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戦うスイーツメイド★☆きな娘☆★  作者: きら
スイーツってしあわせ
5/5

きな娘のひみつ④

☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△


 前回のあらすじだよ!

 

突然現れた"ならず者"に私は怒り心頭!


河にゴミを捨てるなんてひどすぎる!


 その時、私のポッケがピカーンって光って、何かが出てきて、飴玉を舐めたらキラキラしちゃったの!


『……小娘。 もっとマシな説明はできんのか……』


☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△


「……なんなの? これ?」

(あれっ?喋り方がお姉さんみたいになっちゃう)


 戸惑いながら、自分のコスチュームをマジマジと眺めるきな娘。

 一方、驚愕の表情でその姿を見つめているのが石ころ太郎だ。


「まさか……。 小娘が"戦闘型甘味娘"だったとはな……」


「戦闘が……? え、なによ?」

 

 どうやら学力の方に変化は無いようだ。


「とにかくだ。 いいか小娘。 今、そなたは特別な力を手にしたのだ」

 

 少し呆れながら石ころ太郎が言う。


「特別な……力?」

 

 きな娘は改めて自分の姿を見る。


「そうだ。 その力をもってすれば、あの不届き者を成敗できよう」

 

 石ころ太郎は、不法投棄を続ける中年男性に視線を向ける。


「そう……。 わかったわ! やってみる」

 

 少し考えて決心したきな娘は、草の陰から飛び出した。


「待ちなさい。 なにをしているの?」

(うわー。 勢いで出てきちゃった! どうしよう!)


 自分の意思で行動したつもりだったが、なんだか自分ではないような気もしていて、きな娘は少し戸惑っていた。


「ん? なんだおめぇ?」


 きな娘に気づいた中年男性は、そのTPOにそぐわない格好を見て、怪訝な顔できな娘を見つめる。


「そこはあなたのゴミ捨て場ではないわ。 片付けなさい」

 

 そして、きな娘は堂々と臆せずに、中年男性へ忠告をした。

 

「はは! だったら、お嬢ちゃんがやればいいだろ? そんな格好してんだ――ほれっ!」

 

 中年男性はバカにしたような口調でそう告げると、足元に落ちていた、空き缶が数本入ったコンビニ袋を思いっきり蹴り上げる。

 そして、その袋はきな娘の顔面めがけ、豪速球で飛んできた。


 しかし――。


パシッ!


 きな娘は、いとも簡単に片手でそれをキャッチする。

(うわっ!うそ、捕れた!)


 そして、手にしたゴミを見つめながら、静かに呟いた。

 

「こんなことをして、困った人ね……。 これは、返すわ」


 きな娘はそれを、中年男性へポンと軽く投げ返した――つもりだった。


「うがああああ!」


 しかし、そのゴミはまるでレールガンのように空気を切り裂き、中年男性の胸に飛び込んでいく。

そして苦悶の表情を浮かべながら、中年男性は後ろに吹き飛ばされた。


(うそっ! なにこれ? 軽く投げたはずなのに!)


「それこそ特別な力だ」


 草の陰から出てきた石ころ太郎が、戸惑うきな娘に向けて言う。


「これが……?」


 両手を見つめるきな娘に、石ころ太郎は続ける。


「その姿では身体能力が常人よりも高まる。 まぁ……、小娘の場合は、学力がそのままで口調が大人になってしまう突然変異型のようだが」


「……そう」

(この口調って突然変異なんだ……)


 そんな衝撃的な事実に少しガッカリしていると、吹き飛んで倒れていた中年男性が動き出した。


「うぅ……。お嬢ちゃん、なにモンや……」


 ヨロヨロと地面に手をつき、立ちあがろうとしている。

すると、石ころ太郎が叫んだ。

 

「小娘! 今のうちに"心"を浄化するのだ!」


「浄化……? どうやって?」


 しかし、きな娘はどうすればいいかわからない。


「"浄化"とは心を耕すことを言うのだ。 その道具は(くわ)だ。鍬をイメージするのだ」


「……何で鍬?」


「細かい話はあとだ! さぁ!早く!」


(ええっ? そんなこと言われても……)


 急かされるまま、きな娘は仕方なく言う通りにする。


(えーっと、鍬……鍬……)


「…………」


キューン! ピッカーン!


 すると、きな娘の前に眩い光が集まり、その中から"鍬"が出現した。

やたらピンクでフリフリのメルヘンな鍬が……。


「これが……、浄化の道具?」

(なにこれ、かわいいんだけど)


 きな娘は、その鍬を両手でしっかり掴んだ。

中年男性は、まだ腰が抜けているようで立ち上がれていない。


「今だ! それをヤツに振り下ろすんだ!」

 

(ええっ!? だってそれじゃあこの人……)


「安心しろ小娘。 それは人体に危害は加えない。 さ、ヤツが立ち上がる前に、早く!」


なぜかやたらと詳しい石ころ太郎は、心配する素振りを見せたきな娘を安心させようと、要点だけ説明する。


「わかったわ。 ……それじゃあ、覚悟しなさい」

(もうどうにでもなれー!)


 そして、きな娘はついにその鍬を中年男性に振り下ろした。


「うわ! やめてくれ、俺が悪かった! うわあああああ!」


 中年男性の胸の中に鍬の先端が消えて行く。

だが、石ころ太郎が言うように、人体は傷つけていないようだ。

きな娘はその鍬を通じて、何かが中年男性の中へ流れていくのを感じた。

 

「あ……あっ……あ……」


 少しずつ、中年男性が恍惚な表情に変わっていく。

やがて、満足そうな表情を浮かべた直後、一言だけ呟いた。

 

「らっしゃーす……」

 

 そして、そのまま力が抜けたように、その場で気を失ってしまう。


「あなたの心の闇を耕しました。 次に育つのは光でありますように……」

(ええっ!? 私、何言ってるの!?)


 無意識に出た決め台詞が、事件の終わりを告げていた。

その瞬間、メルヘンな鍬は発光しながら姿を消していく。

 

☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△


これが"戦うスイーツメイド"になっちゃった理由!


 ねぇ! 石ころさん。

私この時、本当に意味わからなかったんだよ!


『小娘の"あらすじ"よりマシだろう……』


 

☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△ ☆△

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