プロローグとシリーズ説明
パラレルワールド、と言うのはほとんどの方が聞いた事があると思う。
簡単に説明すれば『if』の可能性である。
――もしもあの時~・・・。そういう選択肢が幾度となく重なり合い、もう一つの選択肢が産まれ、またそこから枝上に生きる限りその場の選択肢産まれる。その選択肢こそがパラレルワールドだ。
現実では科学が事実で、魔法や魔物、超能力が空想であり、おとぎ話であり狂言である。
しかし、だ。
もしも、科学ではなく反転して魔法がその位置にあったならばどうなるのか考えた事があるだろうか?
確かにただの妄想かも知れない。だけどそれは『ありえない』わけでもなく、可能性としてはあったはずだ。
それがパラレルワールドであり、もう一つの現実である。
その一つ一つが『特徴』的で、何かに『特化』している。
そんな確定的可能性を持つ青年の『if』物語。
それを語っていくのが特徴特化シリーズである。
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「化け物」
幾度となく俺を傷つけた言の『刃』。
それは心に消えない傷跡を残していく。
傷跡を隠すために一つの表情と感情を捨てた。
悲しみ、だ。
悲しむ事は無いし、悔やむ事も無い。
怒りと破壊だけに身を任せ、現実を受け止めその道を進むだけだ。
それが今回の可能性。
「化け物?・・・最ッ高の褒め言葉だ」
これは感情を壊して造った一人の化け物の物語だ。