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In other word・・・  作者: トムトム
1章 A turning point ~中3冬~
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I wull graduate something? 何を卒業するんだろう? 16

「なぁ、理絵が言っていた話ってどう思う?」

「どうなんだかなぁ?言える事は文系の佐倉が嫌いだってことだよな」

「あぁ、それは確かに」

「レディアイスだろ?なんだろうな。でも…あいつって笑わねぇから、そこんところ怖えよな」

「それは言えてるな。でもよ、今日聞いた話ってどうなんだろうな」

「さあ?どうせガセじゃねぇの?」

「…かな?学校にいるのが表の顔で裏の顔があるのならあり得そうじゃね?」

また…何かを仕掛ける気なんだ。私はそれを聞いてうんざりしていた。

「誰でも誘えばついていくって話だし…」

「本当だったら、一度お願いしてみるか…あはは」



私はその話を聞いて唇ときつく噛みしめた。

どんなビッチきゃあ裸になっているんだろう?

あの声はえぇっと…確かテニス部だ。

テニス部に潜入するコネは…なくはない。

一応調べておくに限るか。また…あいつか。

最近更に仕掛けてくる事が悪質なものになってきている。

今になると、中学の頃にされた事がとても幼稚に見えてくる。

ふと、とも君を見たら、とも君の顔が青く見えた。

彼には知られたくなかったのに…な…。



「ちい…今の酷過ぎるじゃないか」

「ん?何が?私がビッチだって言われた事?それともあいつが仕掛けてる事全て?」

私は努めて冷静に彼に聞く。

「何も…何もしないのか?」

「言った・言わない程度じゃ完全な証拠とは言えない。でも、私は…男の人とそう言った経験はないから広まると困るなぁ」

私がそう答えると、彼は呆れた顔で私を見ていた。

「気にする所ってソコ?それはそれで問題だけどね。でも、彼氏とキスした事あるじゃん」

「あぁ…とも君も知っているでしょうが。今の私にはそういった潤いは全くないのに…。キスの事は否定はしないけど…いつ見たのよ?過去の話はどうでもいいか」

「えっと…その…あの…」

私自身は過去の事を公開していないからいいけど、こうやって忘れた頃に蒸し返されたり、話を振られると本当は…困ってしまう。

自分で聞いておいて、そのリアクションは反則でしょう…ねぇ。



「ようやく、ちゃんを着けないで呼ぶようになったのね」

「…あっ、ごめん、ちいちゃん」

彼は慌てて、私をいつものように呼び始めた。

ずっとそのように呼んでいるのは分かるけれども、そろそろちゃんを付けて欲しくない自分がいる。

「もう…ちいちゃんは嫌だな」

「なんで?」

「私がお子様みたいなんだもの。それに、私達の差は1年ないのよ。ねぇ、人前が嫌ならせめて二人でいるときは…ダメ?」

彼が高校に入ってから、何度か彼にお願いはしているのだが、呼び方を彼は直してくれない。



「ちい?」

恐る恐る彼が私を呼ぶ。

「何?ねぇ、とも君そろそろ帰ろう。それから、今日の事はなお君には絶対に言わないで」

「なぜ?言えばすぐにこんな噂は…」

「ダメ。いつまでもなお君に頼れない。なお君が卒業したら、私が困るの。この事は私が自分でしょうにかする」

私は彼の目を見据えて伝える。

いつまでも彼の兄に頼るわけにはいかない。

そろそろ私も自立しないといけないのだ。

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