるがしょうがない。これを撮ったらお姉ちゃんだけも撮ろう。そうすればアウトカメラで撮れて画質も良く、私も満足。良い事しかない。うん、そうしよう。

「ほら、お姉ちゃんこっち向いて」

「嫌だ!」

「ほらほら」

「嫌だって言ってるでしょ!!」

「――!! しーっ! 声大きいよ、お姉ちゃん。……分かったよ」

 カシャ

 そっぽ向いたお姉ちゃんとのツーショット写真になってしまった。

 これはこれで思い出になるからいいもん。

 その後、お姉ちゃんを思う存分撮る。

 だんだんお姉ちゃんの表情が歪んでいく。

「うぅ……もうお嫁に行けない……ぐずっ」

「そんな事無いよ! 私が貰う! お姉ちゃんを一人になんかさせないよ!!」

 お姉ちゃんの表情は困惑に変わる。

「おーい、風呂上がったぞー」

 その時、お父さんからの声が聞こえた。

「分かったー!」

 そして私は下に向かおうとした。

「あっ、お姉ちゃんすぐ帰ってくるけど、ごめんね」

 お姉ちゃんの口を塞いでから、改めて下に向かった。


 洗面所で新しい歯ブラシを探す。

「……これか。あとは……」

 タオルと洗面器とコップか。歯磨き粉もいるかな。

 まず、私が顔を拭くときなどに使うタオルを風呂のお湯に浸ける。

 お父さんが入った湯船というのはお姉ちゃんに言わない方が良いよね。

 タオルを絞って洗面器へ。

 次に歯ブラシと歯磨き粉も。

 最後に私が使う歯磨き用のコップに水を入れて二階に行けば任務完了だ。

 怪しまれず、かつ迅速に行かなくては。

 まぁ、気付かれないのが一番なんだけどね。


 洗面所のドアを開け外の様子を伺う。

 リビングの方でお母さんとお父さんの話し声が聞こえた。

 ――行ける!

 すぐさま二階に駆け上がった。


「ふぅ、お待たせ」

 口が塞がっているお姉ちゃんは表情を無のままに目線だけ私に向けてくる。

 冷たい表情だと思うがこれはこれで……。

 っと、そんなこと考えてる場合じゃない。今はお姉ちゃんのお世話が先だ。

「まず、おむつの方はどうかなぁ?」

「んっ!?」

 うーん……まだ大丈夫みたいだね。

「お姉ちゃん我慢しちゃだめだよ。よし、次は体を拭きましょうねー」

「んんっ!?」

 服を捲り、体を拭く。

「やっぱり下着は邪魔だね。取っちゃうから動かないでね」

 勉強机からハサミを持って来て遠慮なくお姉ちゃんの下着を切る。

 ぱんつは、おむつに変えた時に切ってしまっている。色はスカートと同色の白だった。

 今切った下着も白。可愛いリボンが胸元の紐の所に付いている下着だった。

「んー! んんー!」

 お姉ちゃんは唸っているけど何を言っているか分からない。


 これも私のコレクションにしよう。

 ベッドの下にある引き出しを開ける。

 お菓子が入っていた円柱のカンが、引き出しの一番前に入っている。これがお姉ちゃんコレクションボックス。

 と言っても、今日作ったものだから切れている下着上下セットしか入ってないんだけどね。

 引き出しを閉めながらお姉ちゃんを見るとまだ唸っていた。


 最初に粘着テープ取らなくて良かった。取ってたらお姉ちゃんはきっとうるさかったよね。

 私はお姉ちゃんの体拭き始める。

 ……服を着ていて拭きにくいなぁ。でも、服を切ったら夏とはいえ風邪ひくかもしれないし……明日買ってくればいいか!

 今日は服を着たまま拭いて、明日裸にして拭けば……うふふ。

 いけないよだれが。

「じ、じゃあ次は歯を磨きましょうね」

 全身を大体拭いたので歯磨きへ。

 口の粘着テープを剥がして、私は歯磨き粉を付けた歯ブラシを持つ。

「さぁ、口開けて」

「……喉に当てないでよ」

「分かってる、あーってして」

 私は口を開けて、こんな感じとお手本を示した。

「……あー」

 お姉ちゃんの口の中が全部見える。

 整った歯並び、綺麗な白い歯、ピンク色の舌、そして喉の奥。

 普段見ることのない口の中を見るのは、新鮮で愛らしい。

 お姉ちゃんの口の中だからだと思うがそう感じた。

「丁寧に磨くから苦しくなったら教えてね」

 お姉ちゃんの頭の下に左手を入れて支える様に少し上を向かせ、その状態で歯ブラシを口に入れた。


 そして、私はお姉ちゃんの口の中を歯ブラシで堪能する。



 ふぅ、満足満足。

 十分以上かけてお姉ちゃんの歯磨きを行った。

 結果、お姉ちゃんは何故か疲れていた。

「はい、この洗面器にぺってしてね」

 口をゆすぐためにコップの水をお姉ちゃんの口に入れ洗面器に吐き出してもらう。

 この作業を二回行うとコップの水は尽きた。

「口はもう大丈夫?」

「……うん」

「これ片付けてくるね」

 私はお姉ちゃんの口をティッシュで拭いてテープをまた口に貼り、部屋を出る。


 本日最終任務。洗面器等々をバレずに片す。

 それだけだ。しかし、それが難しかったりする。

 ひた、ひた、と私は足音を消しながら下に降りる。

 二階に上がってくる足音は聞いていないからお父さんもお母さんもまだ寝室には行っていないと思う。

 お母さんだと足音が聞こえない時もあるが、お父さんは、ダン、ダンと歩いてくるので耳を塞いでいない限り確実に分かる。それに、階段を上っているか分からなくったって寝室のドアを閉める音で分かると思うし……。

 ということは、お父さんもお母さんもまだ一階に居る!


 気を付けなければ。

 階段を降りきる前に聞き耳を立てる。

 物音……テレビのかすかな音のみ。他の音無し。チャンス!


 忍び足で素早く洗面所へ。

「――ふぅ」

 無事到着。

 洗面所のドアを閉めたが、親が入ってくる場合もある。早く証拠隠滅しなくては。

 洗面器を濯ぎ風呂場へ戻す。更に歯ブラシは私が使っていたのを捨て、勝手にお姉ちゃんと兼用にする。タオルは洗濯籠へ放り投げる。

「……任務完了!」

 やったね。

 一人ガッツポーズを取る。

「……愛理、何やってるんだ?」

「ひゃっ!?」

 洗面所の鏡に映る私の後ろにお父さんが居た。

「い、いつの間に!」

「いつの間にって、今来たとこだぞ。それより、歯磨きしたいんだがいいか?」

「あっ」

 私が洗面所を独占しているのに気付く。今は何もやってないのに独占って……。

「悪いな」

「今終わったところだから大丈夫」

「あ~、だからガッツポーズしていた訳だ」

 流してくれたんじゃなかったの!?

「ちょ、そんな納得しないで! あれは……」

 こ、言葉が続かない。

「あれは?」

 お父さんが聞き返して来る。

「うぅ、あ、あれは……若さゆえの過ちってやつで!?」

 自分で何言ってるか分からなくなってきた。は、恥ずかしい……。

「はは、愛理は若いな」

 でも、お姉ちゃんの事はバレてないみたいだ。なら良いか。

「むー、じゃあね! おやすみ!!」

 そう言い、私はお姉ちゃんのもとに戻る。

 ……それにしてもお父さんには焦った。


「お姉ちゃーん」

 自室に入りベッドにダイブ。

「ん! ぐっんっ!」

「おねーちゃーん」

 顔をお姉ちゃんの胸元にすりすりする。

 お姉ちゃんの匂いも好き。すべてが好きだ。

「し~あ~わ~せ~」

 私は鼻歌交じりにお姉ちゃんにくっつき、ベタベタし始めた。



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