表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
In other word・・・  作者: トムトム
2章 歩いていこう ~Ich werde gehen.~
76/134

番外 side智 The mornig when I noticed that there was not you. 君がいないと気付いた朝 3

それからは、ずっと彼女の後について回るナントカの様にくっついて歩いていた。

俺がそうしたことで、彼女が同級晴雨からいじめを受けたということも俺は知っている。

けれども、彼女はいたってマイペースを貫き通していて、気がついたらいじめも消えていて・・・俺は彼女の弟分といういまのポジションができていた。

それはなぜか?彼女自身が、俺のことを弟みたいな存在と答えたことが一番の理由だとは思うけれども、本当は彼女には他校に彼がいたから。



要は、最初から俺の場合は恋愛対象外だったという訳だ。

あの当時の彼氏のことを知っている人は本当に少ないだろう。

彼女の口から聞いた人が果たして何人いたのだろう?

小学校対抗の水泳大会にわざわざ彼女の応援に来ていた位だから、自宅はちょっと離れていたのだろう。

ギャラリーをぼんやりと眺めていた彼女が、一点を見つめていて。それから、体が冷えたからと着替えたいといって控え室になっている体育館に戻って行った。

自分のレースの最終結果を見て、男子のレースが終わってからのタイミングは不自然ではない。

けれども、何かがおかしいと思った俺は、いけないと思いながらも彼女の後をこっそりと後をつけた。



そして、俺は見てしまった。体育館の片隅で知らない男と額をくっ付けて微笑んでいた彼女の姿。

その表情は、いつも見知った、厳しい表情だったり、練習後のさっぱりとした表情でもなかった。

その男にすべてを任せているといったような無防備な表情。

そして、そんな彼女を受け入れている男は、ゆっくりと背中をトントンと一定のリズムで叩いていた。

俺はその光景に魅入られてしまった。結果的に、俺に見られたことに気づかれて顔を真っ赤にした彼女から彼氏を紹介された訳だ。

聞くと、どちらかが試合の時には必ず見に行くんだと頬を染めている彼女を見た時は、本当に辛かった。

そんな二人の間に入り込む隙間なんて一ミリもない位だから、完全に俺の失恋は確定することになった。



失恋したショックもあったけれども、俺は彼女より好きになれた女の子はいなかった。

彼女の側にいれば、彼女と話をして、たまに見せてくれる笑顔があればそれだけで良かった。

それだけで幸せなんて言えるんだから、当時の俺もかなりイカレタものだ。

だけど、本当の所は・・・ほんの少しだけでもいいから、俺を未定帝欲しいと思っているのもまた事実な訳で。彼氏と別れて、彼女がほかの男に恋をしていても、俺は彼女に姉のようにずっと甘えているのだった。



小学校時代の彼氏がひでくん。次の恋の相手がゆうくんになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ