さよなら大好きな人1
彼の気持ちを尊重して私は別れることに決めました…佐倉倫子
「久し振りだね。元気だった?」
「佐倉こそ!!ところで実力テストはどうだった?」
「そこは…聞かないで欲しいんだけど…」
3月末にあったS高のクラス分けの実力テストは数学と英語のみ。
数学は自分なりに出来たとは思うけど、胸を張れる程ではなかった。
英語にしても、そこそこ出来たと思うけど、満点には程遠い。
それよりも…入試レベルよりも更にランクアップされているテストってどうなんでしょう?
たまたま、受験レベルを維持する勉強をずっとしていたから、全てダメだったと青いかを派しなかったが、ひょっとすると…とんでもない学校に入ってしまったのでは?と不安になってしまった。
学校から戻ってすぐに、スイミングの同期で一番勉強ができる忠君に泣きついたのは言うまでもない。
その忠君は、歩いて5分の公立高校に進学する。
レベルも高い高校ではあるけれども、元は女子高の流れがある学校なので、男子の数は今でも少ないらしい。
朝が弱い彼は、家からの近さを優先させたようだ。
高校入学をきっかけにプールを引退すると聞いていたので、週に一度、理系教科を見て貰う事にした。
逆に私は彼に英語を教えることになっている。
今日は、3月まで通っていた塾の合格祝賀パーティーだ。
本当は行く予定ではなかったのだけども、おば達の事で先生にアドバイスも貰ったし、弁護士さんも紹介して貰ったりしていたので、先生には会っておきたいなぁと思っていた。
S高には寮があるから、寮に入る予定だったのだけども、結果的には自宅から君塚にかようことになった。
今まで、おば達に使われてしまった両親の遺産はほぼ全額戻ってくることになった。
実際には、私が入院した時の入院一時金とか生命保険の給付金とか遺児手当てとかも使われていたらしい。
これからはそう言う事は内容に気を付けたい。
私も全てを聞かされていないのだが、使われた総額はちょっと小さめの家が一軒建てられる位らしい。
気付かなかったとはいえ、よくそこまで使えたなぁと逆に感心してしまった位だ。
それに一緒に暮らしているから家賃も払っていないし、光熱費も負担していないのだから相当お金が溜まるはずなのに…ほとんど預金がなかったらしい。
そのお金は一体どこに流れたのか?見栄を張って散在したのか、おばの実家に流れたのではないかと私は個人的に思っている。
ここの話は、弁護士さんに頼んで、本家の人達との立ち合いでの話し合いの場で聞いたものだ。
最初は私もその場にいたんだけれども、なかなかおば達が真相を明かさないので仕方なく私が途中退席をしてからようやく真相を話して分かったらしい。
私にその場で知られるのはおばのプライドが許せなかったんだろうと今は思う。
おばがこの事で表ざたにならないようにと無駄にない事を言って他の親戚に私が責められていた事に対しての慰謝料は使いこまれたお金とは別に支払うそうだ。
結果として、支払う額がかなりおおきくなってしまったが、おば達にはとにかくお金がないので、今回の支払いは本家から借り入れをするということで支払うそうだ。
借入の返済は、今後本家に対してするそうだ。
そして、これからは家賃相当額と一般家庭の平均額の光熱費も支払ってくれるそうだ。
ここら辺の書類の方は、私とは別途で弁護士さんに依頼をしたと後で聞いた。
そのため、私に対して、本家からたまに定期連絡をするという事も決まってしまった。
それは私が未成年だし、金銭トラブルにこれ以上巻き込まれない為には必要なことだと思う。
それにおばのことだから、私の事を絶対に金の亡者とか言いそうだ。
そんな事をきにするよりも、これから3年間で支払う学費は私立高としてはかなりお得な方だけども、この3年できちんと進路を決めないと。
幸い、今は景気がいいみたいだけど、それもいつかは終わりが来るとおもっている。
景気がいいうちに社会に出たいと思っていた。
最初は…前章でも少し話題に出ていた…親戚問題です。
一応…解決にはなりましたが、完全な解決ではありません。