I will graduate something? 何を卒業するんだろう? 3
「ちい…その」
「静香。安井は終わった。静香の言いたいことは創君から聞いた。理絵は何をしたいんだろう?」
教室前の廊下にいた静香が寄ってくる。私を探していたんだろうな。
「そうだったの。まずは一つ解決ね。創から聞いたのね。今日は今の所言っていないけどね。昨日、ちいは学校を休んで手続きだったでしょ?それを利用したらいいわ」
「本当にマメな性格ね。もっと違う所でかんばってもらいたいわ」
私は嫌味混じりで静香に言う。二人で笑い合っていると、図書室の方向から智子ちゃんが走ってきた。
「ちょっと!!ちい探したじゃない」
「ごめんね。智子ちゃん。ちょっと屋上に…ね」
「それは終わったの?今は時間ある?」
「しばらくは大丈夫だよ。どうかしたの?」
「昨日…またあいつが」
「理絵の事ね。一応聞いているよ」
「なら、話が早い。どうするの?このままにはしないでしょ?」
「もちろん。更に3年一緒が確定してんだから。一回はきっちりしないといけないでしょう」
「でも、今までの事を認めると思う?」
「簡単には認めないだろうね。昨日だって…それなりに大変だったから」
そう言うと、智子ちゃんは大きなため息をついた。
「智子ちゃん、ため息をつくと幸せが逃げて行くよ」
「やめてよ。そんな事を言わないでよ」
「もしかしあら、何か聞かれると思ってて」
「分かったよ。心しておくよ。教室に入ろう」
私は二人を促して教室に入った。
教室に入ると…今までとは違うクラスの空気に包まれる。
何となく、理絵の周りが穏やかじゃない。様子伺いをしているといった方が正しいだろう。
一体何をどこまでやらかしてくれたんだか>そのことで私が巻き込まれることだけはごめんだ。
「ちい、ちょっといいか?」
木下君が私の隣にやってくる。ほとんど話した事がない相手だから私はつい構えてしまう。
「何?どうかしたの?」
「S高って大したことないのか?」
いきなり核心をつく質問を聞いて、もっと他の言い方はないのか考えた。
「ちょっと待ってね」
私はそう言って、鞄の中に入れたままの問題集を手渡した。
「これは過去5年の問題集。気分転換に説いてみる?」
木下君はパラパラと問題集をめくる。徐々に眉間に皺が刻まれるのを私は見つけた。
「大したことないは嘘だな。ちなみにちいは理科と数学はどの位出来るんだ?」
「うーん、私は理系が苦手だから6割かな。これが義人くんならもっと出来るんじゃない?義人君は高専の電機科志望だからね。でも、国語と社会いに関しては大したことないかもね。公立入試レベルにちょっと毛が生えた程度だから。今回の社会は一問間違えてすごく悔しいけど…受かればいいから、もういいんだ」
実際には解答を見ても分からに問題もあった。3月にある実玉テストが終わるまでは、今の勉強をやめる訳にはいかない。
「…で木下君。過去問やるの?やらないの?やらないのなら帰して貰えない?3月にはクラス分けの実力テストがあるからまだ気が抜けないの」
「そうか。悪かったな。変なことを来たな。それと…受かって良かったな」
「ありがとう。でも…なんか変なの」
私は首をかしげた。木下君だ聞いてきたことが理絵絡みなのか判断がつかないからだ。
「あれは、理絵が言ったことの確認だね」
木下君がいなくなったのを確認してから智子ちゃんが言った。
もう私はひっそりと穏やかに過ごしたかっただけなのに。
年が明けてからのトラブルはいつになったら終息してくれるんだろう。私は深いため息をついた。
お願いです。私も貝になりたいです…神様。