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In other word・・・  作者: トムトム
1章 A turning point ~中3冬~
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I will graduate something? 何を卒業するんだろう? 7

「ちいは何が目的なの?」

「私?そうねぇ。今後、私には一切係わらないで。理絵は単なる同級生。それ以上もそれ以下もないから。それを高校卒業するまでは実行してもらう。それが出来るのなら、私個人は一切手を引く。皆とはちゃんと話しあいなさいよね。だからと言って理絵の事は許していないから。絶対に許さないから。覚えておきなさい」

「分かった。その条件を飲む」

理絵は私が出した条件を飲むと言った。後は、やったことを認めさせることだけだ。

「飲むってことは、私に対してやったことは認めたって事でいいのよね?」

「そうよ。私がやったのよ。それが何よ?」

「そうすることで、理絵にメリットがあるんだろうけど、何でしたの?理由は何?」

「ちいの癖に目障りなんだよ」

私の問いに理絵は乱暴に返した。でもその答えは本来の答えではない。本当の答えは他にあることだけは確実に分かっていた。ただ、理絵の答え方からするとその答えは聞けないだろう。今、追及してもその答えを私が得ることは不可能だろうから、今はこれ以上追及することを止めることにした。いずれは真実は分かるだろうとそんな程度に考えていた。



「その言葉は今後の免罪符にはならないからね。皆聞いたよね」

私はその場にいる皆に確認した。

「ちいは、それでいいの?」

「過ぎた時間はもう戻ってこないから、私個人は…もうこれでいい」

「彼とはどうするの?」

「あの日の彼の態度が彼の答えなんだよ。彼も頑固だから答えを曲げることはないと思う。どんなに辛くても受け入れるしかない。恋は甘くて切なくて、キラキラしているだけじゃないもの。彼といられたことについては後悔していない。期間の長い・短いでもない。二人でいられた時間の濃さだけは自信がある。あの時は、互いに思い合ってた。それだけ」

本当は辛いんだよ。泣きたいんだよ。でも…涙が出ないの。枯れるまで泣いたからかな?

ゆう君といた時間が、ついこの間の事のはずなのに、ずいぶんと前に感じる。

皆の前では強がっているけれども、一人でいるとつい…ゆう君といた時間を思い出す自分がいた。



「後は、皆で話し合ったら?私との事は皆が証人だし、皆の事には私が証人になるよ。これから話し合ったことをレポート用紙にまとめて、皆+先生で持っていたらいいよね?」

私は皆に提案する。皆での話し合いの結果を共有する。

そのことによって理絵による個人攻撃はきっとなくなる。

「俺もそれに乗った。ヤスは?」

「あぁ、それでいいよな?」

創君が賛成して、安井も同意する。皆も頷いている。

「ただ、ちいに対してのことはホームルームの議題にするよ。クラス全員が同罪だから。でも…静香は違ったみたいだね」

クラス委員でもある智子ちゃんは、私と静香の関係に気付いたようだ。



「人には多少なりとも表と裏の顔があってもいいと思うの。でもそれは、人間関係をよりよくするためよ。ただね、私はクラスの皆の事は何とも思ってない。中学を出てからどう付き合うかは、私が決めることだから」

「ちい、俺らを切るつもりだったのか?」

「今は一部の人は切ることだけは決めてるよ。その位当然でしょ?いつまでも友達ごっこができると思っていたんだ。だとしたら、よっぽどおめでたいわ」

「気持ちは分かるけどさ」

「お前、言ってる事がさり気なく怖いから」

「そう?皆もそれだけの事をしたんだって、自覚を持ってもらいたいわね。さあ、残りの話し合いを始めようか?あんまり遅くまで学校に残っていられないでしょう?」

私達は次の話題で理絵を更に追い詰めたのだった。

通常よりも少し短めですみません。一応、理絵との事はコレで解決の方向に向かいます。


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