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In other word・・・  作者: トムトム
1章 A turning point ~中3冬~
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君が嘘をついた・・・12

「ねぇ…ちいの彼のことを知っている人は何人いるの?」

「私と同じ塾なら3人。理絵と雪乃と昭二。ゆう君の前の彼女の友達が理沙…位?」

私がすぐに頭に浮かんだのはこの4人しかいない。けれども、どこかで見られているとは

思う。

「理絵が一番怪しいと思うんだけども。理沙は口が軽いから使われてるだけかな」

「理沙に関してはそうだと思うよ。友達の為なんて変な正義感を振りかざしているだけ」

静香と理沙に関しての考え方は一致した。これだと…理沙の対処は簡単に済みそうだ。

「昭二はどう考えても…除外してもいいと思うんだけど」

「でもね…昭二はN高受けるんだよね…。微妙なんだ」

「そうなると…何ともいえないか。安井の事もあるから…疑いたくもなるね。雪乃は?」

静香の根拠が分からなくって、私は静香に聞く。

「表向き…雪乃の家と仲がいいよね?叔母さん達」

「言われてみればそうかも。可能性は少ないかな。M大付属推薦で決めてるしね」

「結局、雪乃ってそうなんだ。皆雪乃が出来るって言ってたけど、そうでもないってこと?」

「そうとも言える。M大の推薦は私蹴ったけど…。オフレコでお願いします」

「何で…断ったの?もったいないじゃない」

「だって…学力じゃないのよ。プールが条件なんだもの。胡散臭い」

私は吐き捨てるように断った原因を話した。ブランク2年あるのにプールって…。

「理由は知っているんでしょ?」

「うん、スイミングの一つ上の同期がM大付属にいるから…そっちのルートみたい。

あそこのスポーツはそこそこ頭がないと受け入れてくれないから…」

「そうなんだ。それで…ちいでもターゲットか…怖いわぁ」

大人の事情と大人の思惑が交錯している…私の進路。私にはそんな価値はないと思うのに。



「今回のされていることの原因とか理由とかが全く見えてこないね。気持ち悪いな」

静香が素朴な感想を口にする。そう、原因も理由も私にはさっぱり知らない。

「ひょっとすると…逆恨みかも。じゃなければ、私はサンドバックにしてもいいから

八つ当たりなのかもしれない」

私は思い当たる可能性を口にした。静香はため息をついた。

「やっている事は子供らしくないんだけども…元をただすと案外そうかもしれないね」

「静香もそう思う?今回の当事者は自分の姿を完全に隠そうとしているからね」

「そうだね。しかも、本人がやったっていう証拠すらないんだから」

「厄介だね。証拠があれば、徹底的に叩けるのに。ないから…予防策しか取れない」

今の私達の力ではこれが限界なのかもしれない。それでもここまで分かったんだから

十分と言えば十分なんだけども。

「私も…そこが気になっているんだ。とにかくもう少し調べないとね。私に任せてくれないかな?

…それよりも、気持ちの整理…ついた?」

「少しだけ。ひで君と一度電話でいいから話をした方がいいかなって思ってる。

そうすれば、ゆう君の事が少し分かるかもしれない。静香はどう思う?」

「必要かも。彼らの人間関係も利用されてる気がするからね」

「ゆう君達もターゲットに?」

「うん…ちいの大切な物を全て攻撃している気がしてきたんだ」

「でも…静香はノーマークだね」

私がそう言うと、静香は電話越しで笑っている。

「だって、学校ではほとんど話していないでしょう?だからよ」

「そうか。こうやっているから気付かれなかったのか」

「本当に直接話す時は畑でしてたしね」

私の名義になっている畑と静香の祖母が持っている畑は隣同士。

幼いころの私達の遊び場は畑だった。



「ぼんやりとだけども、同じことを考えた。だから…きっちりと調べたい」

私がそういうと。静香がため息をついた。

「でもね、ちい…泣きたい時は泣いていいんだよ」

「もう…多分…平気。私が泣くのが、目的かもしれないから…絶対泣かない」

そんなやり取りをしてから、私は電話を切った。


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