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In other word・・・  作者: トムトム
1章 A turning point ~中3冬~
59/134

Let's try!! 5

「ごめんね。クラブの同期がいて、話をしていた」

「ナンパされたのかと思った。本当に知り合いなのか?」

「何?ヤキモチ妬いているの?」

「ヤキモチなんか妬いていてないって!!」

広瀬はムキになって答える。

彼の知らない私の世界に嫉妬している事は良く分かった。

絶対に本人は認めないと思うけれども…ね。

「はいはい、からかったのは悪かったわ」

私は彼にちゃんと謝ることにした。

これで機嫌を直して貰えればそれでいい。

「まっ、いいよ。何ものなかったんだから」

「ここの方校舎天国って、よくクラブの皆で来ていたんだ。だから…少しだけずるかったかも」

「そうなんだ。俺、あんまりやった事がなくって」

彼は小さな声で言う。

まあ、渡した無理矢理誘ったのが事実だしね。

「ちゃんと言って。その位では何も言わないから。私が平気だったのが…悔しいんでしょ?」

「…凄く…悔しい」

広瀬は呟いて少し俯いてしまった。ちょっとやり過ぎたかな。



「だったら、また今度一緒にやろうよ?どう?」

「いいの?」

「私は楽しいからいいわよ。それにね…私一輪車も乗れるのよ。もっと意外なんじゃない?」

「えっ?」

「信号の先では一輪車が乗れるのよ。乗りたい?止めておく?」

さっきまでローラースケートで遊んでいた三人は今度は一輪車で遊んでいる。

「なんか意外。そういうのは、出来ないんだと思っていた」

「成程。きゃあきゃあ言うと思ってた訳ね」

「ちょっとだけ…期待していた。ごめんなさい。ちいちゃんローラーブレード平気なの?」

「じゃなければ、この服装では使わないよね。スラロームとかなら出来るけど?披露しとく?」

「俺出来ないから。見ててもいい?」

「いいよ。でも1回でいいや。ちょっと待っててね」

私はそう言って、スラロームを超えていく。久しぶりなせいか少しだけぎこちないのは愛嬌だ。

「凄いね。俺も慣れたら出来るかな?」

「私だって、凄く転んだもの。大丈夫。出来るって」

「ようし、だったら…練習してみようかな」

素直に現実を受け止めて、受け入れる。こういう事がすんなり出来るのが、広瀬のいい所だと私は思う?



「それでは、手を繋いでいきますか?ともくん?」

「ともくん?」

「今、思いついた。誰もそうやって呼んでないよね?嫌なら置いていくわよ」

「置いていかないでよ。確かに…誰も言ってないかも」

「はいっ!!決まり。行くわよ」

私達は互いに手を繋いで暫くローラースケートを楽しんだ。


「どうだった?ローラースケートは?」

「すげー、おもしろかった。また来ようよ。いいよね?」

「時間が合えばいいよ。遊びに行く位」

「やったぁ!!それと…本当に食べていいの?」

「いいけど、食べないの?冷めるとおいしさ半減するよ」

私達はマックでポテトとコーラとサンデーを食べている。

先月のあの日まで、ゆうくんと来ていたマックに今はとも君といる。

それが少しだけ不思議な気分だ。



「ねぇ、俺が聞いたら…教えてくれるの?」

「何を?」

「その…男と別れた理由」

昨日の今日だから、聞かれる事は十分分かっていた。

「今?」

「言える範囲でいいから。静香ちゃんがちいは悪くないって言っていたから…」

私は考え込む。まだ私が知っている全てを話せる状況ではない。

私が皆に放した2月のあの日よりは、真実は見えてきたから、彼がなんでそうしたかは理解できる。

けれども、どこまで…とも君に言っていいのか分からない。

私が言える範囲だけでいいから放そう。私も現実を受け入れないと。


ようやく、パラレルでの呼び名が出てきましたね。

今後は広瀬ではなくて、とも君になります。

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