想い
昔から仲の良かった一つ年上の女の子。幼馴染みと言ってもいい。
私達の通っていた小学校と中学校は近かかったため、彼女が先に中学に上がってしまっても用事が無いときは待ち合わせをして一緒に帰っていた。
勿論、私が中学に上がってからは一緒に登下校していた。
いつからだろうか。
私は彼女の事を好きになっていた。
昔から彼女の事は好きだ。仲の良い親友、幼馴染みとして。
しかし、この気持ちは仲良しの好きではなかった。恋の方の好きだ。
この気持ちに気付いたのは、彼女が中学に上がったときだった。
そして、彼女は私の気持ちに気付くことなく、先に高校生になってしまう。
彼女は成績が良く、進学校に行ってしまった。
高校の場所は電車に乗らなければ行けない。登校は勿論、下校も一緒には出来なくなる。
それから私は中学校には一人で行くこととなる。
……寂しい、彼女と会えない学校生活なんて楽しくない。
私は勉強を始めた。彼女が進学した高校に行くために。同学年の誰とも仲良くしようとせず、一人机に向かい黙々と。
元々、友達と呼べる人は居なかった。小学校の頃は数人居たけれど、中学に入ってから疎遠となったからだ。
私の成績は良いとはいえない。中の下といったところだろう。
彼女がまだ中学生だった時、勉強を教えてもらう事も良くあった。
その時間も私は好きだった。
彼女と一緒にいられる時間。彼女の時間を奪ってしまっているような気がして、一度嫌なら断ってもいいと言ったことがある。
でも彼女は、私と居るのは楽しいから気にしないでと言ってくれた。
その言葉を聞いて私は更に彼女を好きになったのだ。
猛勉強のかいあり、半年後の模擬試験では彼女の居る高校のA判定をもらうことができた。
でもまだ安心はできない。受かるまでが受験なのだから――
ご覧いただきありがとうございます。
不定期更新です。