Let's try!! 2
昨日の夜も、私は静香といつものように電話をしていた。
「静香、今までありがとね。これからもよろしくね」
「こっちこそ…よろしくお願いします」
私はなんか可笑しくて笑い始めた。
「ちい。何笑っているの?」
「うーん、付き合い始めのカップルみたくって…うふふ……」
「あのぉ、私はそういう経験がないんだけど」
「大丈夫。今までは見る目がない男が多かったの。静香は静香のままで十分女の子だよ」
典型的なスポーツ少女の静香はどうしても女の子受けが多い。
何気なく…かなりの数のチョコレートをバレンタインデーに貰ったりもしているしね。
けれども、女の子受けする女の子と、男の子受けする女の子は、なかなか一致することは残念ながらない。
「そうかな?」
「うん。静香は静香のままで。皆が同じだったら気持ち悪いでしょう?」
「あはは…そりゃそうだね」
私が言いたいことは、分かってくれたみたいだ。
「ちいは…ちいだからって人を見つけたって事だよね」
「うん。結果は…ともかくね」
「私も頑張る。等身大の私を見てくれる人を探すね」
「それでいいよ。でもね…何か違うと思ったら。別れた方がいいかもしれないよ」
「なんで?」
静香は電話越しに首をかしげている様なきがする。絶対に意味が分かっていない。
「ちょっと、言いズラインだけども、そういう相手に見られているきがするの。もちろん、静香がそれでもいいのならそれ以上は私も言わないけれども…」
私の考えすぎかもしれないけれども、男女のそういう事って、好奇心だけでする事じゃないと思う。
せめて、自分の行動に責任が取れるようになってからだと思う。
「心配してくれたのね。ありがとう。それよりも…広瀬ってどうなの?」
「どうなのって、何が?」
「何がじゃないわよ。あの後皆で少し話をしたんだけども…。だって…。第二音楽室であんなアプローチを受けてたし…」
私は第二音楽室での事を思い出した。
確かに私は広瀬に…アプローチされていたかもしれない。
今の私の状況じゃなければ受け入れたかもしれないけど…でも…。
「今の私が、彼を受け入れたら…広瀬に失礼だよ」
「なんで?私なら受け入れちゃうよ」
「じゃあ、広瀬と付き合うとするよ。彼氏を一緒にいるのに、私は彼氏の事を見ていないで、無意識にかつての恋人と比較するんだよ」
「ちい。それは誰だってそうじゃない?」
「でも…。私は彼にそんなことしたくない。それよりも…そんなお人よしな人がいると思う?」
「そっか。それは失礼だね」
「うん。第一、広瀬は気軽に話せる相手だよ。未来は分からないけど、今は…」
「そうだよね。皆にもそれとなく釘をさしておくね」
「ありがとう。静香。また誰かと付き合うと…誰かさんが何か仕掛けてきそうだからさ…」
私はふと頭に過った事を口にする。
「それも絶対にないとは言えないのも事実よねぇ」
「…でしょう?基本的に私は怖がりだもの。忘れていない?」
「忘れてないよ。ちいらしいと思うよ」
その後は、取りとめのない話をした。