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In other word・・・  作者: トムトム
1章 A turning point ~中3冬~
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終わった恋の悲しみは 9

「私の我慢の限界だったんだと思う。プールの中で私…声を出して泣きだしたの。

私…泣き虫だけども、練習中に泣いたことだけは一度もなかったから。練習が一斉に

止まって。サブコーチとまとめ役の明人君と麻耶ちゃんが来て、プールから上がって

全てを話したの。まっすぐになりきれていない腕を力ずくで伸ばされて、痛いと

言っただけなのに、サボりの口実にするなって言われた…と。

多分心が折れたんだろうね。本当に限界だと思ったもの。

腕が熱を盛った様に熱かったからすぐに冷やされた。痛みが治まった時に私は

決めたの。ああまで言われてまで選手でいたいと思わないから…育成に戻して貰おう。

もう…怒られるのだけは嫌だ。自分なりに頑張っているのを認めて欲しかった。

サブコーチがいなくなってから、明人君と麻耶ちゃんに言ったの。どうしたら育成に…

戻れるか?って。でも…それはヘッドコーチが決めることだから、私が決めても

その通りになる訳じゃないって諭された。後で言われたけど、育成に帰りたいと

言っても戻すつもりはなかったみたい。結局、担当コーチが代わる事で決着したんだけどね。

ヘッドコーチに話をしようとしてフロントに行こうとしていたら、ひで君にプールの

そばの空き地に連れられて、育成に戻るなって引きとめられたの。皆と同じことが

出来ないのが惨めだから、皆の足を引っ張るだけだから無理って言ったんだけどね…」



「だけど?」

「大好きだから。練習するこーづが違っても、同じ練習時間がいいって。でもね、私…

小さいころからひで君には大好きって言われ続けてたから、いつもの事かなって

思ってた」

静香が口を挟んだ。でも、ほとんど私一人が話している。私はジュースを一口飲んだ。

「体力が戻ったらまた帰ってくるよって言ったの」

「でも…育成には戻ってないよね。それはなんで?」

「ひで君にいなかった2ヶ月間寂しかったって。学校で会えないから、プールで

会いたいって。ひで君の言葉は凄く嬉しかった。でも…そんなひで君に甘えたく

なかったの。自分の事は…自分でどうにかしたかったから。気が付いたら…泣いていた。

そうしたら…一緒にコーチに文句を言う。私が育成に変えるなら、俺も一緒に行くって。

私を一人ぼっちにさせない。そう…ひで君に言われた」

「すげぇ…小2だよな?あの時って…」

義人君は呆然としている。確かにそうかもしれない。でも…ひで君だから受け入れられた。



「ひで君は、優しいの。でもね…本当は独占欲も凄く強いの。ちょっと場所を

離れるだけでもすぐに探す位。いつでもどこでも、ひで君は私の隣。まぁ…皆の

公認だったからね。あの頃は。ねぇ、創君。そんなにキス写真が気になるの?」

創君が見ているのは、小3の時の合宿の時に湖のほとりで、ひで君が私の頬にキスしてる

写真。私とひで君の写真には、そういう写真はたくさんある。もちろん頬じゃない

キス写真もある。

「そりゃ…人並みには」

「でもさ…場所を考えようぜ」

「小学生だろうが、何だろうが…無理じゃない?」

「キスや抱きしめる位できゃあきゃあ言うのって子供だと思うの」

「ちい…経験者が言うと重いんだけど」

「ごめんね。まぁ…写真程度なお付き合いを中1の県大会まではしていたんだ。

私が中1の夏シーズンで泳ぐのを止めたのは皆覚えているよね?本当はね…体が

ボロボロで競技を続けるには長距離しかなかった。一人で別メニューの練習が辛くて、

それに…ひで君と別れたからクラブにいるのも辛かったし」

「何で…別れたの?写真見ている限りだと、喧嘩もしてるよね?」

雅子ちゃんから原因を聞かれる。


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