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渡し船
暗い一本道を進む。
震えた足ですこしずつ、振り返らず、
前に進むと赤い川に出た。
「すすめない……」
トミノが悩み、
周りを見渡すと、
少しボロいように見える船と、
老人がいた。
「あの、川を渡りたいのですが」
トミノが話しかけると、
老人は品定めするように、トミノを見る。
「何を出せる」
トミノは少し考え、
人心を守る盾を提示した。
「――を出します」
何故を出したかすらわからない、
心が強く締め付けられる。
逃れられない恐怖が忘れられない。
ただ喪失感と恐怖が重くのしかかる。
帰りたい、どこかに。
老人は慣れた手つきで船を出した。
「船に乗れ、もうそれ以外できないだろう、そしてこれから全てを受け入れ覚え続けろ」
「全てを受け入れ覚え続けるとはどういう意味ですか?」
「罪…自身の原罪を理解すればわかるさ」
船に乗る前に振り返ると、
先ほどまでの景色は巨大な影で覆われ、
見上げても青い星は見えなかった。




